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2020-07-23

【相撲編集部が選ぶ7月場所5日目の一番】 高安(寄り切り)照ノ富士

2年半ぶりに幕内に戻ってきた照ノ富士と腰痛の影響で13枚目まで落ちた髙安の元大関同士の一番が組まれた。

写真上=4連勝の再入幕・照ノ富士を渾身の力で寄り切り、元大関対決を制した髙安
写真:月刊相撲

 照ノ富士は4日目まで全勝で、力強い取り口が戻ってきた。髙安は2勝2敗と本調子になく、まだ腰が痛いような素振りを見せていたが、熱戦となり館内からは大きな拍手が送られた。

 互いに低く肩から当たってから差し手争い。髙安は左差し手を絞られると嫌って振りほどき、突き起こして右四つに。髙安は左上手を取ったが、照ノ富士は上手が取れず苦しい体勢。照ノ富士が左から抱えて髙安の寄りをしのぐが、髙安はここが勝負と寄り立てる。顔を真っ赤にしてこらえていた照ノ富士だが、ついに土俵を割った。

 元大関対決を制した髙安は、「過去に何度も対戦しているので、その経験を生かして、いい相撲が取れました。自分の形になることだけ考えていて、いい形になれたので落ち着いて前に出ることができました」と振り返った。

 勝敗が決した後、大きな拍手が巻き起こったが、「やはり応援は身にしみます。応援に応えられるように精いっぱい努力します」と髙安。

 敗れた照ノ富士も力を出し切り、すっきりした表情でインタビューに応じた。「ずっとライバル意識を持ってやっていた人なので、結果は結果として、今の状態でやれることをやった。今日はうまく相撲を取られた感じ」。連勝が止まったが、「気にしてもしようがない。やれることをやるだけなので、最後まで精いっぱい頑張ります」と気持ちを入れ直した。

 今場所はこの2人のほかに栃ノ心と琴奨菊の元大関4人が平幕下位におり、幕内前半戦の興味の1つとなっている。

文=山口亜土

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