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2026-05-24

【相撲編集部が選ぶ夏場所千秋楽の一番】大関取りへ再挑戦だ。若隆景が決定戦で霧島を圧倒し、2度目の優勝!

優勝決定戦。若隆景は11日目の本割とは逆に立ち合いから低い攻めで霧島を圧倒。一気に押し出して、2度目の優勝を決めた

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若隆景(押し出し)霧島

優勝決定戦は、6人ではなく2人だった。
 
千秋楽を迎える時点で、7人が優勝圏内、最大6人による優勝決定戦の可能性もあった今場所だが、本割で若隆景が藤凌駕、霧島が宇良と、3敗の2人が平幕下位の4敗力士を一蹴して多人数による優勝決定戦を阻止。2横綱2大関が休場し、千秋楽の協会ご挨拶に登場する役力士もわずか4人になってしまった今場所を、残った三役の中の2人の決定戦で締める形になったのは、番付の権威を守る意味ではまだしものものだった、と言えるかもしれない。
 
そして迎えた霧島と若隆景の優勝決定戦。しかし、その内容は一方的だった。11日目に本割で対戦したときにこのコラムで書いたとおり、この2人の対戦の焦点はただ一つ。若隆景の低い体勢を霧島が起こせるかどうかだ。
 
結果から言うと、この優勝決定戦では、霧島は若隆景を全く起こすことができなかった。11日目の本割では立ち合いから霧島が先手を取ったが、この日は立ち合いの踏み込みから若隆景のほうが勝った。霧島は本割同様、右を固めてはじくような形で立ったが、今度はそこを若隆景の左おっつけが襲った。そして逆側は若隆景のほうが内から入って右差しを狙う形に。先手を取られて少し体が浮いた霧島は、この手を右手で抱えて手繰りに出るが、そこで若隆景は差さずに右手をカギ型にして突きつけながら押し、そのまま向正面に押し出した。
 
11日目に本割で対戦したときには霧島が完勝したが、場所終盤の内容を見ると、そこからこの日に来るまでに、2人の調子は入れ替わっていたのかもしれない。この日は若隆景の完勝と言ってよかった。
 
決定戦を制した若隆景は、令和4年の3月場所以来、実に25場所ぶりの優勝。その間には、右ヒザを痛めて幕下まで番付を落とすという経験もした。乗り越えてきた試練の分だけ、また前回とは違った価値のある優勝であるに違いない。
 
優勝インタビューでは、「ケガをしたときに、常にそばで支えてくれた家族の前で優勝できてうれしいです」と語り、「きょうも朝、子どもたちに“優勝してね”と言われたので」と明かした若隆景。前回の優勝時はコロナ禍だったためなかったパレードも、兄・若元春を旗手に実現した。
 
来場所は関脇に復帰。小結での12勝の優勝は当然大関取りへの起点となる成績で、7月場所、9月場所と、もう一度夢に挑戦していくスタートラインに立ったことになる。
 
2横綱2大関が休場し、大関と小結、そして平幕力士(しかもその多くは前頭二ケタ)の優勝争いとなった場所は、小結の優勝で幕を閉じたが、実力で抜きん出ている(はずの)力士が故障に苦しむ状況だけに、この戦国時代の様相は、まだしばらくは続くことになるだろう。
 
来場所の三役を予想すると、横綱が今場所休場した豊昇龍と大の里、大関が来場所全勝でもすれば綱取りも、という霧島とカド番の琴櫻、関脇が新関脇で9勝した熱海富士と琴勝峰、大関取りロードをスタートさせた若隆景、10勝すれば大関復帰の安青錦、小結に大きなポテンシャルを秘める新小結の義ノ富士と返り三役の王鵬という顔触れになるだろう。

こうしてみると、まだこの後、近いうちに、横綱・大関の顔触れに変動がある可能性も見えてくる。この中から誰が、次の時代を創っていくのか。ここから数場所が、角界の未来の形を決める戦いになる。

文=藤本泰祐

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