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2019-11-19

【相撲編集部が選ぶ九州場所10日目の一番】 朝乃山(寄り切り)明生

幕内の優勝争いは1敗で単独トップの白鵬を追って、2敗で朝乃山、輝が続いていたが、輝は照強に敗れて後退した。

※写真上=白鵬を1差で追う朝乃山は、左上手を引き付け寄り切りで明生を降した
写真:月刊相撲

 朝乃山は力をつけてきた若手の明生と対戦。新小結での勝ち越しが懸かっていた朝乃山だが、特に硬くなる様子は見せず、思い切り胸から当たるとすぐに得意の左上手をつかむ。右の差し手を返して明生の背中を抱え、左上手を強烈に引き付けて一気に前に出た。

「先に自分の形になれたので、休まず攻めていきました。自分の相撲が取れているので、いいと思います」と朝乃山。

 新小結で10日目と早い勝ち越しについては、「目標を達成できてよかったけど、そんなにうれしいわけではない。通過点だと思う」と大物らしいコメント。大関取りが期待された御嶽海が5敗目を喫し、次の大関に一番近いのは朝乃山だろう。左上手を取るのが速くなり、相撲内容は優勝した夏場所よりもよくなっている。

 すでに白鵬との対戦は終えているが、白鵬が星を落とせば2回目の優勝の可能性もある。「先のことは考えてないです。一日一番、負けてもいいから、次につながる相撲が取れればいい」と無欲で臨む。

 10日目を終えて幕内の優勝争いは1敗で白鵬が単独トップ。2敗で朝乃山が続き、3敗で大関貴景勝、平幕の正代、千代丸、輝の4人が追う展開。優勝の可能性があるのは貴景勝までだろう。朝乃山には千秋楽まで優勝争いを盛り上げるためにも勝ち続けてほしい。

文=山口亜土

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