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2026-09-20

【相撲編集部が選ぶ秋場所8日目の一番】霧島、美ノ海に圧力負け。3敗目を喫し、今場所の綱取りはほぼ消滅か

美ノ海に圧力負けし、最後は押し倒された霧島。これで3敗目となり、数字的には逆転優勝の可能性は残すものの、今場所後の綱取りはほぼ消滅とみられる状況となった

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美ノ海(押し倒し)霧島

折り返し点の中日8日目にして、今場所最大の焦点は、ほぼ消えることになった。
 
霧島の綱取りだ。霧島はこの日、美ノ海に押し倒され、いずれも平幕相手の黒星で3敗目。こと今場所後の綱取りに関しては、消滅と考えるのが妥当な状況となった。
 
この日の相手の美ノ海は、直近の対戦で連敗しているだけに、霧島にとっては相性のよくない相手。それでも、霧島は立ち合いは悪くはなかった。しっかり踏み込んで突き放し、美ノ海に得意の左の廻しを許さず。そのあと突き合い、押し合いの中でイナし、体勢の低い美ノ海との潜り合いに挑んだ。
 
そこまではよかったが、左の突きを繰り出したところで、今場所は「立ち合い左の廻しが取れなくても、攻めながら取りにいけるように練習している」という美ノ海に、なお低い体勢で圧力を掛けられると、耐えきれず一度目の引き。ここは何とか再び低い体勢を作り直しながら土俵中央まで盛り返したが、美ノ海に左右のおっつけやハズでさらに圧力を掛けられると、またたまらず相手の頭を押さえて2度目の引き。左に回って上手を探ったがつかめず、なおその左脇をハズで押されると、左から3度目の引きを出したが、これで却って自分の体が横を向く形になってしまい、右腕をはね上げながら押してきた美ノ海に、最後は豪快に押し倒された。

「我慢して相撲が取れたかなと思います。精いっぱい、胸を借りるつもりで向かっていこうと思った」

という美ノ海は、一度も引き、叩きを繰り出すことなく、大関に圧力勝ちした形だ。
 
一方、霧島はこの日も取組後は取材を断りノーコメント。この人が調子を落としてくるときはだいたいそうなのだが(すでに綱取りで崖っぷちに追い込まれていることがそうさせた面もあるのだろうが)、場所の序盤と比べると、やはり自分が前に圧力を掛けて攻めようということより、さばいて何とかしようということのほうにウエートがかかった取り口になってきているよう。それではなかなか前に出る圧力を増している今場所の美ノ海をさばくことは難しい。
 
また印象面でも、上位陣の中では大きいほうとは言えない美ノ海に圧力負けして押し倒されるというのは、横綱になろうという力士としてはちょっと辛いか。
 
もちろんまだ、このあと全部勝って、まあ12勝3敗の場合には優勝決定戦になる可能性も高いので、そこも勝って逆転優勝でもすれば、大逆転の綱取り成就という可能性がないわけではない。が、それは大の里(現状星2つ差)をこのあと自分を含めもう一人誰かが倒してくれるという他力本願を含むうえ、現状の相撲内容から考えるとその筋書きの実現可能性はかなり低く、残念ながら数字の上で可能性が残っているだけに過ぎないという感じではある。
 
さて、優勝争いのほうは、この日、トップを並走していた2人は、大の里が隆の勝をしっかり攻めて寄り切った一方で、琴櫻はまた受けに回る相撲となって伯乃富士に押し出され2敗目と明暗が分かれた。
 
これで横綱大の里が単独トップ、2敗に大関琴櫻、関脇熱海富士、藤ノ川、平幕朝乃山、宇良、金峰山、寿之富士の7人という形となった。大の里はここにきて立ち合いが立ち腰でなくなってきた感じがあり、やはり本命といえる存在になってきたか。対抗はここまでの内容からすると熱海富士。そして琴櫻がどこまで積極的な相撲を取り戻してついていけるか、という争いになるか。藤ノ川はまだ上位で二ケタ勝利の実績がないので、自身の優勝争いという意味ではどこまでいけるか分からないが、このところ気迫満点のいい相撲が続き、充実がうかがわれるだけに、キャスティングボートを握る存在になりそう。
 
横綱が単独トップに立ったので、もちろんここからグッと調子を上げて逃げ切ってしまうという可能性もあるが、なんとなく、まだもうひと波乱ぐらいはあるのではないかという気もする。

文=藤本泰祐

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