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2026-05-16

【相撲編集部が選ぶ夏場所7日目の一番】意地の同級生対決! 琴栄峰が高校でチームメートだった若ノ勝に勝ち、1敗を堅持

互いに意地を見せ合うような突っ張り合いのあと、若ノ勝の足が流れて、最後は引き落としで幕内で初めてのライバル対決は琴栄峰に軍配が挙がった

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琴栄峰(引き落とし)若ノ勝

「埼玉栄の同級生には負けたくない。巡業中には一緒にご飯に行ったりする仲ですが、土俵上の勝負は別なので」と琴栄峰が言えば、「チームメートでもあったし、幕内の土俵で二人で戦える位置まで来たんだなという思いはある」とは新入幕の若ノ勝。
 
この日、幕内の土俵に入って3番目の相撲で、埼玉栄高の同級生同士の熱い対決があった。「埼玉栄高の同級生対決」と言えば、5日目に琴栄峰の兄の琴勝峰が、王鵬と額と額でぶつかり合う激しい相撲を展開したばかり。琴栄峰はそれを見て、「同級生同士の対戦は、勝っても負けてもカッコいいと思いました。王鵬関と琴勝峰関の激しい相撲を見て、それ以上に激しくいかないと押し負けてしまうと思いました」と考えていたという。
 
そしてこの日の二人の対戦は、やはり激しい攻め合いとなった。立ち合いは琴栄峰は左で張っての右差し狙いでいったが、若ノ勝は左を固めてはじくように立ち、これを許さず。まずは突き押し相撲の若ノ勝が当たり勝った。
 
しかし、ここから「激しくいかないと」と考えていた琴栄峰の意地が表れる。琴栄峰は、猛然と突っ張り返して出たのだ。いったん下がった若ノ勝もまた突っ張り返すが、突き合いの中で少し左足を滑らせてしまう。そしてほぼ同時に、琴栄峰が若ノ勝の左手を手繰った。若ノ勝は突き放しながらこれを振りほどこうとしたが、手か出て足が遅れたため、体が伸びてしまい、左足の送りができず。そのまま引き落として、琴栄峰に軍配が挙がった。

互いの気持ちのぶつかったいい相撲だったが、今場所の勢いでは琴栄峰が上回ったと言えようか。まだまだ二人はこれから、幕内で対戦を重ねていくことになるはず。これからどんな名勝負が、どれだけ積み重ねられていくか、楽しみにしたい。
 
琴栄峰はこれで1敗を堅持、優勝争い2番手集団をしっかりとキープした。本人は「(優勝争いの意識は)全くないです。ここまで勝っているのが奇跡」と、まだまだ意識するところではなさそうだが、場所を盛り上げる意味でも、トップに食らいついていってほしいもの。

一方この日、全勝の大関霧島は大栄翔に引かせて押し出し、1敗の若隆景も一山本に何もさせずに押し出しと、優勝争い本命・対抗の二人は盤石の相撲。7日目を終わって、全勝霧島を追う1敗は若隆景、琴栄峰に加えて翔猿の3人となった。
 
ますます霧島と若隆景のマッチレースの色が濃くなり、そこに琴栄峰と翔猿がどこまでついていけるか、という争いになってきたが、あすは琴栄峰が藤凌駕、翔猿が宇良、若隆景が王鵬、霧島が豪ノ山と、それぞれに今場所好調な力士や実力者が相手になる。いずれも食われる可能性はそれなりにあり、油断はできない。場所はあすで中日を迎えるが、しっかりとターンができるか、それぞれにとって気の抜けない折り返し点になるはずだ。

文=藤本泰祐

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