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2025-09-11

石破茂首相辞任発表3日前“元参議院議員”大仁田厚がラジオ生出演で語った次期自民党総裁選【週刊プロレス】

9月4日、大仁田厚が来阪、ABCラジオ「ますだおかだ増田のラジオハンター」に生出演した。もともとは11月3日に開催されるFMWEの大阪・堺大会のプロモーションだったが、元自民党議員の顔がクローズアップされ、次第に話題は揺れる石破茂政権に移っていき、「もし石破首相が辞任したら」と仮定したうえで自民党次期総裁選にまで話は広がった。そこで“小泉チルドレン”でもある大仁田が元政治家の目で語ったことは……。そして古希が見えてきた年齢になっても電流爆破のリングで闘い続ける思いとは……。


引退→復帰を繰り返しながら、1974年4月のデビューから50年以上プロレスラーとして活動している大仁田厚。自身が考案した電流爆破マッチとともにその点ばかり強調されるが、政治家としての顔も持っていた。

プロレスラー議員第1号となったアントニオ猪木が自身が立ち上げた政党(スポーツ平和党)や日本維新の会といった野党から出馬したの対し、最終的に自民党からの出馬は“王道”といわれる全日本プロレス育ちがうかがえる。

同じ自民党でも衆議院と参議院とでは顔を合わせることは「党本部に行ったときぐらい」。そのため「杉村太蔵議員をつかまえることはほとんどできなかった」ことで、教育係は機能しなかった。

「プロレスラーは政治家向き」との持論を展開した大仁田。その最たる理由はパフォーマンス。「ドナルド・トランプ大統領は大統領になる前、WWE(プロレス界最大手である米国の団体)に出てレスラーとやり取りしてた」のが代表的。最近ではボクシングや総合格闘技などでも記者会見や軽量の席で“言葉の闘い”が繰り広げられるが、プロレスが圧倒的に洗練されていると語る。

大仁田が参院選に出馬したのは、小泉純一郎首相が郵政民営化を打ち出していた2001年。「小泉さんは『郵政民営化!』と言葉短く訴えた。だから(争点が)わかりやすかった。ああだこうだ長く訴えてもわかりにくくなるだけ。参政党の『日本人ファースト!』の方がわかりやすいでしょ?」と、出馬当時を振り返って、いかに効果的に政策をアピールするかを伝えた。

出演当時はまだ石破茂首相が辞任を決意する前。大仁田は「意外としぶとい。あっさりしてないっていうか、何か画策してるんじゃないですか」と見ていた。「衆参両院委員会で退陣を迫られて、(退陣に)賛成の意見が多かったら衆議院解散に踏み切るかもしれない。解散権を持ってるのは総理だけなんだから(それを振りかざす)。今の流れからすると、自民党総裁を退陣する流れになりそう」と予想。結果的に出演3日後、石破首相は辞任の意向を明らかにした。

次期総裁について問われると、「難しいんだよなあ……」と言葉を濁しながらも、「小泉進次郎さんは、もうちょっと時間が必要かな。時々、失言するからね」「高市早苗さんは右(派)っていうか。でも党内には左っていうか、リベラル派もいるからねえ……。そのへんがどうか。俺はリベラルでいいのかなあっていう思いもあるけど」と口にした。

大仁田自身、議員時代はいじめ問題に取り組んでいた。「何もしてなかったって思われてるけど、現場に行ったり大変でしたよ。スポーツ関係から来た議員、馳浩さん(現・石川県知事)とか橋本聖子さん(参議院議員)とかもだけど、文教に行かされるんだよ。じゃあ、文教で何をやろうかってなった時に、それ(いじめ問題)に取り組もうって。でも、いろいろやって来たけど、いまだに変わってない。むしろ不登校とかいじめは増えてて、俺が議員だった時代よりも悲しい事件は増えてるんだよ。何歳であろうと、いじめたら罰をくらうんだよという制度を作らないとダメだ(根本的になくならない)と俺は思う」と訴えた。

全日本プロレスで若手時代を過ごした大仁田。「理不尽なこともいっぱいあった。だけどジャイアント馬場さんが言ってましたけど、昔は野球界もいじめがいっぱいあった、一番ひどかったんじゃないかって。千本ノックとかあったわけだけど、それをどうとらえるかにもよるからね。試練ととらえるか、いじめととらえるか」。

リング上での闘いを通じて、終わりが見えない問題を訴える大仁田。飛び散る火花と煙、爆音、火薬のにおいに包まれるリングは、「痛い、怖いって、見ててわかりやすいでしょ? でもそこから何度でも立ち上がる姿を見て、いじめという恐怖に立ち向かう勇気と力を持ってほしい」と訴える。それは議員時代に取り組んだ問題を、形を変えて解決すべく闘い続けている姿でもある。

橋爪哲也

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