アメリカンフットボールの世界最高峰・NFLは、現地9月24日(日本時間25日)、9月27日(同28日)、9月28日(同29日)に2026年レギュラーシーズンWeek3の各ゲームが開催された。全米各地に加え、ブラジル・リオデジャネイロでの熱戦の模様をお伝えする。
今季は、活躍を期待されながら、蹉跌に遭遇しているエースQBも多い。3連敗のジャスティン・ハーバート(チャージャーズ)、CJストラウド(テキサンズ)、キャム・ウオード(タイタンズ)。1勝2敗だが、パスは深刻な不振のドレーク・メイ(ペイトリオッツ)と言った面々だ。
一方で、エースQBの受難の年で、まだ3戦目なのに負傷による欠場が続出している。そんな中、代役の、2番手、3番手ベテランQBがきっちり仕事をして、アップセットを引き起こしたゲームが3試合もあった。マーカス・マリオタ(コマンダース)、ジェイミース・ウィンストン(ジャイアンツ)、そしてマンデーナイトゲームのケース・キーナム(ベアーズ)に注目した。
■QBペニックスが起爆剤、RBビジャン、WRロンドンが無双の働き2026年9月24日サーズデイナイトゲームアトランタ・ファルコンズ ○35-14● グリーンベイ・パッカーズ開幕から連敗のファルコンズ。RBやWR、TEにはNFL屈指のタレントがいる。それを使いこなせない歯がゆさが過去2試合は漂っていた。この試合はそれが一掃された。
負傷から復帰したQBマイケル・ペニックスが起爆剤となった。RBビジャン・ロビンソンが能力を発揮、ラン194ヤード・2TD、さらにWRドレーク・ロンドンもターゲット10回中9回レシーブ、キャリアハイの194ヤードとワイドアウトとしての威力を見せつけた。パッカーズはQBジョーダン・ラブがパス312ヤードを記録したが、ランがファルコンズ242ヤードに対しわずか17ヤードでは話にならなかった。パッカーズの地元ファンが、不甲斐ない敗戦にブーイングをするほどだった。
■ジャガーズ完勝 絶不調のペイトリオッツQBメイは下げられる
ジャクソンビル・ジャガーズ ○35-6● ニューイングランド・ペイトリオッツジャガーズが完勝。2年目のリーアム・コーエンはHC就任後20試合で15勝となった。ペイトリオッツは、昨年開花したはずのエースQBドレーク・メイが極度の不振で第4Qにはサイドラインに下げられた。開幕3試合で1TD・6INTと苦しんでいる
■QBアレン不調もビルズが3連勝、チャージャーズは3連敗2026年9月27日 NFL Week3 サンデーゲームバッファロー・ビルズ ○24-16● ロサンゼルス・チャージャーズビルズは開幕3連勝、チャージャーズは3連敗。内容的には、ビルズのアグリーゲーム。QBジョシュ・アレンが2INTなど、チームで5ターンオーバーを喫する苦しい展開となったが、ディフェンス陣の踏ん張り勝ち切った。
■QBワトソン、今週も活躍 ブラウンズが連勝クリーブランド・ブラウンズ ○21-18● カロライナ・パンサーズブラウンズのQBデショーン・ワトソンが、再びチームに勝利をもたらした。試合残り1分48秒、QBワトソンはTEハロルド・ファニンへ14ヤードTDパスをヒット。さらに2ポイントコンバージョンでもワトソンは、ルーキーWRデンゼル・ボストンにパスを決め、ブラウンズが21-18で劇的な逆転勝利を収めた。
■テキサンズ3連敗 地区内ライバルのコルツに痛い敗戦インディアナポリス・コルツ ○19-17● ヒューストン・テキサンズ3年連続2桁勝利で、昨年は公式戦12勝のテキサンズが開幕3連敗。地区内ライバルのコルツに敗れ、期待されたシーズン序盤から厳しい戦いを強いられている。エースQBのCJストラウドはコルツ守備陣のプレッシャーに苦しみ、要所で攻撃のリズムを作れず決定力を欠いた。終盤まで接戦を演じながらも得点を積み重ねられず、昨季の躍進を支えたディフェンスも勝負所を守り切れない。一方のコルツは堅実な試合運びでライバル対決を制し、貴重な1勝を獲得した。
■レイダース3連勝、昨シーズンの勝ち星に並ぶ
ラスベガス・レイダース ○35-27● ニューオーリンズ・セインツレイダースは敵地でセインツに逆転勝ち、開幕3連勝を飾った。第3Qには一時11点差を追う苦しい展開となったが、QBカーク・カズンズが冷静に試合を組み立て、逆転した。勝負を分けたのはディフェンスのテイクアウェイ。第4Qにセインツから相次いでターンオーバーを奪い、主導権を握った。復帰戦となったTEブロック・バウワーズも10レシーブ116ヤード1TDと存在感を発揮した。
昨季は1シーズンで3勝しか挙げられなかったレイダースが、クリント・キュービアック新HCの下で早くも3勝目を手にし、AFCの注目チームへと浮上している。
■ライオンズが粘るジェッツを振り切るデトロイト・ライオンズ ○31-24● ニューヨーク・ジェッツジェッツは、第4Qに14点差を追いつき24-24の同点としたが、ライオンズRBジャミア・ギブスがTDパスをキャッチし勝ち越し。残り51秒、ライオンズのディフェンスがジェッツQBジーノ・スミスをサックしてファンブルリカバー、熱戦に終止符を打った。RBギブスはランで2、パスキャッチで1の計3TDを奪った。ライオンズQBジャレッド・ゴフはパス25/32、269ヤード、2TD。ジェッツのQBスミスはパス31/37、321ヤード、3TDと奮闘した。
■チーフス3連勝、マホームズはモンタナを抜くカンザスシティ・チーフス ○24-10● マイアミ・ドルフィンズチーフスは開幕3連勝、ドルフィンズは3連敗。チーフスQBパトリック・マホームズは通算TDパス数を247とし、名QBジョー・モンタナを抜いてNFL歴代20位に浮上した。RBケネス・ウォーカー3世はラン70ヤード1TD、レシーブ3ヤード1TD。ドルフィンズはエースRBのデボン・エイチェンが試合序盤に膝を負傷して離脱する痛い敗戦となった。マホームズが泊まったホテルの部屋が、スーパーボウル初勝利の時と同じという偶然があったという。
■QBウィンストン手堅いオフェンスでジャイアンツが勝ち切る
ニューヨーク・ジャイアンツ ○12-7● テネシー・タイタンズジャイアンツはWeek2で負傷のQBジャクソン・ダートは、シーズンアウトとなった。代役の2番手QBのジェイミース・ウィンストンは、TDパスは奪えなかったが、ターンオーバーゼロの手堅いオフェンス。Kデニス・ズバダが4FG(フィールドゴール)をすべて成功させて、得点を重ねた。そして、タイタンズの反撃を4Qの1TDのみに抑えた。タイタンズは2年目のQBウォードの1TDのみ。
■スティーラーズがディフェンスで終盤の熱戦を制すピッツバーグ・スティーラーズ ○30-27● シンシナティ・ベンガルズスティーラーズが地区内ライバルに競り勝った。スティーラーズの3点リードで迎えた試合残り53秒、ベンガルズは敵陣36ヤードラインまで攻め込んでいた。スティーラーズのDLデリック・ハーモンがプロテクションを破って突進。ベンガルズQBジョー・バロウを背後から襲い、ボールを叩き落とした。このボールをスティーラーズがリカバーし、決着が付いた。
■コマンダースQBマリオタが3TD 王者シーホークスの連勝止める
ワシントン・コマンダース ○33-31● シアトル・シーホークスコマンダースがシーホークスを僅差で破った。シーホークスの昨季スーパーボウルも含めた連勝を12で止めた。
コマンダースは先発QBジェイデン・ダニエルズを欠く中、代役のマーカス・マリオタが3本のTDパスを決める活躍。一方で守備陣は、先発LBレオ・チェネルが首の負傷で病院搬送されるアクシデントに見舞われたが、ルーキーのソニー・スタイルズらが奮闘した。試合を決めたのは、第4Q残り3分57秒、コマンダーズ3点リードの場面で、控えLBケイン・メドラノの50ヤードピック6だった。コマンダーズは3つのターンオーバーで、守備が勝利を引き寄せた。
シーホークスはQBサム・ダーノルドがスターターに復帰し、WRジャクソン・スミス=ジグバが10回128ヤード、2TDと活躍。開幕から3試合連続で120ヤード以上とTDを記録し、1989年のジェリー・ライス以来となる快挙だった。しかしメドラノのリターンTDが致命傷となった。その後、ダーノルドはWRクーパーカップにTDパスを決めて追いすがったが、差は詰められなかった。
■看板のQB,TE,RBが揃って活躍、49ersが3連勝サンフランシスコ・49ers ○36-30● アリゾナ・カージナルス試合序盤、パーディからWRマイク・エバンスへの短いパスの後、エバンスがWRディーボ・サミュエルにトスする「フック・アンド・ラダー」トリックプレーが決まった。サミュエルは80ヤードを走りきって先制TDとなった。
49ersのQBブロック・パーディはパス297ヤード、4TD、パサーレイティング133.8を記録した。RBクリスチャン・マキャフリーはラン15回で75ヤード1TD、レシーブ4回で41ヤード、合計116ヤードを獲得してオフェンスを牽引した。TEジョージ・キトルは第4Qに2つの重要なTDレシーブを記録。カージナルスに猛追される中でチームを救った。
カージナルスはQBジャコビー・ブリセットがパス280ヤード、2TDパスに加え、自らも1つのラッシングTDを記録。ルーキーRBジェレマイア・ラブもラン90ヤード、レシーブ1TDと奮闘し、試合終盤に1時2点差まで詰め寄る粘りを見せたが、届かなかった。
■バイキングスが3連勝 バックスQBメイフィールド負傷ミネソタ・バイキングス ○23-16● タンパベイ・バッカニアーズバイキングスが開幕3連勝。スペシャルチームと守備の活躍を軸にバッカニアーズを下した。序盤にマイルズ・プライスの86ヤード・パントリターンTDで流れをつかみ、復帰したQBカイラー・マレーからジョーダン・アディソンへの41ヤードTDパスで加点。オフェンスは決して爆発的ではなかったが、ディフェンスがQBベイカー・メイフィールドに6サックを浴びせ、2ターンオーバーを誘発した。バッカニアーズも食い下がったが、反則や攻撃の停滞が響いた。メイフィールドは右手親指の脱臼で、今後3週間は欠場となる見込み。
■ラスト2ミニッツで劇的な展開 レイブンズが「サヨナラ勝ち」
ボルティモア・レイブンズ ○34-31● ダラス・カウボーイズブラジル・リオで、レイブンズが競り勝った一戦は、ラスト2ミニッツに劇的な展開が待っていた。まず残り1分30秒、QBラマー・ジャクソンが新人TEマット・ヒブナーへ2ヤードのTDパスを決め、レイブンズが31対28と逆転。その後、カウボーイズはQBダック・プレスコットを中心に反撃し、残り7秒でブランドン・オーブリーの23ヤードFGを成功させて31対31の同点に追いついた。
ただ、このドライブでは、カウボーイズは残り23秒、1stダウン,ゴールまで2ヤードと攻め込んでおり、ここでTDを取り切れなかったのが、結果的には勝敗を分けた。
レイブンズは残り7秒のオフェンス。自陣35ヤードからの最後のプレーで、ジャクソンがゼイ・フラワーズへ27ヤードのパスを通し、自ら素早くタイムアウトを要求。残り1秒を残してキック圏内へ進むと、Kタイラー・ループが56ヤードFGを決め、試合終了と同時に劇的な勝利を掴んだ。
この試合でジャクソンは186ヤード、2TDパスに加え50ヤード超を走るなど攻守の中心として躍動。RBデリック・ヘンリーも89ヤード、2TDを挙げ、強力な地上戦でチームを支えた。両エースの活躍が、最後の奇跡的な勝利につながった。
■DBフファンガ奮迅、ブロンコスがラムズに逆転勝ち
2026年9月27日 サンデーナイトゲームデンバー・ブロンコス ○30-26● ロサンゼルス・ラムズラムズは前半16-0で折り返しながら、後半にまさかの大逆転を許した。ブロンコスはQBボー・ニクスを中心に反撃し、第3Qだけで16点を挙げて同点に追いついた。さらに第4QにはSタラノア・フファンガがQBマシュー・スタフォードのパスを66ヤードの「ピック6」、ブロンコスにこの試合初めてのリードをもたらした。
ラムズもすぐさま48ヤードTDパスで再逆転したが、残り1分を切って、ニクスのQBスニークでTDを奪い、ブロンコスが30-26と再びリードした。残り47秒からのオフェンスで、ラムズはレッドゾーンに侵入。スタフォードが残り2秒でエンドゾーンへ勝負をかけたラストパスを、ブロンコスのフファンガが再びインターセプトし、勝負が決した。2INT、ピック6、1QBサック、複数のパスブレークアップを記録した元オールプロのフファンガが、この試合のヒーローとなった。
■38歳QBキーナム予想外の大活躍 ベーアーズがイーグルス撃破
2026年9月28日 マンデーナイトゲームシカゴ・ベアーズ ○27-7● フィラデルフィア・イーグルス試合前に予想とは正反対の結末となった。QBケイレブ・ウィリアムズの負傷欠場を受け、シカゴは38歳のベテランQBケース・キーナムを先発起用。開幕時は3番手登録だった代役キーナムがパス24/34、247ヤード、2TDに加えて1TDランまで決める圧巻のパフォーマンスでベアーズを快勝へ導いた。キーナムは2023年以来のゲーム出場とは思えない落ち着きぶりで、攻撃を終始スムーズにコントロールした。
一方のイーグルスQBジェイレン・ハーツには苦しい夜となった。攻撃のリズムを作れず、16/25、153ヤード、0TD、1INT。第2Qにはサイドライン際でヒットを受け、脳震盪の疑いで一時退場。控えのベテランQBアンディ・ダルトンはエンドゾーンでインターセプトを喫し、流れを寸断した。ハーツは検査後に復帰したものの、本来の爆発力は見られず、ベアーズ守備陣は3つのターンオーバーを奪取してイーグルスオフェンスを封じ込めた。
前半終了間際のQBスニークによるTDが唯一の得点で、後半は無得点。無敗だったイーグルスは、伏兵キーナムの活躍の前に完敗を喫した。