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2026-01-13

【相撲編集部が選ぶ初場所3日目の一番】義ノ富士が豊昇龍を破る金星。横綱・大関陣の一角が3日目に崩れる

義ノ富士は、突き上げて二本差し、相手の投げもしっかり警戒して防ぐ、理想的な取り口で豊昇龍を破り、今場所も金星獲得。あすの大の里戦も楽しみだ

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義ノ富士(寄り切り)豊昇龍

取組が終盤に入り、霧島と伯乃富士が物言いがついて取り直しの末霧島、琴櫻と若元春にも物言いがつき、軍配どおりで琴櫻、さらには大の里が宇良の倒れながらの足取りに両手をついて、同体取り直しの相撲では圧倒と、次々と物言いがつく相撲が展開され、土俵周囲が熱気をはらんだ中で迎えた結びの一番。やはり3日目に、波乱は起こった。
 
横綱を倒し、「座布団が飛んでいるのを見てうれしかった。やったんだなと思った。初めて(懸賞を)2列でもらってうれしいです」と喜んだのは、義ノ富士だ。
 
義ノ富士は、立ち合い突き上げてモロ差し、そのまま抱きつくように前に出る相撲で横綱豊昇龍を倒した。先場所、大の里を破ったのに続き、2場所連続の金星ゲットだ。

「横綱は低いので、下に入られたら嫌。突き放して自分が下に下に入れたらいいなと思った」という義ノ富士とすれば、まさに思い描いていたとおりの相撲だろう。立ち合い、豊昇龍は2日目と違って頭からいったが、左で相手の右をはね上げ、自分の右手はしっかり伸ばして突き勝ったのは義ノ富士だった。上体を起こされた横綱が組みにくるところ、サッと中に入って二本差し。首投げにくるところを、相手の右腰に食いついて廻しを取り、そのまま正面土俵に寄り切った。

「きのう、おとといも前に出ていたけど勝てなかった。立ち合いはしっかり当たれているので、あとは当たった後が大事と思った」と義ノ富士。今場所は2日目までは連敗していたものの、いずれも大関を相手に攻め込んでおり、内容的には悪くなかった。この日の快勝も一方的に攻めてのもので、3日間、横綱・大関相手にいずれも立ち合いで当たり勝っているのが頼もしい。
 
これまでは、“差し身のいい、うまい力士”という印象が濃かった義ノ富士だが、先場所は安青錦を一方的に突き出すなど、このところ立ち合いの威力を増し、“立ち合いの突きで先手を取れる、強い力士”という印象が強くなってきた。あすはいよいよ大の里に挑戦。速攻で押し出し、10日目に土をつけた先場所に続いて連破することはできるか。
 
幕下60枚目格付け出しのデビューから10場所、負け越し知らずで番付を上がってきて、今場所の西前頭筆頭が自己最高位。同部屋の伯乃富士との新三役争いはアツいものになっているが、もはやそこへの距離はほとんどないと言っていいだろう。「大関、横綱に勝たないと上に行けない。全部負けたら4敗で勝ち越しも難しい」と義ノ富士。この日で2場所連続ゲットとなった金星も、三役昇進で“卒業”できれば、それに越したことはない。
 
一方の豊昇龍は、これで横綱・大関の中ではただ一人黒星がつくことになり、一歩後退。取組後は取材を拒否した。初日の若元春戦はよかったが、2日目、3日目と立ち合い先手を取られる相撲が続いており、内容的にも降下。場所前に、左ヒザに水がたまったという話もあり、今場所はそこに大きなサポーターが巻かれているのも気がかりだ。
 
最近は場所後半に集中力を発揮することが多く、前半はあまりエンジンがかからない傾向の場所が多いが、この後、これ以上星を落とさず、他の横綱、大関にくっついていけるか。
 
3日目を終え、幕内の全勝は8人。横綱大の里に、琴櫻、安青錦の両大関のほか、関脇霧島や、今場所幕内下位に下がっている阿炎といった実力者も名を連ね、爆発の予感を漂わせる。その中で誰が優勝争いに勝ち残っていくのか。しばらくはサバイバル戦が続きそうだ。

文=藤本泰祐

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