女子プロレス団体「マリーゴールド」が7月30日に東京・後楽園ホールで興行を開催。その目玉カードとして▼青野未来&南小桃vsSareee&Chi Chiというスペシャルタッグマッチが発表され、22日に記者会見がおこなわれた。だが、この会見が予期せぬ形で業界を賑わすとは誰が予想しただろう。このカードのキッカケを作ったキャリ3年目の23歳、南小桃が一切の言葉を発せなくなり、出てくるのは涙ばかりという状態に陥ってしまったのだ。

もともと会見が「苦手」という小桃。過去の会見でも要領を得ない発言をしたり、周囲も驚く行動を見せてきたが……まず7月22日の会見を振り返りたい。
メインに組まれた同一戦。Sareee&Chi Chiの外敵コンビが舌鋒鋭いコメントで青野&小桃を挑発した。これを受け、マイクを持った小桃は「このカード、私が相手もパートナーも決めました」と口火を切ったが、ぽつぽつと言葉を発するものの、言葉が続かず、気づけばマイクを揺さぶりながら黙り込んでしまったのだ。
Chi Chiは「声の小ささに自信のなさが表れてるから。やる意味あるのかな? やる意味を見出したいんだけど、試合が決まったからには」と呼びかけ、青野は「いま喋ろうとしてるので。黙っててもらえますか」と助け船を出す。だが、小桃から言葉が出ることはなく、その目から涙が流れ落ちるばかり。何も言えず、うつろな目をした小桃の眼前でSareeeや青野が舌戦を繰り広げたのち、5分あまりで会見は終了。会見後の集合写真時にキレた小桃がSareee&Chi Chiに襲い掛かるも、「さっきやれよ!」と一喝されて終わってしまった。
前代未聞に会見にSNS上では厳しい声も含めて様々な意見が飛びかった。だが、良くも悪くも注目が集まったのは事実で、「Sareee、久々のマリーゴールド上陸」「第3代ワールド王者・青野vs初代王者・Sareeeの遭遇」といった見方に加え、小桃が何を見せるのか、会見同様、惨敗を喫してしまうのか、はたまた意地を見せつけるのか。試合の主語に南小桃がなる可能性が大きくなったとも言える。
果たして小桃はいま何を思い、あの時なぜ言葉が出なかったのか。6月にキャリア3年目に突入した23歳に話を聞いた。

――7・30後楽園での青野未来&南小桃vsSareee&Chi Chi戦が決定。ちょっとした放送事故状態の記者会見も含め、あらゆる意味で注目を集めています。
小桃「(苦笑)。なんですかねぇ。(7・19)大阪のバックステージでChi Chiさんが『(対戦が決まった7月)30日もどうしようかな』って感じでコメントしてて」
――Chi Chi選手は「ホント生ぬるいなって思います。何も言うことないです。30日もどうしようかなって感じ」とコメントしてましたね。
小桃「でも、(痛烈に言われた)大阪、勝敗はどっちもついてないと思うんですけど、私がそこまで負けに負けてたとは思わないんです」
――むしろ、やり合っていた印象すらあります。
小桃「はい。なのにバクステで…。言ってる意味もなんとなく分かりますけど、だけど、やっぱり悔しいなと思って。外敵にまで目を背けられてるっていうんですかね。難しいなって」
――Chi Chi選手にとっては不完全燃焼で終わった山梨大会の一騎打ちなどもあって、小桃選手に対して「どうしようかなって感じ」になってるのかなと思うのですが、小桃選手としては、あの時とは違うぞっていうものを大阪で見せつけた手応えがあったと思うんです。
小桃「そうですね、はい」
――にも関わらず、つれないChi Chi選手にイラ立ちを覚えたのでは?
小桃「なんかすごい視界に入られるとイライラします」
――SNSでも「わたしはあなたのプロレスが嫌い」と書いてましたが、あれは本音の部分ですか?
小桃「はい(小声で)」
――小声かもしれませんが、全世界に発信されてます(苦笑)。
小桃「たしかに、フフ。マリーゴールドとはまったく違うところで(Chi Chiは)生まれてきてるし。私とChi Chiさんはだいぶ性格が違うと思うんです」
――生きてきた道のりも全然違うでしょうし。
小桃「はい。だから合わないんでしょうね。プロレスやってなかったら出会ってないです」
――お互いプロレスラーになり、リングで出会ってしまった以上…。
小桃「やらなきゃいけないですよね」

――しかもマリーゴールドの救世主を名乗ってます。
小桃「マリーゴールドの救世主じゃありません! マリーゴールドの救世主だって、Chi Chiさんが言ったら、ファンの人が盛り上がるんですよ。それがすっごい悔しいんです。私のなかではそこが一番引っかかっていて。ファンの人がそう思うってことは、マリーゴールドに足りないものがあって、私にも足りないものがあってだと思いますし。それも自覚してるからこそ、会見でも、あぁ…って。(小桃自身も)わかっていたし、変わろう、変えたい。だけど、そんなすぐ変われなくて。それでなんか、おぉぉぉ…ってなっちゃいました」
――おぉぉぉ…(苦笑)。それは、悔しい、怖い、ビビった、もどかしいとか、どういう感覚だったんでしょうか?
小桃「そのなかだったら、もどかしいですかね」
――SareeeさんもChi Chiさんも強い言葉がドンドンでてくるタイプですが、小桃さんはしっかり考えて言葉を発するタイプ。プロレスラーである以上、不得意なんて言ってられないとは思うのですが、強い言葉のキャッチボールは…?
小桃「できないんです…。とってもできないんです」
――とってもできない小桃さんがトータル3分近く黙ってしまいました。
小桃「頭のなかには、こう言いたいっていう言葉があったんですけど、口から出なかったです。そういうところですよね」
――頭のなかにはあったと。
小桃「はい」
――どういうことを言おうと思ってたんですか?
小桃「…昨日の記憶がけっこうブッ飛んでいて、覚えてないんです。あそこで私が言い返せば違いましたけど、言われっ放しになっちゃいましたから」

――やり取りのなかで涙もこぼれてしまいました。
小桃「(会見の)前日に『いつも頼ってる私じゃない。未来さん、ついてきてください!』みたいなことを言っておいて、何もできず、未来さんが入ってきてくださって。あぁ…って思って、もう私は何もできない女だなと思ったら…」
――涙が。
小桃「はい」
――あの数分間に小桃選手のリアルが見えて、めちゃくちゃおもしろかったです、完全に他人ごとで怒られそうですが。
小桃「いやいや、面白いですよ、あれは。みんなから笑われました」
――「Sareee久々のマリゴ参戦」とか「青野とSareeeの再会」がテーマにあったあの一戦、一気に南小桃が主語になった気がします。
小桃「いやー、はい。試合で返すしかないかなと思ってます。ずっと下に見られてきて、私は言い返すこともできず。……もうやってやる!って感じです。私をナメないでほしいですね! あ~ん、がんばります!」
――Sareee選手との絡みは初ですよね?
小桃「そうですね、初です」
――何か感じるものはありましたか?
小桃「圧というか、とても。Sareeeさん。マリゴに参戦されてた頃、私はデビューしたばっかのヒヨっ子で」
――2024年5月の旗揚げ戦から2025年1・3大田区まで定期参戦していました。
小桃「その頃、私、ヒザをケガして欠場してました」
――正真正銘の初対決になると。
小桃「そうですね」
――Chi Chi選手以上に荒ぶるのがSareee選手です。
小桃「知ってます、とても。負けません!」
――タッグパートナーは青野選手です。
小桃「2人だけで組むの、3回目ぐらいなんですよ。どうなんだろう、周りから見たら私と未来さんがどういうふうに写ってるのかがいまいちわからないですけど。未来さんずっと団体を守ってきてくれて。私も欠場者増えて、団体を守らないとって気持ちでこの3、4カ月、自分のなかでやってきたつもりですけど。それには到底及ばなかったっていうのが、会見で出てしまって」
――あの瞬間だけで、この4カ月ぐらい積み上げてきたものは崩れないと思いますが?
小桃「ホントですか? なんか、生ぬるいって言われてるのもね。SNSに関しても私が生ぬるかったな、言われても仕方ないなって。私はずっとマリゴにいるから。違う世界で生きてきた人たちと初めて今回当たって、違いを感じる部分もあって」
――心身ともにシンドい試合になると思いますが、南小桃というプロレスラーにのってターニングポイントになりそうですね?
小桃「はい! 南小桃にとっても、マリーゴールドにとっても変わる試合にできればと思います!」

「Marigold Burning Desire 2026」
★7月30日=東京・後楽園ホール(18:30)
▼青野未来&南小桃vsSareee&Chi Chi
▼桜井麻衣&翔月なつみ&山中絵里奈&越野SYOKO.vs野崎渚&松井珠紗&CHIAKI&瀬戸レア
▼天麗皇希vs心希
▼後藤智香vs山﨑裕花
▼3WAYマッチ◎メガトンvs ハミングバード vsアリア・ジェームズ
▼石川奈青vsザ・レディAI