close

2026-05-12

【相撲編集部が選ぶ夏場所3日目の一番】低い立ち合いから義ノ富士を圧倒し、若隆景が3連勝。霧島の対抗馬として浮上⁉

若隆景(寄り切り)義ノ富士

低い、速い。
 
これまで3連勝と合い口のいい相手とはいえ、完勝だった。若隆景が低い立ち合いから実力者の義ノ富士を圧倒、最後は寄り切って初日から3連勝とした。
 
本人は「特に(相性がいいとか、そういうことは)考えていない」というが、対戦成績が示すとおり、若隆景にとっては、この義ノ富士は合い口のいい相手。過去の対戦ではいずれも、低い踏み込みを生かした相撲で、右を差すか、または相手が突いてくるところを、引いて倒している。
 
そしてこの日も、低い立ち合いが生きた。上体の角度で相手を一段上回った立ち合いで当たると、左は廻しは取れなかったがおっつけ、突き起こしにきた相手の腕をはね上げて、右差しに成功。そのまま上手を与えず深く差し、一気に出て寄り切り。義ノ富士に「低かったですね、突き起こせなかった」と悔しがらせた。

「しっかり踏み込んで、下からという意識でいきました」と、取組後にはいつものセリフを繰り返した若隆景。右ヒジを痛めている影響で春巡業を全休、相撲を取る稽古を始めたのは番付発表後だというが、「相撲を取れない期間も、しっかり体を動かして、やることはやってきた」というだけあって、調整遅れがあったことを全く感じさせない相撲内容。しかも、平戸海、琴櫻、義ノ富士と、番付上位に名を連ねる実力者ばかりを倒してきているのだから手応えは十分だ。今場所は、この日もしぶとい藤ノ川を落ち着いて退け、3連勝としている大関霧島が優勝争いの中心になっていくとみられているが、どうやらその対抗馬には、この若隆景が浮上してきたとみてもよさそうだ。
 
もともと、優勝経験もあり、昨年9月場所には大関取りのチャンスもあった実力者。今場所はその場所以来の三役である小結に返り咲いており、「(三役でも)場所に臨む気持ちは変わらないけど」とは言うものの、2横綱1大関が休場という状況下では過去の実績においては出場者の中でもトップクラスの存在だけに、この場所は再び大関に挑む起点とする格好のチャンスであることも確かだろう。
 
2日目に大関琴櫻を破った後には、「強い気持ちで土俵に上がらないと。気持ちで負けないという意識はあります」と力強く語っていた若隆景。番付は小結だが、横綱・大関に休場者が多い今場所は、いつもの場所の小結ほど、序盤から上位とばかり当たることにはならないはずで、この後も白星を重ねて優勝争いに参入していくことは十分可能。場所の興味をつなげていくためにも、これからも若隆景の存在にはかなり期待がかかってくることになるはずだ。

文=藤本泰祐

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事