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2019-09-21

相撲編集部が選ぶ秋場所14日目の一番 隠岐の海(寄り切り)遠藤

13日目を終えて、3敗が御嶽海、貴景勝、隠岐の海、剣翔の4人、4敗に豪栄道ら5人で、9人の力士に優勝の可能性がある大混戦となった。

※写真上=右上手を取って寄り立てる隠岐の海。竹縄審判は遠藤の足が出たと手を挙げた
写真:月刊相撲

 3敗力士で最初に登場した剣翔は琴勇輝に突き出されて後退。緊張で体が動いていなかった。

 続いて登場した隠岐の海は小結の遠藤と対戦。当たってすぐに左を差した隠岐の海が遠藤の引きに乗じて前に出る。これは残されたが、右上手を取っての投げからさらに寄り立てる。遠藤はこれも残して、その後の投げの打ち合いを制したが、土俵下の竹縄審判(元関脇栃乃洋)から、遠藤の足が出たと手が上がっていた。

 遠藤は勝ち名乗りを受けようと蹲踞し、隠岐の海は土俵を降りようとしたが、行司の木村玉治郎に呼び止められ、幸運な勝ち名乗り。トップで千秋楽を迎えることになった。

「最後の投げで負けたと思っていたけど、前に出ていたのがよかったのかな」と隠岐の海。映像からは遠藤の足が浮いているように見えただけにラッキーだった。竹縄親方は「足が出たと思ったから手を挙げた」と語っているが、協会には抗議の電話が殺到したことだろう。

 貴景勝は会心の相撲、御嶽海は立ち合いの変化で3敗を守り、すべての取組終了後に千秋楽の割が組まれた。隠岐の海は貴景勝と対戦することになり、4敗力士の優勝の可能性は消えた。

 御嶽海は遠藤と顔が合い、勝てば優勝決定戦、負ければ貴景勝-隠岐の海戦の勝者が優勝となる。果たしてどんな結果が待っているのか。久しぶりにワクワクする千秋楽となった。

文=山口亜土

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