2020年東京オリンピックでの競技復帰が決まり、日本ソフトボール協会がさらに力を入れているのがジュニア世代の育成・強化である。これまでも『NTS(全国女子ジュニア育成中央研修会)』で中学生の育成にあたってきたが、16年にあらたに『GEMプロジェクト』をスタートさせた。
GEM(ジェム)とは「宝石」を意味する言葉で、「原石を磨いていこう」という意味が込められている。NTSは対象が中学生だけだったが、GEMはGEM1(14才以下)、GEM2(16才以下)、GEM3(19才以下)、GEM4(23才以下)の4つの年代に分けて育成、強化を行っていく。そして、縦の連携を図ることで、強い日本をつくっていこうというものだ。
そして、女子TOP強化指定選手が合宿を張る沖縄・読谷村で、ついにTOPとGEMカテゴリーの合同キャンプ『2017 SOFT JAPAN Winter Camp in 沖縄』が実現。女子GEM1、女子GEM2、女子GEM3、そして、男子GEM3バッテリー、女子TOP強化指定選手が参加した。
その初日に行なわれたのが『SOFT BALLサミット』。ここでは各カテゴリーの監督およびスタッフがスピーチを行った。『~未来に託す~』をテーマにオープニングスピーチを務めた宇津木妙子氏(日本協会副会長)は、特に若いGEMの選手たちに向かってこう語りかけた「しっかりと自分をアピールしてください。そして、自分に勝ちなさい。勝つには練習しかないよ」。宇津木氏の言葉に皆、真剣に耳を傾ける。
スピーチでは、多くの登壇者が「ソフトジャパン」「オールジャパン」の言葉を口にした。20年の東京オリンピックへ向けて、そしてその先の24年パリオリンピック、28年ロサンゼルスオリンピックへ向けて、日本ソフトボール界が一体となって、強い日本をつくり上げていこうと、気持ちを一つにした。
サミット後、会場となったホテルから出ると、暗闇で素振りをする人影が見えた。近づいてみると、サミットに参加していたGEMの選手たちだった。明日からの合同キャンプに向けて、黙々とバットを振っていた。あこがれのTOP代表を間近で見たGEMの選手たちは、「緊張しました~」と興奮気味。自分たちもいつしかTOP代表へ、という思いが強まったに違いない。
過去、現在、そして未来へ――。
宇津木妙子氏が、スピーチで日本ソフトボール界の歴史を語っていたが、たくさんの先人たちが大事に紡いできた歴史だからこそ、これからも大事に紡いでいきたいものだ。
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