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2026-06-03

【NFL】「最強ディフェンス選手」ブラウンズのギャレットがラムズへ衝撃のブロックバスタートレード

ブラウンズのマイルズ・ギャレット。ラムズへのトレードが決まった=Getty Images

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アメリカンフットボールの世界最高峰・NFLで、現地6月1日(日本時間6月2日)に歴史的と言っても良い大きなトレードが発表された。クリーブランド・ブラウンズのDEマイルズ・ギャレットが、ロサンゼルス・ラムズに移籍。ブラウンズは、ラムズから交換条件としてに同ポジションのジャレッド・バースおよび複数のドラフト指名権を手に入れることになった。同日に発表された、もう1件のトレード、フィラデルフィア・イーグルスがWRのA.J.ブラウンをニューイングランド・ペイトリオッツに送り出したのは、メディアやファンも予想していた。しかし、ギャレットのトレードは「ブロックバスター」として、驚きを持って受け止められている。

シーズン最多QBサック記録を更新したばかり
マイルズ・ギャレットが、クリーブランドのファンに向けたSNSの投稿=本人の「X」アカウントから


ギャレットは、テキサスA&M大学から、2017年にドラフト全体1位指名でブラウンズに入団。2年目から8年連続で2桁サックを記録し、昨年は、NFLのシーズン最多記録を更新する23QBサックで2度目の最優秀守備選手賞を受賞したばかり。現時点で、NFL最強の守備選手と言っても良い。2025年シーズンまでギャレットの主な通算記録は

QBサック 125.5(現役1位)
タックル・フォー・ロス 149(現役1位)
QBプレッシャー 413(現役1位)
QBヒット 239(現役2位)
ファンブルフォース 23(現役3位)
(米スポーツ専門局ESPN調べ)

と、ずば抜けた数字が並ぶ。

ただ、ブラウンズのチーム成績は振るわず、ギャレット入団以降の9シーズンで勝ち越しは2回。直近2年は3勝14敗、5勝12敗で2年連続AFC北地区最下位だった。ギャレットは、昨年のオフには自分をトレードするように球団に求める発言をしたこともあった。

加入するラムズは、2025年はNFC西地区2位で、NFCチャンピオンシップまで進出、シアトル・シーホークスに27-31で敗れスーパーボウル出場を逃した。ただ、QBマシュー・スタフォードは、プロ入り後最高のシーズンで、NFLのMVPにも選出された。

スーパーボウル優勝を狙うラムズの驚愕補強
2025年シーズンはNFCチャンピオンシップで敗退したラムズ。QBスタフォードは38歳となった=Getty Images


スタフォードは、今年2月に38歳になった。ラムズは、2026年が、スタフォード、そしてショーン・マクベイHC(ヘッドコーチ)が、スーパーボウルで2度目の勝利を挙げるチャンスと見て、ブロックバスター・トレードを仕掛けた形だ。今オフは既にチーフスのスターCBトレント・マクダフィーも獲得している。

第61回スーパーボウルは、2027年のバレンタインデーにロサンゼルスのSoFiスタジアムで開催されることも大きなモチベーションだ。

米の有力スポーツブックサイトは、今回のトレードに敏感に反応した。「ドラフトキングス」ではラムズのスーパーボウル優勝オッズが8:1から13:2へと引き上げられたが、スーパーボウル優勝オッズが10:1未満となっているのはラムズだけだという。

そもそも、2021年シーズンのラムズのスーパーボウル優勝も、デトロイト・ライオンズとのブロックバスタートレード(ジャレッド・ゴフを放出し、マシュー・スタフォードを獲得するQB交換)の結果だった。

ラムズは、ギャレットがブラウンズと昨オフに結んだ4年総額1億6000万ドルの契約延長を維持する見込みだ。この契約にはトレード拒否条項が含まれていたが、彼は今回のトレードのためにこれを放棄する。ただし、ラムズとの契約後には再びこの条項が盛り込まれることになる。

「今後、チームの主軸になる」若手のバースを放出
ブラウンズにトレードされるジャレッド・バース=Getty Images


守備のスーパースターを獲得するために、ラムズは、当初想定になかった、若手有力選手を差し出すほかはなかった。ジャレッド・バースは2025年ドラフト1巡19位。1年目はディフェンスの新人王、入団以来2年連続でプロボウル出場、通算12サック、22タックルフォーロスで、今後10年間チームの主軸になると見込まれていた。また、ラムズは、2027年のドラフト1巡指名権、2028年の2巡指名権、2029年の3巡指名権もブラウンズに引き渡した。

複数の現地報道によると、トレードを求めたのは一貫してラムズ。ブラウンズはギャレットをトレードする意思がなく、ラムズが当初用意したドラフト指名権のパッケージを歯牙にもかけなかったという。

しかしラムズは、ギャレットのトレードを執拗に求め、ブラウンズは「25歳のバースを含めなければ、取引は成立しない」と伝えたところ、その条件を飲んだのだという。


今回のトレードは、昨年7月に、グリーンベイ・パッカーズがOLBマイカ・パーソンズをダラス・カウボーイズから獲得したトレードに匹敵するか、あるいはそれ以上かもしれない。。
ブラウンズが獲得したバースは、オハイオ州デイトン生まれで、地元への帰還となった、1巡指名のため、まだしばらくは、安価な入団時の契約でプレーさせることができる。さらに、多くのドラフト指名権を獲得した。

ブラウンズは2年連続で1巡指名権を2つ保有することになった。現在、2027年のドラフトでは4巡3つ、5巡2つ、7巡目2つを含む計11の指名権を保持している。

イーグルスはWRブラウンを予想通りペイトリオッツへ
ペイトリオッツにトレードされるA.J.ブラウン=Getty Images


現地6月1日、イーグルスはペイトリオッツと、エースWRのA.J.ブラウンをトレードすることで合意した。交換条件は2028年ドラフト1巡指名権と2027年5巡指名権。ペイトリオッツは2027年ドラフトで5巡指名権を2つ持つが、トレードされるのは上位の方だという。

6月30日で29歳になるブラウンは、ペイトリオッツがFAで獲得したロメオ・ダブスと共に、レシーバー陣をけん引する役目を背負う。3年目のQBドレーク・メイにとっての待望のプレミアムターゲットとなる。

6月1日のトレードとなったのは、イーグルスが、ブラウンの4000万ドルに上るサラリーキャップヒットを2026年と2027年に分割して計上できるようにするためだ。

2019年にテネシー・タイタンズ2巡指名でプロ入りして以来、ブラウンはパスレシーブ8029ヤード、56TDという成績を残してきた。185センチ102キロで、RBのような頑健な体格とシュアハンドを持つ。

トレードでイーグルスに移籍後は、2022年にパスレシーブ1496ヤード、2023年は1456ヤードと大活躍。過去4年連続でレシーブ1000ヤード・7TD以上を記録したのWRは、ベンガルズのジャマー・チェイスとブラウンだけだ。そしてスーパーボウルに2回出場し、1回の勝利を得たことは最高の栄誉だった。

一方で、優れたQBながらパス能力はやや劣ると評価されるイーグルスのジェイレン・ハーツの下でプレーを続けることで、ブラウンの本来の能力を発揮できていないとみなされていた。本人も、SNS投稿やメディアとの質疑応答の場で、その不満を垣間見せていた。そのため、トレードによる放出説が付きまとっていた。

ペイトリオッツは、ブラウンの希望するトレード先だった。理由の一つは、HCのマイク・ブレイベルの存在だ。ブラウンはルーキーから3シーズン、タイタンズHCだったでブレイベルの下でプレーしていた。その後も、2人はフットボール以外の場で交流を続けてきたという。

イーグルスも、今オフは、ブラウンの退団を見据えて準備を進めてきた。今ドラフトでトップ級評価だったUSCのWRマカイ・レモンを、トレードアップして1巡で指名。FAではマーキーズ・ブラウンとイライジャ・ムーアという実績のあるレシーバーを獲得している。

オデル・ベッカムJr.がジャイアンツと契約
ジャイアンツと契約したオデル・ベッカムJr.。最後にプレーしたのは、2024年のドルフィンズだった=Getty Images


ジャイアンツは、WRオデル・ベッカムJr.と契約したと、6月1日に発表した。

ベッカムは33歳。2014年のNFLドラフト1巡全体12位でジャイアンツに入団。3シーズン連続でレシーブ1300ヤード以上を記録。それ以上に衝撃的なワンハンドキャッチで、名を馳せた。ジャイアンツ在籍時、ベッカムは390回のレシーブで5476ヤード、44TDを記録した。

しかし、今のベッカムは、過去の栄光とは違う選手になった。2025年には薬物規定違反で6試合の出場停止、その後シーズン終了まで一度もプレーしていない。2024年はマイアミ・ドルフィンズで9試合に出場し、レシーブ9回の55ヤードだった。

またジャイアンツは、WRジュジュ・スミス=シュスターもと1年契約を結ぶことになるという。スミス=シュスターは昨年はチーフスでレシーブ33回345ヤード、1TDを記録した。

ジャイアンツはのエースWRのマリク・ネイバーズが、昨年9月に前十字靭帯を断裂しており、シーズン開幕に間に合うかどうかは依然として不透明だ。

QBウィルソンは米CBSのアナリストへ
米CBSの解説者就任が濃厚となってきたラッセル・ウィルソン=Getty Images


シアトル・シーホークスでスーパーボウルに2回出場、1回優勝のQBラッセル・ウィルソンが、米CBSのアナリストとなる契約の最終調整中だと、ESPNのアダム・シェフターが報じた。

ウィルソンは、昨シーズンはジャイアンツに所属、開幕時は先発だったが、途中から降格されて、シーズン終了後に、チームを離れていた。

37歳のウィルソンは、ウィスコンシン大から2012年のドラフト3巡でシーホークスに入団した。身長178センチとNFLの標準的QBからは10センチ近く背が低かったが、多彩なパスと機動力、ゲームマネージメント能力で、ルーキー年から先発となって活躍した。

ここまで14シーズンでパス46966ヤード、353TD、114INT。プロボウル選出10回、ウオルター・ペイトン賞も受賞している。ウィルソンは、シーホークスで10年、デンバー・ブロンコスに2年、ピッツバーグ・スティーラーズに1年、ニューヨーク・ジャイアンツに1年在籍した。

2013年シーズンのスーパーボウルでブロンコスを破って優勝し、2014年の大会ではペイトリオッツに惜敗した。2012年以降のパス353TDは、同じ期間内にNFLでプレーしたQBの中では、アーロン・ロジャース(395TD)、マシュー・スタフォード(363TD)に次ぐ3番目の数字となっている。

ウィルソンが選手として完全に引退するのか、それとも単に現役生活に一時休止を置くのかは不明という。

【小座野容斉】

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