close

2025-12-21

【陸上】全国高校駅伝 全国制覇に挑戦するため、決断した「移籍」 鳥取城北高・本田桜二郎が都大路に懸ける思い

トラック、駅伝共に昨年度以上に強さと速さを持つ本田(写真/髙野 徹)

12月21日(日)、京都・たけびしスタジアム京都をスタート・フィニッシュとする全国高校駅伝が開催。10時20分からは37回目を迎える女子が21.0975kmで、12時30分からは76回目となる男子のレースが42.195kmで行われ、男女それぞれ都道府県代表の47校と11地区大会を勝ち抜いた11校を合わせた58校が都大路でタスキをつなぐ。そのなかから、注目ランナーを3回にわたって紹介。3人目は、U20日本選手権3000m、5000m二冠の鳥取城北高(鳥取)、本田桜二郎(3年)だ。

1区で区間賞を獲得し、優勝争いへ

「インターハイがないので、個人としての最大の舞台であるU20日本選手権に向けて、絶対に優勝するという気持ちで臨んだ」

今春、福岡県の大牟田高から鳥取城北高(鳥取)へと移籍した本田桜二郎(3年)が、9月のU20日本選手権で3000mと5000mの二冠を獲得した際のコメントだ。

全国高校体育連盟の規定で、転校後6か月はインターハイなど高体連主催の大会に出場できない。大牟田高で指導していた赤池健先生と共に、鳥取城北高へ転校した本田は、インターハイへの出場を断念してでも「駅伝で、去年の大牟田を超える」ことに懸けた。

その全国高校駅伝が21日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点とするコースで行われる。

前回、大牟田高は1区の本田が区間2位と好発進し、11年ぶりの準優勝に輝いた。しかし、あと24秒届かなかった頂点に挑みたい思いで、17名の選手たちが大牟田からの「集団移籍」を決断した。

「目標は1区で区間賞。優勝争いができるように、流れを持っていきたい」

鳥取城北高は、鳥取県大会、中国地区大会とも大会新記録で優勝し、中国地区大会で本田は1区区間新記録も樹立した。

本田の5000m自己ベストは13分43秒59秒で、都大路に出場する日本人選手のなかで6番目の持ちタイム。タイム以上に勝負強さという点では、強豪・大牟田高で20年近く監督を務めた赤池先生が「過去最高、桁違いに強い選手」と太鼓判を押す。


大牟田市の宅峯中時代はバスケットボール部だった。助っ人として出場した福岡県中学駅伝で1区区間賞を獲り、強豪・大牟田高での陸上人生が始まった。

高1の都大路は2区で10位、総合6位。高2になると、6月のU20日本選手権3000mで3位、インターハイ1500mで4位とメキメキと力をつけ、都大路で1区区間2位と流れをつくった。

今季は5000mで13分台の日本人選手が30人と過去最高水準。前回の1区でも日本人最高記録(28分43秒)が更新されたが、今年も区間記録を上回るような展開が予想される。

注目の全国高校駅伝。男子は21日12時30分に、たけびしスタジアム京都をスタートする。

文/新甫條利子 写真/髙野 徹

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事