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2026-08-19

13回目の夏を制すのはドラゴンか、スズメバチか。東京女子8・23後楽園でのプリンセスカップ決勝戦は辰巳リカvs鈴芽!【週刊プロレス】

辰巳(右)と鈴芽

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準決勝の組み合わせが決まるまでは波乱に満ちていた今年の「東京プリンセスカップ」。HIMAWARIが昨年準優勝の遠藤有栖を、凍雅が一昨年準優勝の愛野ユキを下すという番狂わせには、新世代の台頭を期する声も多く上がったことだろう。だが8・16大阪での準決勝が終わり8・23後楽園の決勝のカードが決まると、そこにあったのは“堅実”だった。

 毎年、優勝者以外にも主役が生まれるシングルトーナメント。ここ最近で言えば先述した準決勝経験者がそこに当てはまるだろう。キャリアや実績などを含めて「勝って当然」を覆すことでドラマが生まれ、必死で駆け上がるその姿にファンは心を打たれる。ジャイアントキリングを求めるがゆえに声援が偏ることもあり、それは坂崎ユカが優勝した'22年、渡辺未詩が優勝した'25年にも実際にクローズアップされている。だけど今年の決勝戦においては、そういった目に見える強弱の差はないように感じる。

 2人の出会いは鈴芽がデビューするよりも前のこと。ファンとして東京女子を観戦する中で目に留まった辰巳リカの存在、ファンとして手紙を送ることもあった。その通りプロレスラー・鈴芽はかねてより辰巳を自身の“原点”としており、憧れの思いも強かった。だから今回のトーナメント決勝戦は特に鈴芽にとっては特別な舞台になるのは当然。両者ともに決勝に初進出、さらに現在のチャンピオン(辰巳=プリンセスタッグ、鈴芽=インターナショナル・プリンセス)であることを含めると辰巳にとっても同じだ。

 両者によるシングルは今回で5回目となる。振り返ってみると、初めての一騎討ちは鈴芽のデビュー3戦目('19年9月)のこと。憧れを前に奮闘を見せたものの、やはりその時点ではまったく敵わず辰巳に完敗。試合後にはファン時代の気持ちをまだ捨て切れていなかったと反省、あらためて“選手”として向き合うことを強く決意した一戦でもあった。

 2度目はそこから3年後の'22年4月。前日の後楽園にて「でいじーもんきー」で「マジラビ」の持つプリンセスタッグに挑戦も圧倒的な差を見せつけられて敗北。その翌日に鈴芽の再出発として新木場のメインで対戦、当時はほとんど出すことのなかったホワイトドラゴンスリーパーで辰巳が勝利している。その際の「東京女子の未来は明るい」という言葉は鈴芽に対する最高の賛辞となった。

 導かれるようにその3カ月後、7月のプリンセスカップ準々決勝で再び対戦した2人。ここが辰巳が鈴芽を「天敵」と称する一戦になっている。まだまだ実績に差があった当時、それでも鈴芽が渾身の丸め込みで3カウントを奪って準決勝に進出。ベスト4止まりとなったが、憧れからの初勝利はキャリアの中でもハイライトのひとつとなっている。また'24年のタッグトーナメント決勝戦(でじもんvs白昼夢)でも辰巳は鈴芽に直接敗れており、ことトーナメントでの“vs鈴芽”においては強く苦手意識を持っていることも吐露している。

 プリンセスカップで対戦した翌年の'23年5月が現時点での2人の最後のシングル。辰巳が保持していたインターナショナル・プリンセス王座を懸けて4度目の対戦となった。印象的だったのは挑戦表明時の「あなただから私はまた変われる」という鈴芽の言葉。実際に過去の対戦を経て進化し続けた鈴芽だからこその説得力で、それだけ強い意志を持って臨んだ一戦。しかし、王者・辰巳が貫録を見せて防衛成功。まだまだ時代は動かなかった。

 ここまで振り返ったように、シングルでいえば辰巳の3勝1敗。ただ最後の対戦から3年以上経ったいま、その戦績はあまり参考にならないのかもしれない。それはここ最近でも2人の変化や進化は止まっていない、というのが一番の要因になってくるだろう。

 辰巳は昨年の白昼夢復活から、より狂人度に磨きがかかってきている。それは試合を見れば一目瞭然で、もはや“一周回ってしまった感”さえうかがえてしまう。今年5月に約5年半ぶりにプリンセスタッグ王座を取り戻したことも、一周回ったという点ではリンクしてくるだろう。とはいえ団体で3人しかいないグランドスラム達成者で、もちろんタッグだけでなくシングルでも侮れない。今回のトーナメントを勝ち抜く様に、鈴芽が「今年のリカさんがヤバすぎる。ワクワクしながらも恐れていました」と言うほどに存在感を見せている。

 一方の鈴芽は今年3月にインターナショナル・プリンセス王座を2度目の戴冠。現在4度の防衛に成功しており、プリンセス・オブ・プリンセス王者の荒井優希と並んで現在の団体を支えている柱といって過言ではないだろう。ただIP王座戦線だけではなく、特筆すべきはまだ記憶に新しい今年のイッテンヨン後楽園。未詩の持つプリプリ王座に初挑戦した際の試合にはこれでもかと“伸びしろ”が詰まっていた。ベルト姿も板についてきているスズメバチはまだまだ飛べるし、その一刺しには注意が必要だ。

 そんな2人によるトーナメント決勝戦。どちらが勝っても初優勝で、さらにチャンピオンでの優勝。例年、優勝者は次なるビッグマッチ(今年でいえば10・3大田区)でプリプリ王座に挑戦しているのだが、今回の場合は自身の持つベルトに関してはどうするのかにも注目が集まる。文頭に記したように決勝戦は“堅実”な2人による“堅実”な好勝負になることは誰もが簡単に予想できるが、そこをさらに突き抜けられるかどうかもポイント。狂った方向に進化し続けるドラゴンと、経験を糧に東京女子らしく進化し続けるスズメバチによる夏の大一番はどうなる…?

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