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2026-03-13

【相撲編集部が選ぶ春場所6日目の一番】安青錦、綱かすむ3敗目。またも王鵬に左を極められ倒される

安青錦はまたも左下手を王鵬に右から極められ、最後は極め出しに敗れて3敗目。綱取りの夢はかなりかすんでしまった

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王鵬(極め出し)安青錦

今場所最大の焦点は、場所の折り返しを待たず、6日目でほぼ灯が消えたようになってしまった。
 
前相撲から所要16場所という超高速での横綱昇進を目指した安青錦が、王鵬に極め出されて3敗目。まだ完全に望みが断たれたわけではないが、綱取りの条件である優勝が極めて難しい状況となった。
 
この日は過去3勝2敗の王鵬との対戦。安青錦は、勢いはあまりなかったが低く立ってモロ差し。それでも王鵬は抱えて前に圧力を掛けてくる。大関はいったん左下手投げでかわすが、王鵬はなお、差し手を極めてグイグイと前に出てくる。徐々に頭が上がった大関は、何とか活路を見出そうと左からの投げを打ち続けるが、王鵬はガッチリ極めて、大関を自分の正面から逃がさず、そのまま極め出した。

「中に入られる形ではあったが、しっかり圧力がかけられたので、そこはよかった」と王鵬。安青錦には、先場所に続き連勝となった。
 
安青錦は、さすがにこの日はノーコメント。実は、左を極められたり、抱えられたりして王鵬に敗れるのはこれで3度目(つまり過去の王鵬戦の3敗すべて)だ。昨年9月場所は強引な右小手投げで、今年1月は小手投げの後に極めて寄り詰めての浴びせ倒し、そして今場所が極め出しだ。
 
似たような展開で何度も敗れるというのは、研究熱心な安青錦をもってしても、まだ対策が見つかっていないのか、それとも綱取りのプレッシャーの下では、やはりいつもの左下手を軸とした相撲をそう簡単に変えることはできなかったのか……。いずれにしても、この王鵬と、今場所2日目に幕内での対戦では3度目の黒星を喫した義ノ富士の2人への対策は、今後、安青錦にとって必須のものとなってきそうだ。
 
安青錦はこれで3敗。この日は髙安と隆の勝が敗れて幕内の全勝が消えたとはいえ、綱取りの条件である優勝はかなり難しいことになった。12勝3敗の優勝ラインを想定した場合でも、自身は残り9日を全勝が求められるうえ、現在1敗の7人(豊昇龍、霧島、髙安、隆の勝、琴勝峰、正代、豪ノ山)にも、自身との対戦以外に最低もう1敗はしてもらわなければならなくなり(自身との対戦がない場合には2敗が必要)、なおかつ優勝決定戦で自身が勝って初めて優勝ということなので、望みを断たれたわけではないが、現実的には……というところだ。
 
大関としては、まずは一つひとつ、勝ち進んでいく以外には道をつなげる術はなくなったわけだが、振り返れば、場所前には「1場所で人生が終わるわけじゃない。何回も挑戦すればいいだけ」という発言もあったはず。むしろいったん今場所の綱取りのことは忘れ、この心境で取るのも一手かもしれない。
 
優勝争いは、前述のとおり、7人が1敗で並ぶことになった。こうなると、5日目までの内容はさほどよくはなかったとはいえ、やはり地力と優勝経験のある横綱が本命になるか。この日は平戸海を今場所一番の相撲で押し出した。追うのは復調気配の霧島と、髙安、隆の勝か。特に髙安、隆の勝は、この日は黒星を喫したが、ここまでの内容ではむしろ豊昇龍を上回っており期待大。隆の勝は三役戦がこれから、髙安も三役戦を多く残すが、勝ち抜いていく力はある。これまで何度もあと少しで悔しい思いをしてきた2人が、どこまで横綱に食いついていけるかに注目したい。

文=藤本泰祐

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