close

2025-07-27

【陸上】広島インターハイ男子100mで10秒00、高校新記録の清水空跳 28日には全日中を制した200mにも出場

男子100mで10秒00をマークした清水。28日には200mに出場する(写真/黒崎雅久)

25日からホットスタッフフィールド広島(広島広域公園陸上競技場)で開催されている広島インターハイ。大会2日目の26日、男子100mでは清水空跳(星稜高2年・石川)が10秒00(+1.7)をマークし、U20日本記録、高校新記録を樹立した。

28日の200mでも大会新を

 タイムレース決勝の1組で、追い風2.4mの参考記録ながら、菅野翔唯(東農大二高2年・群馬)が10秒06をマーク。3組目のレースを待っていた清水空跳(星稜高2年・石川)にも、場内の大歓声が聞こえたという。

「菅野君が10秒0台を出したので、負けたくなかった。でも、それで力んでしまわないように、自分のレースをして、9秒台を出すくらいの気持ちでいました」

暑熱対策による競技日程や競技実施方法の変更で、昨年10月の国民スポーツ大会(少年B)以来の菅野との直接対決はかなわなかったが、同学年のライバルの快走に、清水の心に火がついた。

2組を挟み、迎えた最終3組。3レーンに入った清水は、予選で課題が残った一次加速の局面を修正。序盤から抜け出し、圧倒的なスピードでフィニッシュラインを駆け抜けた。タイマーが「10秒00」で止まると、場内がどよめき、清水は何度も跳びはねて喜びを爆発させた。風速は公認の追い風1.7m。しばらくして、正式記録も速報値と同じ10秒00と発表された。

「タイムを見たときは、めちゃくちゃうれしかったです。スタートから40mまでの動きは、今までで一番完璧でした。しっかり乗り込んで、力強く走れたことが、自分の強みである二次加速につながったと思います」

2013年4月29日に、今大会と同じ広島広域公園陸上競技場で、洛南高(京都)3年生だった桐生祥秀(現・日本生命)が樹立した10秒01のU20日本記録、高校記録を12年ぶりに更新。U20世界歴代8位タイで、U18世界記録(10秒06)を塗り替える快挙を達成した。

当初、清水の今季のターゲットは、桐生が持つ高2最高記録の10秒19だった。3週間前に行われた日本選手権の予選でその記録に並び、今大会ではさらなる更新を目標に挑んだが、高2最高記録どころか、高校記録をも超えてみせた。

「高校3年で桐生選手の10秒01を塗り替えて、9秒台を出すことが自分のビジョンだったのですが、あと少しだな、という実感が湧いてきました」

初めて体感するスピードに、終盤は脚がついてこなかったそうだが、16歳5カ月の清水が9秒台に限りなく近づき、9月に開催される東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)にも到達した。夢舞台が見えてきたが、まずはその前に、今大会4日目の28日に200mが控えている。1年生だった昨年の福岡インターハイでは、100mで2位に入った後、脚がもたずに200mの準決勝を棄権しただけに、二冠獲得への思いは強い。

「高校新と言わないまでも、大会記録(20秒61)は更新したいですね」

中学3年時の全日中で、自身初の全国制覇を成し遂げた種目で、再び衝撃の疾走を見せるか。

文/石井安里 写真/黒崎雅久

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事