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2026-03-03

【連載 泣き笑いどすこい劇場】第37回「ゲン担ぎパート2」その2

平成20年夏場所、序盤から不調の旭天鵬は、7日目、きれいにヒゲを剃り、爪まで切って臨んだが、あえなく把瑠都に寄り切られガックリ

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溺れるものはワラをもつかむと言いますが、勝たなければ人生が開けない力士たちだって似たような心境です。
勝つためには手当たり次第、なんだってつかみます。
その一つがゲン担ぎです。
平成22年にスタートした第1回目のテーマがゲン担ぎで、力士たちのさまざまなゲン担ぎの生態、面白エピソードを紹介しました。
しかし、とても1回ぐらいで紹介しきれるものではありません。
それだけ力士たちは勝つことに必死な証拠でもあります。
そこで、今回からゲン担ぎパート2をお送りしましょう。
※月刊『相撲』平成22年11月号から連載された「泣き笑いどすこい劇場」を一部編集。毎週火曜日に公開します。

何をやっても

ゲン担ぎしても効果がないことを痛感した力士はほかにもいる。

平成20(2008)年夏場所7日目、東前頭2枚目の旭天鵬(現大島親方)は、西前頭筆頭の把瑠都にいいところなく寄り切られて4連敗を喫した。初日、2日目も連敗しており、これで1勝6敗だ。

ため息をつきながら引き揚げてきた旭天鵬は、

「なんとか流れを変えたくてさあ。きょうはきれいにヒゲを剃り、爪まで切ってきたんだよ。次はなにをすればいいの」

と恨み節を並べた。これで力士たちは負けが込むと、さまざまなゲン担ぎをすることが分かる。

「でも、オレは(立ち合いに)飛ばないよ。飛んでも、うまく着地できないもの。恨んだらみっともないじゃん」

と引き揚げた際、強がってみせたが、この連敗はこのあと2日も続き、結局、この場所4勝11敗と大敗。ざわめく千秋楽の支度部屋で、旭天鵬は1人浮かない顔でこう言った。

「負けると、体のいろんなところが痛くなる。ホントだよ。だから、白星は一番の薬なんだ」

月刊『相撲』平成25年11月号掲載

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