開幕前は新時代勢への期待が大きかった今年の「G1クライマックス」。しかし決勝トーナメントに勝ち上がったのは辻陽太と海野翔太の2人のみ。ともに優勝決定戦にコマを進められず、優勝はKONOSUKE TAKESHITAにさらわれた。DDT&AEWとともに新日本プロレスとの3団体所属のTAKESHITAとあって新世代の一員との見方もあるが、生え抜きではない。何かにつけ、新日本の未来を支える、明るく照らすとアピールする新世代勢をベテランの真壁刀義はどのように見ているのか? そして彼らへの期待、注文は? 7月25日、ABCラジオ「兵動大樹のほわ~っとエエ感じ」に出演した際にぶつけてみた(聞き手・橋爪哲也)。――自身が出場しない大会をプロモーションするのはどんな感覚ですか?
真壁 すごく不思議(苦笑)。最初はイヤだったんですけど、逆に言うと、先輩が僕たちの宣伝をしてくれたこともあったから、“これもまた俺にしかできないことだからいいんじゃない”って思って、やるようにしたんだよね。今のお客さんに届けて、観客動員を増やさなきゃいけない。それだったら、何も知らないヤツより知ってるヤツが(プロモーション活動を)した方がいいのかなと思って。新日本プロレスのファンの人たち以外に訴えるには余計にね。オレが(番組に)出て、お笑いの方たちがいじってくれるのはありがたいですね。今はどうやったら客が入るかなあって、いっつも考えてるね。プロレスだけでもダメだし、芸能の仕事だけでもダメだし、あと何が必要なのかって。そのプラスアルファがあるはずなんで、それは何かってずっと思ってます。それがなんなのかっていうのが、まだちょっとわかんない。それはその時その時、時代によって変わるだろうからね。それがわかんないんだよなあ……。難しいよね。
――現時点で新世代勢(海野翔太、成田蓮、辻陽太、上村優也、大岩陵平)に望むことは何ですか?
真壁 固執すること。技であったり、生き方だったり、レスラー像だったり。自分が訴えていくことと、周りから見られている(望まれている)こととを追求して突き進んでもらいたい。それぞれ色があることを望まれてるし、色がないレスラーってたただのレスラー。自分の理想、思い描いてることを追求すればするほど、彼らのレスラー像が浮き彫りになって見えてくると思うんですよね。それを武器として使ってもらいたい。
――それぞれ個性的ではありますけど、まだそれが武器にまでなってないと?
真壁 彼らがいま取材を受けたとして、自分のこと語れる? ライバル視してるのは誰で、そいつとどういう関係になりたいか。薄くは言えたとしても、深くは言えないと思う。それを聞いたファンの心を揺さぶれるか。彼にはそれができるはずなんですけど、周りのコメントや意見を聞いて自分のことを客観的に見て分析できてるのかってところがオレには疑問に思えてて。今までのプロレスのように、「テメエ、ぶっ倒してやる!」じゃダメ。バックステージでの発言やインタビューなど、今のファンは見ている。その上で、何かを描かせないと。それだけの語力、言葉の力が必要。ただ勝てばいいって思ってるのなら、根本的にお前のプロレスは間違ってる。そう思ってるならファンは離れていくよ、つまんねえから。
――言葉でもプロレスを繰り広げないといけないと……。
真壁 受けまくって最後に引っ繰り返すのがプロレスじゃん。だったら言葉でも、受けまくって受けまくって、最後にグーの音も出ないぐらいねじ伏せられるか。そのために、普段からそれだけ考えてコメントしてるか。そうじゃないとダメだとオレは思う。オレたちがプロレスラーを見て育っていった頃は、“この人、なに考えてんだろうな?”ってところと、そんな俺らを一言で納得させる言葉があった。その一言で、オレらにいろいろ想像させた。彼らがそういう部分を感じさせると面白いんじゃないか。まあ、今のオレのスタイルはしゃべりすぎてるとこあるけど(苦笑)。リングでの闘いに言葉で補足をつけて、さらに自分の色を重ねていく。色っていうよりクセっていう方がいいかな? “こいつ、クセ強いなあ”って思わせてみろよって。それがぶつかり合った方が面白いかなって思うね。
――プロレス以外の業界の方とかかわって、そういう部分を感じたことありますか?
真壁 芸人さんを見てても、クセのない人ってアッサリだからスターターにはもってこい。だけど、あんまり残んなくない?
――すぐ飽きられてしまう。
真壁 そう。そういうのを見てると、もっとにじみ出るものがないと。そういうのがあれば、もっと好かれるっていうか、欲される。そこを追求したら面白いんじゃないの?
つづく
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