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2025-07-26

東京女子7・27新宿より開幕するシングルトーナメント「第12回東京プリンセスカップ」の見どころ紹介【週刊プロレス】

トーナメントに出場する選手たち

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7月27日(日)より開幕する東京女子のシングルトーナメント「東京プリンセスカップ」。今年が12回目の開催で、ここではあらためて過去の結果を振り返りつつ、今年のトーナメント1回戦の見どころを紹介していく。ちなみに過去11回の優勝者&準優勝者は以下の通り。

2014年◎優勝=のの子、準優勝=中島翔子
2015年◎優勝=中島翔子、準優勝=ミウラアカネ
2016年◎優勝=優宇、準優勝=中島翔子
2017年◎優勝=才木玲佳、準優勝=坂崎ユカ
2018年◎優勝=優宇、準優勝=坂崎ユカ
2019年◎優勝=瑞希、準優勝=まなせゆうな
2020年◎優勝=瑞希、準優勝=中島翔子
2021年◎優勝=伊藤麻希、準優勝=中島翔子
2022年◎優勝=坂崎ユカ、準優勝=渡辺未詩
2023年◎優勝=山下実優、準優勝=上福ゆき
2024年◎優勝=水波綾、準優勝=愛野ユキ

そして今年の組み合わせはこちら。7・21大田区でインターナショナル・プリンセス王座を初戴冠した宮本もかは、当初7・27新宿での1回戦で山下実優と対戦予定だったものの体調不良のため欠場。不戦敗になってしまった。

7・27新宿
▼トーナメント1回戦
◎らくvs渡辺未詩
◎瑞希vs愛野ユキ
◎鈴芽vs上原わかな

8・2浜松
▼トーナメント1回戦
◎HIMAWARIvs風城ハル
◎遠藤有栖vsハイパーミサヲ
◎中島翔子vs辰巳リカ
◎上福ゆきvs荒井優希

8・9品川
▼トーナメント準々決勝
◎らく対未詩の勝者vsHIMAWARI対風城の勝者
◎山下実優vs遠藤対ミサヲの勝者
◎瑞希対愛野の勝者vs中島対辰巳の勝者
◎鈴芽対上原の勝者vs上福対荒井の勝者

8・17大阪
▼トーナメント準決勝(準々決勝後に再び組み合わせ抽選会実施)

8・23後楽園
▼トーナメント決勝戦


◎らくvs渡辺未詩

まずは初日の7・27新宿大会から。さっそく実現するのは、らくと未詩によるアップアップガールズ(プロレス)対決。ただデビューから次第に2人の実力に差が見え始め、東京女子の3大王座でいえば未詩はグランドスラムを達成、一方のらくはどれも未戴冠となっている。それだけに未詩の勝利を予想するのが堅実かと思われるが、ここ最近のらくの奇抜さは目を引くものがあるのもたしか。会見の際も未詩は「らくちゃんとのシングルマッチはもう5年ぶりくらいになりそう。あの…イヤです(苦笑)」と震えあがるほど。

ちなみにアプガがプロレスデビューしたのが2018年1月、そしてらくが自力初勝利を獲得したのが2020年2月。2年以上の時を経て、ついに念願の3カウントを奪った相手が未詩だった。さらにそのタイミングですでに未詩は辰巳リカとの白昼夢でプリンセスタッグ王座を保持しており、挑戦するきっかけにもなった。だからこそ時を経て、再びらくが飛び上がるチャンスになるかもしれない試合だ。


◎瑞希vs愛野ユキ

プリンセス・オブ・プリンセス王者の瑞希は、1回戦で愛野ユキと激突。ちなみに組み合わせ抽選会がおこなわれたのはビッグマッチ(=7・21大田区)の4日前であり、その時点で果たして瑞希が王者としてトーナメントに臨むかどうかは分からなかった。それでも荒井優希を下して3度目の防衛に成功し、無事にベルトと一緒にトーナメントにエントリーすることも決定。その初戦の相手が愛野…キャリアも実力も伴っており、簡単にはいかない相手だ。

「私はプリンセス・オブ・プリンセスなんですよ。で、これプリンセスカップじゃないですか。プリンセス・オブ・プリンセスがプリンセスカップを優勝したら、これはとんでもないと思うんですよ。もう、ただの姫。だから絶対に優勝したいって思ってたんですけど、いまこのメンバーを見て…グッと固まりました。もう絶対優勝したいです。このブロックを勝ち上がったら苦しいのは分かってるけど、闘いたい相手がここにたくさんいるから」

会見の際には冗談を交えながらそう口にしていたのだが…これまでの全11回のトーナメントで同王座を保持した状態で優勝した選手は1人もいないという事実もある。だからこそ狙うは新たな歴史の開拓。瑞希がここで一気に歴史を変えてしまうか、それとも愛野が現王者を下して一気に勢いに乗るか。


◎鈴芽vs上原わかな

そして初日の最後のひとつは鈴芽vs上原。鈴芽は直近のビッグマッチ(=7・21大田区)でIP王座から陥落しており、もちろん狙うは再浮上。さらにプリンセスタッグ、インターナショナル・プリンセスと2つのベルトを巻いて闘う期間があっただけに、今度はまだ挑戦したことのないプリンセス・オブ・プリンセス王座を狙いにいく可能性だって十分にある。その一歩目として絶好の機会になるだろう。

本人は大田区でベルトを失った直後、「夏はまだまだ終わってくれないので、熱い夏に乗り遅れるわけにはいかないなっていう風に思ってます。たぶんいったんめちゃめちゃ落ち込むけど…でも絶対立ち直ります!」と今回のトーナメントについても言及しており、再起の闘いになっていくことは間違いない。さらに1回戦の相手は後輩の上原。今現在は上福とのタッグなどで勢いに乗っているかもしれないが、それでも実績で明らかに上回っているのは鈴芽の方。ゆえにトーナメントで多発する番狂わせを徹底して阻止し、ここからひたむきに再浮上を目指していく。


◎HIMAWARIvs風城ハル

今年は夏のシングルトーナメントを前に、出場選手を絞るために一部選手による予選リーグが開催された。そこを勝ち上がってきたのがこの2人と上原&宮本だ。お互いにねくじぇね世代として意識し続けており、先にベルト(プリンセスタッグ)挑戦を果たしたのはHIMAWARIの方。だけど翌年の「ねくじぇねトーナメント」では風城が優勝を果たし、同じくプリンセスタッグに挑戦している。

「ハルはねくじぇねトーナメントで優勝したり、去年もトーナメント出てるのでちょっと手強いなとは思うんですけど。せっかく予選で頑張って、勝ち取ったトーナメントの初出場なので…このままの勢いで優勝目指して頑張ります!」

昨年、HIMAWARIはプリンセスカップに参加できず。一方の風城はエントリーしていたため、意識する部分も多いことだろう。一方の風城も初開催(2年前)のねくじぇねトーナメント1回戦でHIMAWARIに敗れており、「高校生最後の夏、絶対に私がつかみ取りまーす!」とかつてのリベンジも狙う。予選を制した同期2人による熱き1回戦、果たしてここで勝利するのは――。


◎遠藤有栖vsハイパーミサヲ

2人はどちらかというとこれまでタッグの印象が強い選手だった。もちろん遠藤は地元・会津若松への愛情がとても深く、ミサヲは相手をかく乱する独自のファイトで闘い続けている、というオリジナリティもある。だけど3大王座のうち、それぞれ手にしたことのあるベルトはプリンセスタッグのみ。操時代を除くと、先に戴冠したのは遠藤の方だ。そのちょうど1年後、121000000(伊藤&山下)を通してミサヲも同じ頂点に到達。挑戦のきっかけがタッグトーナメント優勝というのも同じだ。

だからこそ、この2人による一騎打ちには期待がかかる。もちろんキャリアでいえばミサヲの方が上。きっとゴング前のマイクから遠藤は迷わされることだろう。それでも昨年は荒井の持っていたIP王座に挑戦するなど、個人での挑戦も見せていった遠藤。ここらへんで明確な結果が欲しい。それは誰もが思うことだろうが、いまの遠藤にはより当てはまるフレーズになってくる。ファイトスタイルでいっても2人は真逆。一直線な遠藤と、変則的なミサヲ。だからこそ見逃せない闘いになる。


◎中島翔子vs辰巳リカ

このトーナメントの組み合わせ抽選回が7・21大田区前だったため、どこかで大田区と同じような組み合わせは生まれるだろう、となんとなく思っていた。だけど、まさかこのカードが生まれるとは…。今年のトーナメントで一番読めない1回戦なのではないだろうか。それほどまでに東京女子を旗揚げ時から支えてきた2人の闘いには注目が集まってくる。

大田区ではプリンセスタッグ戦で激突。直接の勝敗はつかなかったものの、中島が未詩を下して防衛に成功している。ただ今回はシングルのトーナメント。直前の勝敗はそこまで2人に関与してこないだろう。むしろ最近の辰巳の暴走っぷりを見ると、中島にとっては自分でしか止められない…という窮地にもなりえる。さらに同トーナメントではいまだに辰巳は優勝したことがなく、そのあたりも狂った着火剤になってきそうだ。

会見では辰巳を下し、2回戦で瑞希とのチャンピオン対決をしたいと話していた中島。自分が現在、プリンセスタッグの他にアメリカ・MLW女子のシングルチャンピオンだから、なおさらその思いは強くなっている。一方の辰巳は結果的に1回戦が不戦勝となった別ブロックの山下に「トーナメントで一番闘いたい人がいるんですよ。狙うは辰巳リカ」と指名されており、そこに「変な人に目をつけられて…嫌いになりそうです」と間接的にアンサー。だけどいまのプリプリ王者は愛する瑞希で、今年3月に挑戦も届かず。それでも全力の愛を再び伝えたいから、中島を下し、初優勝を果たして再び瑞希の前に立つことを臨む。


◎上福ゆきvs荒井優希

大田区で瑞希に敗れてプリプリ王座奪取はならずも、あらためてプロレス専業になってからの進化を見せつけた荒井。一方の上福は保持していた海外のシングル王座を失い、なかなか結果を出せない日々が続いている。だからこそ、この2人による1回戦のテーマは復活なんだと思う。

上福はここで荒井に勝利し、横のブロックにいるパートナーの上原も鈴芽に勝利することで2回戦でオーバーイーツ対決が実現する。そこへの意識ももちろんあるだろうが、一番に狙うのは「意地悪」か。上原も鈴芽もきっと勢いに乗っているいまの荒井とシングルで対戦したいはず。だからこそ、そこを私が邪魔してやろう。その上で一昨年は準優勝で終わった同トーナメントを制し、あらためて存在を証明してやろうと思っているはず。

荒井は同トーナメントで少しずつ成長してきた印象が強い。本人も「自分の成長を結果として残せた、自分を強くしてくれたトーナメント」と振り返るほどだ。そして昨年はベルト4まで残り、もう優勝は目の前。上福とは昨年、IP王座を持っている時に防衛戦で激突して勝利している。だからこそ…大田区で瑞希に挑戦して敗れたばかりだけども、再び頂点を目指して駆け上がっていく。

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