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2020-07-26

【相撲編集部が選ぶ7月場所8日目の一番】 正代(突き落とし)御嶽海

中日には好取組が組まれることが多いが、この日の注目は全勝の御嶽海と1敗の正代との関脇対決。

※写真上=好調の正代が突き落としで全勝の御嶽海に土をつけた
写真:月刊相撲

 これまで幕内で18回対戦し、御嶽海が10勝8敗とリードも、十両以下での2度の対戦は正代が勝っており、互角の争いとなっている。

 勝負はあっけなかった。立ち合いで左前ミツを狙った御嶽海だが、正代の右カチ上げが効いて取れず。正代が左からおっつけて御嶽海の上体を起こすと、さらに右から突き起こしていく。正代は御嶽海が上体を低くするところをタイミングよく突き落とし、頭を押さえつけて転がした。左のおっつけで御嶽海の出足を止めたことが勝因だろう。

 全勝の御嶽海に土をつけた正代は、「立ち合いから下がらなかったのが、今日の相撲につながった。左右どちらも差せなかったので、おっつけて崩そうと思ったら、自然と突き落としが出た感じです」と飄々と振り返った。

 1敗を守り、優勝争いに食らいついているが、「体も動いてきたし、リラックスして取りたいです。とりあえず、その日にできる一番いい相撲を取れれば結果はついてくると思う。昨日、おとといと危ない相撲もあったので、下がらないように意識していきます」と意気込みを語ってくれた。

 背中にべっとりと砂をつけて引き揚げた御嶽海は悔しさのあまり取材拒否。無言で国技館をあとにした。

 優勝争いは全勝に白鵬、朝乃山の2人。白鵬は通算50回目のストレート給金で、もちろん歴代最多である。1敗で正代、御嶽海、幕尻の照ノ富士となった。この中では照ノ富士の存在が不気味で、今場所は早めに上位と当ててほしいと思う。

文=山口亜土

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