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2025-09-02

柔道金メダリスト・ウルフアロンのプロレスデビュー戦を永田裕志、船木誠勝が語る「自分ならではの必殺技を考案できるか」【週刊プロレス】

ウルフアロン

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新日本プロレス来年1・4東京ドーム大会で棚橋弘至引退試合とともに注目されているのは、東京オリンピック柔道金メダリスト・ウルフアロンのデビュー戦。棚橋社長は「社長業に勤しんでるので道場に練習は行けてないんですけど、道場に来て練習に励んでるっていう報告は聞いてます。性格はとても真面目で、一生懸命プロレスラーになろうとしてる姿勢はうかがえます」と印象を述べた。

また、コーチ役を務める永田裕志は、「一生懸命やってますよ。この前も投げたり投げられたり。いろんなこと教えてますよ。背中にアザつくってね、頑張ってますよ。いま言えるのはそれぐらいですね。デビューまであと4カ月あるから、頑張ってほしい。成功? 間違いないです。成功してもらわないといけないしね」と語った。

総合格闘技界からプロレスに復帰した船木誠勝は9月21日に大阪・梅田(スカイビル・ステラホール)でデビュー40周年大会を控え、7月31日、ABCラジオ「ますだおかだ増田のラジオハンター」に出演した際、ウルフアロンに関して尋ねられ、「柔道五輪金メダリストですから強いのは間違いない。ただ、強いだけでは成功しないのがプロレス」と自身の経験から述べ、「金メダルを取るほど強いのだから、相手に技を決められることは少なかったでしょう。技を受けることを怖がるかどうかが1つのポイント」と続けた。さらに「今のプロレスは動きが速い。自分もそういう動きをしないといけないと考えるのか、自分はどっしりと構えて相手の技に対応していくのか」とスタイル面での意識に関しても言及した。

柔道では相手を投げて「一本」を取ればそこで終了。しかしプロレスの場合は、そこから次の展開に移る。関節技など寝技につなぐ選手もいれば、そのままエルボードロップやボディープレスを狙う選手もいる。ロープに走っての攻撃を仕掛ける選手もいる。ダウンしてもすぐに立ち上がるなど、続けて攻撃を浴びて大きなダメージを受けないようにしなければならない。

また、プロレスではショルダースルーやコーナー最上段から投げられるなど、2メートル以上の高さから落下することもしばしば。それらは柔道になかった展開。そのあたりも要注意点だ。

そして何よりも、「柔道の経験を生かした自分ならではの必殺技を考案できるか」が重要だと船木は語る。関節技では腕ひしぎ十字固め、締め技なら裸絞め(スリーパーホールド)、投げでは大外刈りを応用した技が浮かぶが、一番のポイントは「オリジナルかどうか」。

バルセロナ五輪銀メダリストから転向した小川直也は大外刈りを改良したSTO(スペース・トルネード・オガワ)なる技をデビュー前に開発、デビュー戦で当時のIWGPヘビー級王者、橋本真也相手に白星デビューを飾っている(最終的な決め技は裸絞め)。

相手の後頭部をマットに打ちつける技で、最もプロレス向きの柔道テクニックだが、「たとえ名前を変えても同じ技でなインパクトは薄い」と船木は番組内で語っている。

日本人では五輪金メダリストのプロレス転向は初めてとあって、世間的にも注目度は高い。それもあって、簡単に勝てる選手を相手にデビューとはならないだろう。テレビ朝日での当日ゴールデンタイム中継も決まっている1・4東京ドームだけに、期待を損なう内容となれば、のちのちまで尾を引いてしまう。ある意味、成功か否か、すべてがこの一戦で決まってしまう危険性すらはらんでいる。

橋爪哲也

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