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2025-10-11

【陸上】国スポ・成年男子3000m障害で佐久長聖高・加藤結羽が高校歴代9位、U18日本歴代3位 ケガを乗り越えつかんだ手応えを駅伝で

加藤は国スポ・成年男子3000m障害で高校歴代9位、U18日本歴代3位となる8分45秒77で5位に入った(写真/中野英聡)

10月3日から7日までの5日間、滋賀県の平和堂HATOスタジアムで行われた国民スポーツ大会(国スポ)。少年カテゴリーで実施されない男子3000m障害は、成年カテゴリーに少年がエントリーできることになっている。実業団選手や大学生に混ざって、4人の高校生が出場。このうち、加藤結羽(長野・佐久長聖高3年)ら3人が、8分40秒台の好記録で入賞を果たした。

中学3年時以来となる駅伝の全国大会へ

レースは序盤から、楠康成(茨城・阿見AC)、小野真忠(宮城・東海大2年)らが引っ張った。加藤は「入賞しか考えていませんでした。初めから前に付いていかないと入賞はできないと思い、3番手くらいにいたかった」と積極的に上位につけた。ただ、楠と小野が抜け出すと、「速く入りすぎた反動がきてしまった」と、中盤はポジションを下げていった。それでも、残り1000mで4位集団の前方に浮上。ラスト2周は独走態勢に入った楠を先頭に、2位以下もばらけ始めた。加藤は「自分が上げたというより、前の選手が落ちてきた感じでしたが、力が湧いてきました」と、4位集団から抜け出した佐竹勇樹(滋賀・トーエネック)に食らいついていく。

最後は佐竹にやや離されたものの、高校歴代9位、U18日本歴代3位の8分45秒77で5位に入賞。従来の自己記録(9分08秒96)を大幅に更新し、「今までの練習の成果を発揮できたと思います。経験のないハイペースで入っても耐えることができ、ラストも切り替えられました」と胸を張った。

今季は3月23日の高校伊那駅伝に出場後すぐ、右の脛骨を疲労骨折。走れるようになったのは6月で、インターハイ路線は断念したが、秋に入ってぐんぐん調子を上げてきた。まもなく、駅伝シーズンを迎える。佐久長聖高は全国高校駅伝で2連覇中だが、加藤は1・2年時には出場経験がない。今大会を経て、「大きな舞台で実業団選手と戦う数少ない機会に、攻めの走りができたことは、駅伝シーズンに向けても良かったです」と手応えを得た様子だ。

まずは、11月2日の長野県大会でチームが優勝すれば、12月21日に京都で行われる全国大会の切符を獲得する。松阪三雲中(三重)3年時以来となる駅伝の全国大会に向け、加藤は「自分の強みであるラストスパートを伸ばしつつ、中盤でのペースダウンを改善していきたい」と奮い立っている。

 

文/石井安里 写真/中野英聡

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