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2025-10-25

【マリーゴールド】10・26両国へ、桜井麻衣、弓月とのUN戦で「心に刺さる試合を」王座防衛後の赤白王者対決、ジュリアとの再会…野望も明かす【週刊プロレス】

10・26両国でビクトリア弓月を迎え撃つ桜井

女子プロレス団体「マリーゴールド」10・26両国国技館大会でユナイテッド・ナショナル防衛戦に臨む“嵐を呼ぶ超貴婦人”桜井麻衣がビクトリア弓月とのV7戦に向け、王座防衛を誓った。
 
全9試合がラインナップされた同大会では岩谷麻優vsイヨ・スカイ7年半ぶり一騎打ちや林下詩美vs青野未来のマリーゴールド・ワールド戦など注目のカードがズラリと並ぶが、圧倒的覚悟を胸に秘める桜井はメインやワールド戦を食う“心に刺さる試合”を見せると宣言する。両国ビッグマッチの先には、ワールド王者との“赤白王者対決”も見据える貴婦人。かつての姉貴分WWEのジュリアとの再会という大きな夢も明かした桜井のロングインタビューをお届けする。
20歳の天才、弓月を「ボコボコにする」と豪語する大人げない桜井
――マリーゴールド年間最大ビッグマッチ10・26両国国技館がいよいよ明日です!

桜井「先日(10月23日)、大雨降ったじゃないですか。私の気持ちはそこで完全にスイッチ入りました。私、気合いれると雨降るんですよ」

――龍神様に守られていると常々おっしゃってますね(笑)。

桜井「はい、龍神様がついている人には雨女が多いらしくて。そして、私が気合いを入れる日には雨が降るので、これはもう戦いは始まってるなって」

――24日現在、10月26日は降水確率80%です。

桜井「おー! 両国の日も雨ってことは私、相当気合入ってるってことだと思います(笑)。いい試合になるんじゃないですか。雨降ると、いい試合だったって言われること多いので。去年、名古屋でSareeeさんとシングルマッチをしたんです」

――2024年6・16名古屋ですね。

桜井「あの日ユナイテッドのトーナメント(初代ユナイテッド・ナショナル王座決定トーナメント1回戦)やってたんですよ。でもそこに私は出れなくて、すごい悔しいって泣きながらコメントしてたんですけど、あの日も大雨だったんですよ、信じられないぐらい」

――シチュエーションは違えど、あの時ぐらいの感情の高ぶりがあると?

桜井「ありますね」

――全9試合が組まれましたが、一番のインパクトを残すぐらいの意気込みがあると?

桜井「そのぐらいの意気込みはあります。(対戦相手の)ビクトリア弓月はそれぐらい認めてるし、信頼してる相手なので」
10・26両国国技館大会ではビクトリア弓月の挑戦を受ける
――先週末の西日本3連戦は、岩谷麻優選手が欠場したことで桜井vs弓月の前哨戦が急遽組まれました。地方興行でしたが、地方とは思えなぐらいの熱量でバチバチやり合っていたのが印象的でした。

桜井「自然とそうなりましたね。タッグマッチって周りとの兼ね合いもあるけど、そんなの関係ない。弓月しか見えないぐらいの感覚があったので。お客さんにどう見えていたかわからないですけど、周りも見えなくなるぐらい私は弓月しか見てなかった。両国はシングルマッチ、思う存分ぶつかり合いたいですね。誰にも邪魔されることなく。楽しみですね、ボコボコにします」

――ビッグマッチならではの不安とか緊張感より、楽しみのほうが勝っていると?

桜井「緊張はしますけど、闘って、勝つ。それだけです」

――SNSを見ると、弓月選手が勢いで取ってしまうのでは?みたいな声も見られますが?

桜井「今までの勢いだったり、彼女の才能はホントに素晴らしいと思います。でも、私には私の経験してきてることがあるので。そこは弓月には負けない。両国でそれを見せつけようと思います」

――“純白のベルト”ユナイテッド・ナショナルは1・3大田区で初戴冠して以来、10カ月守り続けました。

桜井「自分の白いベルトは“感情の試合”だと思ってるんですよ。だからメイン(岩谷麻優vsイヨ・スカイ)ともセミ(林下詩美vs青野未来)とも違う闘いをお客さんに届けられるかなと。心に刺さる試合を見せたいです」
ユナイテッド・ナショナル王座V7に臨む桜井
――マリーゴールドの桜井麻衣は、激情爆発の刺さる試合が多い印象です。

桜井「スターダムの時はそういうふうに言われることなかったし、自分自身もそこまで何かを背負って試合をしてなかったです。マリーゴールドに来て、“私が引っ張っていく!そのぐらいの気持ちがないと、この団体は終わるんじゃないか”って思ったことがあったんです。それはみんなに思っててほしい気持ちなんですけど、誰よりも私自身が引っ張っていかなきゃけいないって気持ちは負けていなかったと思います。勝手にですけど、そういう責任感だったり、背負ってるものを感じるようになってから、対戦相手にもより負けられないって思えるようになった。昔はシンプルに『この試合に勝ちたい!』みたいな気持ちだけだったけど、いまは私が負けたら団体存続の危機ぐらいの気持ちを背負ってやってますね」

――背負う覚悟。

桜井「はい。ユナイテッドって他団体の選手とも闘うことが多かったので、特にそう思ってました。結果も内容も。負けたらマリーゴールドの恥じぐらいに」

――10・26両国は年間最大ビッグマッチ、より覚悟も強くなるのでは?

桜井「そうですね。こんな大きい場所で防衛戦するの初めてですし」

――スターダム時代は?

桜井「挑戦者として6人タッグのベルトやフューチャーに挑戦したこともありました。でもチャンピオンとして両国に立つのははじめて。やっぱり違いますよね。プレッシャーはあります、すごく」

――結果も内容もタイトルマッチにふさわしいものを見せなければいけないと?

桜井「それはありますね」
アサイードリンクをたしなむ貴婦人
――両国ビッグマッチに向けて、各メディアに露出していますが、それも責任感とか使命感の表れ?

桜井「そういう気持ちもありますし、記者さんて、その日良かった選手や印象的だった選手を大きく記事に載せるじゃないですか。記事に大きく載る事とか、そういう所も含めて闘いだと思ってました。それに思ってる事や言いたいことがあったら発信していきたい。でも私、面倒くさいと思うんですよ」

――どういうことですか?

桜井「先日、別の取材があったんですけど、(記者は)そんなに長いインタビュー想定してなかったと思うんですよ。でも、質問された事に対して2時間近くしゃべってしまいました(笑)。取材のあとも『もう一回考えさせてください』って言って再考させてもらって」

――発言ひとつとっても本気で向き合ってる証拠ですね。

桜井「自分の言葉だし、ホントに思ってることしか言わないので。喋るのめっちゃ好きですし」

――(笑)。

桜井「マイクは苦手なんですけどね」

――取材で話すのとマイクは違いますか?

桜井「全然違いますね。マイクって瞬発力が大事じゃないですか。あと長すぎても言いたい事、伝わらないし。思ってることがたくさんあるから、一回まとめてじゃないと伝えるの下手っていうか。できることなら取材とかも一回持ち帰ってまとめて文章をつけ足したい」

――桜井麻衣の人となりを表しているようなエピソードですね(笑)。ひとによっては「お任せします」みたいな選手もいますし。

桜井「お任しますとは私は言えないです。こんなこと言ってない…!ってなっちゃうので(笑)。言葉って違った意味で読み手に伝わってしまう事もあるので、そこは凄く慎重です。記者さんからすると面倒くさいと思います」

――その面倒くささとかこだわりの強さも含めて桜井さんの個性だなとは思います。

桜井「結構大事な事だと思うので逆にこだわらない方が不思議です」
UN王者・桜井麻衣(=写真左)と挑戦者・ビクトリア弓月
――プロレスはリング上がメインですが、言葉ひとつでいろんなものが変わることもありますしね。

桜井「めっちゃ変わると思います。最近、『極悪女王』を見たんですよ」

――1年ぐらいに流行った世間と、かなりタイムラグあるタイミングで見たんですね(笑)。

桜井「はい(苦笑)。こないだ子どもの頃からの友だちと温泉に行ったんですよ。夜、『何か映画とか見る?』って言ってネットフリックス見てたら『極悪女王観ようよ』ってなって。私、めっちゃ全女好きなんですけど、より好きになったし、あの時代を生きてる(ロッシー)小川さんのリングでいまプロレスをやれてるって、ホントに縁だなと思って。

それで思ったのは、リング上はもちろんなんですけど、言葉やリング外も含めて魅せ方って凄い大事だなと改めて思って。あのドラマを見た時、同期やタッグで切磋琢磨できる仲間がいる事やライバルがいる事ってプロレス人生においてとても大切な事だなって、そしてクラッシュギャルズさんの歴史をもっと知りたいって思って。私は飛鳥さんも長与さんもどちらも好きなんですけど、自分はエリートじゃなくて、泥水すすってきた人間なので泥水すすってきた人なりの輝き方があるんだなってすごい影響を受けました」

――そんなに…!

桜井「それですぐに知り合いの方に『昭和のプロレスの事がもっと詳しく知りたくて、飛鳥さんのお店に伺いたいです』って話をしたら、その日のうちにライオネス飛鳥さんが銀座でやってらっしゃるお店に連れて行っていただいて」

――ご本人にお会いできたんですね。

桜井「とても嬉しかったです。超緊張しましたが、沢山のお話を聞かせていただきました。私、オタク気質なんです。好きになったものに対しての好奇心が抑えきれなくて。(飛鳥も)質問した事に対してまっすぐに答えて下さって」

――お会いしたかいがあったと?

桜井「ありました、すごく」

――全女魂を胸に桜井麻衣はまだまだ進化すると?

桜井「もっと進化していきたいです。白を取ったばかりの時はまだ知らなかったプロレス論とか歴史も知って、どうしたら盛り上がるのかとか。まだまだやれることはあるなって」

――全女というキーワードは女子プロレスの王道ではありますが、現在の主流ではないかもしれません。

桜井「だとしても私が心打たれたように昭和・平成の全女のプロレスが好きだっていう人も多いと思うので。全女見てると、闘いだなって思います、ホントに」
昨年8月のジュリア日本ラストシングルは桜井にとっても転機となった
 ――以前、両国でV7に成功した暁には赤白王者対決をやりたいと言っていましたが?

桜井「私はやりたいです、両国で勝ったほう(詩美or青野)と」

――現ワールド王者の詩美選手は、桜井発言に対して、赤白王者を断る理由はないが、やるならベルトを懸けずに赤の王者と白の王者で闘いたいと。それぞれのベルトにカラーがあるからダブルタイトルや統一戦をやるとそれぞれの色が殺してしまう気がすると言っていました。

桜井「……私はお互いが大事にしてるものを懸けて闘いたい。いま赤が上、白が下みたいな序列があって、赤には赤の、白には白の良さがあるのはわかりますけど、私が守り抜いてきたユナイテッドは赤いベルトにも負けてないよっていうところを見せたい。お互いがベルトを持ってるなら懸けたほうがおもしろいし、どちらかがどちらかに挑戦するっていうのも『なんで赤だけ懸けるの?』『なんで白だけ?』ってなっちゃうと思うから。やるなら、お互いが守り抜いてきた大切なものを懸けるぐらいの覚悟を見せたい。それぐらい意味のあるものに私はしたい。赤いベルトが欲しいという気持ちももちろんあるけど、1・3大田区から10カ月守り抜いてきたこの白いベルトをもっと価値のあるのものしたいっていう思いが強いし、何より詩美さんであり、未来さん、その人と闘いたい」

――それらの野望をかなえるためにも守らなければいけない理由は大きくなりますね。

桜井「大きいですね、間違いなく。いま言ったこと以外にも自分の目標だったり、約束したことはたくさんあるので。全部叶えたい。そのためにも白いベルトは絶対に守らなきゃいけないなと思います」

――6人タッグマッチに出場した昨年7月の両国国技館大会とはあらゆる意味で異なる大会になりそうです。

桜井「前回の両国国技館大会から1年とちょっと、状況は目まぐるしく変わって。考えられないですよ、1年前の自分に『1年後、アナタは白いベルトを持って両国でタイトルマッチをやるんだよ』って言っても、『ありえない』で終わってると思います。でも、この1年でいろんなものがガラッと変わった。そして、1年後もガラッと変わっていたいです。いまの自分よりもっと成長してて、こんなモンじゃないよって言える自分になっていたい」

――来年の今ごろ、赤と白、2本のベルトを巻いた桜井さんがかねてもう一度闘いたいと言っているWWE・ジュリア選手と両国メインで闘ってる未来も可能性はゼロじゃないかもしれません。

桜井「そうですよね。大きすぎる夢ですが、いいでしょうか(苦笑)」

――個人的にはプロレスラーなんだから大きな夢を語ってくれよと思います。目先の小さな目標も大事ですけど。

桜井「そっか。かなえた時に嬉しいですもんね。去年のSareeeさんとの試合を思い出します」
ターニングポイントとなった2024年6月のSareee戦
――Sareee選手に完敗した試合後、泣きながら「強くなりたい、ベルトを取りたい、団体を引っ張っていきたい、夢をもってもらいたい、盛り上げていきたいとかいろいろあると思うんです。その目的をかなえるためにはストロングを目指していくことだなって、そういう自分になっていきたいです」と語っていました。

桜井「(取材に)『めっちゃ悔しい、私なんで白のトーナメント出てないんですか…!』って週プロさんにすごい言ってた気がします(笑)」

――言ってましたね(笑)。Sareeeさんとの試合自体もよかったですし、あのバックステージがあったから桜井麻衣っておもしろいレスラーだなって思うようになった記憶があります。

桜井「私もあの日の取材すごい覚えていて。あの時、『今、どんなお気持ちですか?』って聞いてくれて、大きいこと言っちゃったから、ホントにしなきゃって思ったんです。あの時、週プロさんが聞きに来てくださったから『トーナメントに選ばれなかったこと自体めっちゃ悔しいし、お客さんからなんで桜井はいないの?って声がないこと自体マジで悔しい、この状況を必ず覆してやりますよ』って言って、言ったから絶対そうならなきゃって思ったんです。こういう状況だけど、それでも私を見ててくれる人がいて、桜井にベルト取ってほしいって思ってもらえる選手になるって。そう思うと、言霊ってあるなって思います」

――あの時、言葉を発してなかったら現在はなかったかもしれないと?

桜井「かもしれないですよね。発言してなかったら自分に対してのプレッシャーも生まれてないし、人間って甘えようと思ったら甘えられるじゃないですか。でも、言っちゃったら逃げられないから」

――じゃあこのインタビューで語った夢や野望も叶えるしかないですね!

桜井「逃げられない(笑)。言ったからにはやるしかないですよね」

――そうですよ! そのためにもまずは…。

桜井「10月26日両国国技館、ビクトリア弓月に勝ってユナイテッドのベルトを必ず守ります。見ててください」
王者・桜井vs挑戦者・弓月のユナイテッド・ナショナル選手権試合
「Marigold GRAND DESTINY2025」
★10月26日(土)東京・両国国技館(14:30)
⑨岩谷麻優vsイヨ・スカイ
▼マリーゴールド・ワールド選手権試合
⑧<王者>林下詩美vs青野未来<挑戦者>
▼ユナイテッド・ナショナル選手権試合
⑦<王者>桜井麻衣vsビクトリア弓月<挑戦者>
⑥山岡聖怜vs橋本千紘
▼ツインスター選手権試合
⑤<王者組>川畑梨瑚&Maria vs松井珠紗&CHIAKI<挑戦者組>
④後藤智香vs大物S(当日発表)
③メガトンvs大物M(当日発表)
▼ガントレッド・タッグマッチ
②出場チーム=石川奈青&ハミングバード、勇気みなみ&橘渚、南小桃&山﨑裕花、ちゃんよた&山中絵里奈、野崎渚&瀬戸レア、越野SHOKO.&当日発表 ※通常のタッグマッチをおこない勝ち残りルールで最後まで勝ち抜いたチームの勝利となる。オーバー・ザ・トップロープ採用。出場順は入場テーマ曲で判明
①田中きずなwith府川唯未vs心希with大向美智子
10・26両国国技館の記者会見に出席した選手たち

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