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2026-03-10

【相撲編集部が選ぶ春場所3日目の一番】大の里、初日から3連敗! 藤ノ川が横綱初挑戦で金星

藤ノ川にひらりとかわされ、右手から土俵に突っ伏す大の里。白星が遠く、これで初日から3連敗とますます厳しい状況となった

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藤ノ川(引き落とし)大の里

バッタリと土俵に突っ伏した後の、「負け残り」の土俵下。ややぼう然としたような表情で、視線を落とした。

横綱でありながら、白星が遠い……。大の里が初対戦の藤ノ川に引き落とされ、初日から3連敗を喫した。
 
過去、初日からの連敗は関脇時代の令和6年7月場所のみで、このときは3日目に勝っているので、大の里にとって、入門以来、初日からの3連敗は初めての経験となる。
 
この日は、初顔合わせの藤ノ川との対戦。ただし、場所前の稽古で10番取っている(ちなみに大の里の8勝2敗)ので、イメージのない相手ではない。動きの速い小兵なので、大の里にとっては、いかに相手を正面に置いて取れるかがポイントとなるはすだ。
 
立ち合い、大の里はいつものように右を固めて当たった。まずは右差しから捕まえに出るが、藤ノ川はこれを左からおっつけ、同時に右のノド輪で距離を取って許さず、右の廻しを取られないように腰を引きながら左に回る。右だけではつかまえられないと見たか、横綱は左であてがって相手のノド輪を外し、つかまえようとしたが、その一瞬、足が揃ってしまった。藤ノ川が動きの中で左に体をかわすと、大の里は前にのめり、バッタリと手をついた。
 
横綱はいったいどうしてしまったのか。見たところ、最近の変調のきっかけとなった左腕は、まるで使えていない、という感じは見受けられないのだが、それでも何かが少しずつ狂っているようだ。
 
右差しから相手を起こしにいく、得意の相撲のパターンは変わっておらず、むしろそれに徹しようとしているようにも見える。が、やはりその右差し一本に頼りすぎている面はあるのかもしれない。相手を起こそうという意識からか、やや自分の体も常に立ち加減に見えるし、左も使おうという意識はあるのだが、バランスとして少ないため、やや右半身に近い体勢になることが多い。その結果として、例えばとにかく正面に置きたいこの日の相手に対しても正面に置けないので圧力が伝わらず、足が揃った一瞬をつかれたりする、という悪い流れになっているように見える。何か一度、かみ合うきっかけがあれば変わってくるのかもしれないが……。
 
一方、初の横綱挑戦で金星の藤ノ川はあっぱれ。相手の右差し狙いへの対応をしっかりと考え、動きを止めずに攻め続ける、藤ノ川らしい姿勢が金星を呼んだ。「(引き落としは)右が効いていたから。(初の横綱戦は)ワクワクしかなかったですね。(金星は)オヤジ(元幕内大碇の甲山親方)も取れていないので、取れてよかったです」と振り返った。あすはもう一人の横綱豊昇龍に挑戦。これも楽しみだ。
 
初日から黒星続きとなった大の里は、同じく3連敗した先場所に続いて、「あすも土俵に立ち続けることができるか?」が心配される事態となった。取組直後の花道では、「ダメですね、まあまた」とコメントしたとのことで、この時点では出場意欲を見せている感じではあったが、出場に踏み切った場合も、先々場所、先場所と連続で金星を許している義ノ富士が相手。試練はまだまだ続くことになる。

文=藤本泰祐

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