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2020-07-21

【相撲編集部が選ぶ7月場所3日目の一番】 御嶽海(首投げ)阿武咲

今場所前は各一門で行う連合稽古はもちろん、出稽古も禁じられた。こうなると部屋に関取が1人だけだと厳しい。三役以上で部屋に複数の関取がいないのは出羽海部屋の御嶽海だけである。

※写真上=阿武咲に押し込まれながらも土俵際の逆転で3連勝を飾った御嶽海
写真:月刊相撲

 御嶽海は場所前に限らず、普段から春日野部屋へ出稽古に行って、栃ノ心、碧山、栃煌山と申し合いを行っていた。それが場所前の稽古相手で最上位は西幕下8枚目の海龍だけ。「出稽古ができないのはつらい」と不安を口にしていた。

 初日は前に出る相撲で白星発進をしたが、2日目は攻め込まれて回り込みながらの叩き込みで逆転。3日目も阿武咲にモロ差しを許して土俵際まで押し込まれたが、とっさに右からの首投げで白星を拾った。

「負けたと思いました。もう必死で投げたので、捨て身だったけど勝ててよかった」と胸をなでおろした。このあたりの相撲センスは抜群である。特に投げられたときの腰の寄せ方、攻め込まれたときに回り込む技術は素晴らしい。

「稽古は不足していますけど、体は動いているので順調じゃないですか」と御嶽海。普段から稽古熱心な力士ではないだけに、逆に幕下との稽古で疲れが残らず、場所が進むにしたがって調子が上がっていくのではないか。

 すでに幕内優勝を2回経験し、次期大関候補筆頭と言える存在。期待している関係者、ファンも多い。「皆さんに喜んでもらえるような結果を残したいです」と力強く宣言。3日目を終えて、三役以上の全勝は白鵬、朝乃山、御嶽海の3人だけになった。

文=山口亜土

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