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2025-09-28

10・31板橋での自主興行を前に、夏すみれが語る優宇への思い【週刊プロレス】

大会ポスターを手にした夏

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10月31日(金)、板橋区のTOKYO SQUARE in Itabashiにて自主興行「さよならの代わりに」を開催する夏すみれ。奇抜な姿で独特の妖艶さを放ちながら、フリーランスとしてセンセーショナルな闘いを繰り広げる夏は、いかなる思いを込めてこの自主興行に臨もうとしているのか。その意図と、惜しまれながらも年末に引退となる優宇への思いが語られた。(聞き手・戸井猛道)


――今回、自主興行開催に至った経緯はどのようなものだったのですか?

夏 私個人の自主興行としては3回目、NOMADS'なども含めると7回目とかになるんですけど、開催日の前日が私のデビュー12周年記念日で。ただ、「12周年」ってスゴく微妙じゃないですか。特に何かやるつもりはなかったんですよね。そんな中で今回、優宇ちゃんが引退を決めたという話を数カ月前に聞いて、さよならの気持ちを込めた大会にしようって。

――これまでリング上では目立った接点がなかったようにも思えますが?

夏 そうなんですよ。だけど実はプライベートでは結構仲良くしてもらってて、一緒に旅行に行ったり、飲みに行ったりすることも何度もあったんです。7年前に優宇ちゃんが東京女子を退団してフリーになるとき、共通の知人から「女子プロレス業界のことが何もわからないみたいだから、話を聞いてあげてくれないか?」って頼まれて。
 
 そのときに電話で1時間くらい話して、彼女自身も不安を抱えていたようだったので「じゃあ今度飲みに行こうよ!」って。そこから仕事の相談を受けたり、遊んだりという関係だったので、引退を聞いたときにはやっぱり寂しいな…と。だから引退を聞いたその日の夜には「あ、興行やろうかな」って思ってましたね。

――その行動力もスゴいですが、本人とはどんな話をされたんですか?

夏 最初に優宇ちゃんには「この大会を自分がやりたくてもできなかったことのために使っていいよ」って伝えたんです。プライベートでの優宇ちゃんは本当にやさしくて繊細な子。先回りして他者の気持ちを考えてしまう印象で。

 引退興行のことも相談を受けたんですけど「引退前ぐらいはもう、どんどんワガママになっていんだよ!」って伝えました。主役になれる選手ってほんの一握りだけど、デビューと引退だけはどんなレスラーでも無条件で主役になれる機会だから、この2カ月は本当に思いっきり、優宇ちゃんがやりたいことを優先してほしいなって。

――その結果、メインでは「夏すみれ&山下りな&諏訪魔vs優宇&橋本千紘&石川修司」というとんでもないカードが組まれましたが…。

夏 優宇ちゃんからはまず山下りなとの対戦が希望として上がりました。もうひとつ、里村明衣子さんが“チーム333キロ”(優宇&橋本&石川)を気に入ってたらしく、最後に見てもらいたいという気持ちもあったようで。「とんでもないカード出してきたなぁ」とは思いましたけど「ウチで好きなことやっていいから!」ってカッコつけて言っちゃったもんだから、もう断れないですよね(苦笑)

――闘う前から、夏さんがぺしゃんこにされている未来しか見えないのですが…(苦笑)。

夏 1人だけOL混ざってる状態ですからね。「殺す気かよ!」って思いましたけど(苦笑)。まあ、石川さんが出るのであれば、こっちは諏訪魔社長を出すしかないなと。ちょうど今、Evolutionさんに度々参戦させて頂いてるんですけど、諏訪魔社長にお会いする度に…カラダも…おっきぃし…腕も太い…。そんな社長を見ていると日に日にドキドキが大きくなっているので、そんな気持ちも込めて社長にご参戦をお願いしました!

――セミの「葉月&笹村あやめvsVENY&望天セレネ」も異色の取り合わせですね。

夏 このカードのテーマは「気の強い女だけを集めてみました」私の上の世代って松本浩代さん、水波綾さん、DASHチサコさん、志田光さん、引退された方も含めたら大畠美咲さん、中島安里紗さんとか、ものすごく気が強い選手が多かったんですよ。

 そういう先輩方を見て育ったからか、私たちの世代から下って、どっちかというと個性を伸ばそうとする選手が多くなったんです。キャラクターであったり、SNSを使った自己表現であったり、幅は広くなったけど、いわゆる「気が強すぎる女」が絶滅危惧種になってるんじゃないかと。

――言われてみると、一理あるような気がします。

夏 それで「私の周りで気が強い人って誰だ?」って考えたときに、パッと浮かんだのがまず葉月ちゃん。普段はほんわか系なんですけど、リングの上になると怖すぎるくらい。だからこそ彼女の試合が好きなんですけど、あとは芯が強い笹村ちゃんと、後輩ながら気高さを感じるVENY。

 そして「この枠にもうひとり入れるなら?」って考えたときに、4人いるSEAdLINNNGの若手の中でも、望天セレネかなと。気の強さって技云々よりも、攻撃したあとの目つきとか、技を受けた後の立ち上がり方に出ると思う。南月たいよう代表にも相談したら「あ、それはもうセレネだよ」とお墨付きをいただき、今回この枠に彼女を抜擢させていただきました。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

夏 今年の年末に優宇というひとりのレスラーが引退してしまうということで、彼女が今までリング上やプロレスファンに残してきた衝撃とか感動ってたくさんあったと思うんです。そんなレスラーが終わりに向かって突っ走ってる中で、私に1日を預けてくれた。

 私自身、彼女をしっかり見送りたいと思ってますが、特にメインイベントはあまりにもギャラがかかりすぎてるから、来ていただかないと私は年越し蕎麦すら食べられなくなってしまうので(苦笑)。絶対に楽しませる自信があるので、皆様の1日も私にください!

BBM SPORTS

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