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2019-01-20

相撲編集部が選ぶ 初場所8日目の一番

※写真上=22歳同級生対決は貴景勝が押し出しで降し、阿武咲に初黒星をつけた
写真:月刊相撲

貴景勝(押し出し)阿武咲

 この日は平成最後の天覧相撲。両陛下が幕内後半戦から熱戦をご覧になり楽しまれた。各力士はいつも以上に気合の入った相撲を見せてくれた。その中でも注目の一番は貴景勝と阿武咲の22歳同級生対決だ。普段は仲がいいが、土俵に上がればライバル意識をむき出しにする。国技館来場者の投票で選定される森永賞にもこの一番が選ばれた。

 これまでの対戦成績は阿武咲が2勝1敗とリード。3戦とも頭から激しくぶつかり合っている。先場所は貴景勝が初優勝も、2人の対戦はなく阿武咲は非常に悔しがっていた。今場所はここまで阿武咲が1敗で、貴景勝が2敗。優勝争いに残るためにも、どちらも負けられない一番だ。

 両者、頭からぶつかり合い、ゴンッと鈍い音が響く。やや低く当たった貴景勝がノド元を突き上げて先手を取り、阿武咲が反撃に出るところを左に動いてイナすと、動きの止まった相手を一気に押し出した。

「気持ちで負けないようにと思って取りました」と貴景勝は胸を張る。敗れた阿武咲は「押し負けてはいなかったけど、イナされて相手を見て止まっちゃった。弱いなあ」と悔しさを露わにした。

 時間にすれば短い攻防だったが、互いの意地がぶつかった好一番。両陛下もご満足されたことだろう。

文=山口亜土

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