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2025-07-14

【陸上】順天堂大・田島愛理が日本選手権女子1500mで学生新 来季さらなる記録更新へ挑む

女子1500m日本インカレ覇者の田島が日本選手権で学生記録を更新した(写真/中野英聡)

7月4日から3日間、東京・国立競技場で第109回日本選手権が行われた。今夏、同会場で開催される世界選手権の代表選考会となった今大会は各種目で好記録が誕生。女子1500mでも田中希実(New Balance)が6連覇を達成し、東京世界選手権代表に内定、3位に入った田島愛理(順天堂大3年)は4分12秒53をマークして、2021年に道下美槻(立教大、現・積水化学)が樹立した学生記録を0秒19更新した。

1年で6秒以上自己記録を更新

1カ月前の日本インカレを当時学生歴代5位の4分14秒77で制し、初めて全国タイトルを獲得したばかり。日本選手権ではより速い展開になることを想定し、大会前にはハイペースでの練習に取り組んできたという。

自身2度目となるシニアの日本選手権。初出場の前回は「出ただけで満足してしまい、全然戦えなかった」と予選落ちにとどまったが、今回は予選を組1着で通過。決勝は序盤から集団の中ほどでレースを進めると、最後は磨きがかかったラストスパートで3位争いから抜け出し、表彰台と学生新記録という2つの勲章を手にした。しかし、レース後の田島は納得のいかない表情を浮かべていた。

「調子が上がっている状態だったので、もっとしっかり戦いたかったです。4分10秒切りを目指していましたが、自分の気持ちの弱さが出てしまいました。もう少しいけたな、という感覚があります。ラストは思ったより余力があったので、もう少し前でレースを進められたら良かったと思います」

終わってみれば悔しさが募ったが、間違いなく、日本のトップレベルに到達したことを証明する一戦となった。

静岡サレジオ高(静岡)時代から全国区の大会で入賞した実績はあるが、同校は中長距離の強豪ではなく、田島は大学に入って着々と力をつけてきた。「順大は自分に合った練習法を考えてくれます。私は短い距離をベースにして、ときどき長い距離の練習を入れています」と、持ち味のスピードを引き立たせる順天堂大の指導方針がマッチ。特にこの1年では、6秒半も自己記録を伸ばした。

秋以降は駅伝シーズンに入るため、次に1500mのレースに出場するのは来季になる予定だという。「高校記録のほうが速いので、来年はそれより上を目指したい」と田島。高校記録は、小林祐梨子が須磨学園高(兵庫)時代の06年に樹立した4分07秒86と、学生記録を上回っているのが現状だが、年長の大学生として負けたまま終わるわけにはいかない。

文/石井安里、写真/中野英聡

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