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2025-12-02

【連載 泣き笑いどすこい劇場】第34回「前兆」その5

昨年の春場所千秋楽11勝目を挙げ、引き揚げてくる豊真将。実は場所前、この活躍を暗示する出来事があった

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人生には理屈では割り切れない、摩訶不思議なことがよく起こります。
なにかあったとき「そう言えば、あの直前にこういうことがあったな」
と、これから起こることを予感させるような出来事に遭遇したことはありませんか。
ちょうど大地震が起こる前の予知現象のように。
ホンのちょっとしたことが、勝負に大きく影響する世界だからかもしれませんが、大相撲界にはよくそれが起こります。
そんな理論を超越した、なんとも神秘的な前兆、前触れにまつわるエピソードです。
※月刊『相撲』平成22年11月号から連載された「泣き笑いどすこい劇場」を一部編集。毎週火曜日に公開します。

11番の大吉

こちらは間違いなく吉兆だった。

平成24(2012)年春場所、西前頭5枚目の豊真将(現錣山親方)は前半、苦しんだが、中盤以降、尻上がりに調子を上げて11勝した。3場所ぶりの二ケタ勝利で、三賞選考委員会では敢闘賞候補に名前が挙がったが、残念ながら過半数の支持を得られず、落選した。

しかし、次の夏場所の三役返り咲きが決定的になったこともあって、全取組を終えた豊真将は笑顔が絶えず、好調の原因についてこんなことを明かした。

「実は場所前、嫁(梨愛夫人)がこっち(大阪)に来ていたので、一緒に奈良の東大寺にお参りし、ついでにおみくじを引いたんです。そしたら、11番の大吉。よしよし、11勝したらいいな、と言っていたら、ホントになってしまいました」

こんなことってあるんですね。

月刊『相撲』平成25年8月号掲載

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