関東大学アメリカンフットボールTOP8第4節、法政大学と東京大学の試合は、法政大が東大を49-28で下した。法政は中川達也(4年=明治学院)と小松桜河(4年=日大三)の両RBに加え、大型QB齊藤空大(4年=駒場学園)のキープを組み合わせた多彩な攻撃で東大ディフェンスを圧倒。東大は後半にQB林新太郎(4年=開成)を投入し、得点を重ねて反撃したが及ばなかった。【写真/文:北川直樹】
○法政大学オレンジ 49-28 ●東京大学ウォリアーズ
(2025年10月4日@富士通スタジアム川崎)
一進一退の攻防も、第2Qに法政が抜け出す
法政は最初のドライブは3&アウトに終わり、東大が自陣からの攻撃を開始。QB田中昴(3年、灘)がランとパスを織り交ぜながら着実に前進。ゴール前1ydまで到達すると、8分26秒、田中がねじ込みTD。7-0とリードを奪う。
しかし法政はすぐさま反撃。ハーフライン付近から攻撃を開始すると、QB齊藤が的確にドライブを進める。10分、齊藤からWR高津佐隼世(4年、佼成学園)への6ydTDパスが決まり、7-7の同点に追いつく。
東大は次のドライブでファーストダウンを更新するも、法政ディフェンスの圧力に苦しみパントに追い込まれる。法政はハーフライン付近から攻撃を再開するが、このドライブは得点に結びつかず第1Qを終える。
第2Qに入り、法政の攻撃リズムが加速する。RB小松を中心としたランゲームで東大ディフェンスを押し込むと、6分、小松が6ydのランでTD。14-7とリードを奪う。
東大も反撃して攻め込み、1st&ゴール8ydの好位置を得る。しかしここで東大にフォルススタートの反則が出て後退。その直後のプレーで、東大がオプションプレーを試みるもファンブル。法政がリカバーし、流れが法政に傾く。
法政はRB中川のランで前進。11分、齊藤が2ydをねじ込みTD。TFP成功で21-7と前半を折り返す。
東大は前半で田中を中心に攻撃を展開したが、ファーストダウンはわずか6回にとどまった。法政ディフェンスのライン圧力が効き、思うように前進できなかった。
ファーストダウン: 法政大学 24、東京大学 14
総獲得yd: 法政大学 527、東京大学 372
ラン獲得yd: 法政大学 349(32回)、東京大学 158(31回)
パス獲得yd: 法政大学 178、東京大学 214
パス成功率(試投/成功/被INT): 法政大学 16/12/1、東京大学 20/11/0
3rdダウン成功率: 法政大学 4/5(80%)、東京大学 5/9(56%)
4thダウン成功率: 法政大学 0/0、東京大学 1/1(100%)
反則: 法政大学 2回5yd、東京大学 6回48yd
ファンブル(回数-喪失): 法政大学 1-0、東京大学 2-1
ボール所有時間: 法政大学 21分21秒、東京大学 26分39秒
■個人成績(主要選手)
【法政大学】
RB中川達也: 10回ラン 176yd 1TD
RB小松桜河: 7回ラン 62yd 1TD
QB齊藤空大: 7回ラン 66yd 2TD、パス12/15,178yd,3TD
WR高津佐隼世: 5回レシーブ 117yd 1TD
WR須加泰成: 1回レシーブ 13yd 1TD
K髙城颯真: TFP 7/7
【東京大学】
QB田中昴: パス5/10 131yd 1TD、6回ラン 24yd 1TD
QB林新太郎:パス5/9 78yd 2TD、4回ラン 25yd
RB米田健人: 13回ラン 87yd
TE太田明宏: 4回レシーブ 32yd 2TD
WR古屋大翔: 1回レシーブ 49yd 1TD
K舟本寛太朗: TFP 4/4
「この流れを止めないで、日本一まで行く」
法政大学 菅野洋佑ヘッドコーチの試合後ハドル(選手への語りかけ)
この2週間、俺たちは本当に強いのか、どこで自信を失ったのかを考え続けてきた。今日の結果は、その問いへのひとつの答えだと思う。
いま一敗。日本一を目指すなら、ここからは落とせない。次は立教、その先に早稲田。どちらも負けられない。
喜ぶのは今日だけにしよう。今日はしっかり喜ぼう。この苦しく長い2週間で積み上げたものが、形になった。そこは胸を張ろう。
ただし、ここで止まらない。すぐ切り替えて次へ進む。ここで負けたら日本一は遠のく。勝敗の一つひとつの重みは、もう身にしみて分かっているはずだ。
今日はオフェンスもディフェンスもキッキングも、内容は良かった。だからこそ反省もやる。何が足りなかったか、何をもっと良くできるか、全員で明確にしよう。次の相手の立教は強い。俺たちも相手も、一週間で変わる。時間は少ない。この一週間をどう過ごすかを本気で考えよう。
メリハリをつける。今日は楽しんでも、明日、明後日は本気でやる。オフの使い方を計画しよう。フィルムを見よう。約束だ。立教まで時間はない。選手一人ひとりが力を出し合えば、必ず勝てる。
この流れを止めないで、日本一まで全員で行く。前節の敗戦からの2週間で得たものを、次の試合にすべてつなげよう。
【法政vs東大】法政大菅野HCは熱心に選手に語りかけた。掴んだ良い流れを次のゲームにつなげたい=撮影:北川直樹
「法政の文化の中で選手が最大限発揮」
法政大学 濱部昇オフェンスコーチ(コーディネーター)の話
今日は、春の練習試合の時から相手の得点力は把握していましたので、ボールを持ったらつなぐ、継続するという方針で臨みました。ここまで一発の大きなプレーが少なく、コーチングやインストールの面に課題があったと受け止めています。その反省から、プレーの絞り込みと練習全体の組み直しを行い、再現性を高めて試合に入れたと思います。その結果として、今日はビッグプレーも出ました。
夏にレップを重ねて精度は上がっていましたが、直近は練習の組み方の影響でランのレップが不足していました。明治戦でその弱点が表面化しましたので、今週は重点的に是正しました。天候が厳しい時間帯は私のプレーコールに課題もありましたが、全体としては修正が機能したと捉えています。
中川が本格的に戻ってきたことが大きな追い風になりました。サイズとスピードがあり、パワフルでダイナミックに走ってくれます。比較的小柄な選手が多いバックフィールドの中で、彼のサイズは貴重です。現在は中川・小松・齊藤(QBキープ)の三枚で回す形が機能しており、コールも絞れて運用しやすくなりました。齊藤もシーズン前のけがから調子が上がり、彼らしいプレーが増えています。
私は早稲田でも指導してきましたが、法政は文化やカラーが異なると感じています。能力の高い選手が多く、フットボールIQも高い一方で、キャンパスとグラウンドが離れているなど、学業との両立や限られた練習時間への対応が求められます。私の役割は自分の色を押しつけることではなく、法政の文化の中で選手がやりたいフットボールを最大限発揮できるよう支えることだと考えています。
コーチング体制については、オフェンスはコーチ陣全員で作っています。外からは私がコールしているように見えるかもしれませんが、役割を分担しながら全員で組み立てています。肩書はオフェンスコーチで問題ありませんし、肩書そのものに強いこだわりはありません。法政に関わるようになった経緯は、Xリーグでの縁があり、平日にコミットできる体制が整ったためです。現在は平日二日チームに入り、その他の時間で準備を進めています。まずは今日をしっかり振り返り、次戦に向けて準備を進めます。
【法政vs東大】今年法政大のコーチに就任した濱部・元早大監督は生き生きとしたオフェンスを作り上げている=撮影:北川直樹
「総じて、連鎖的に力負けした」
東京大学 森清之ヘッドコーチの話
今日は力負けでした。特にディフェンスはランもパスも止めきれず、糸口が見つからなかったです。オフェンスはなんとかやろうとしましたが、ボールを落としてしまうなど惜しいミスが出てしまいました。
うちはリスクを取るプレーも使います。フレックスボーンでのバックワードパスのように、息が合わないとミスにつながる局面はどうしてもあります。打ち合いの展開になれば相手のミスでこちらにもチャンスが生まれますが、今日はそういう流れにはなりませんでした。
相手のフロントは攻守ともに強かったです。うちのディフェンスラインはフロントで力負けしていましたし、パスも通されました。QBの齊藤選手の走りは非常に強くて、なかなかタックルできませんでした。RB中川選手もスピードがあり、誰が出てきても法政のバックは速く、強かったという印象です。総じて、連鎖的に力負けした試合だったと思います。
順位のことを考える状況かもしれませんが、私たちはそういう狙い方ができるチームではありません。とにかく目の前の試合にベストを尽くすだけです。次も一つひとつ積み重ねていきます。
【法政vs東大】東大・森HCは、力負けを素直に受け入れていた=撮影:北川直樹
【北川直樹】
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