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2026-10-14

【NFL】「世界最高峰リーグで、なぜそんなミスが」 Week5のドラマチックな3試合のOTで起きたこと

【コマンダースvsジャイアンツ】左ひじ脱臼からの復帰戦となったコマンダースQBダニエルズは、ゲーム最終盤のあり得ないミスで勝利を逃した=Getty Images

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アメリカンフットボールの世界最高峰・NFLは、2026年レギュラーシーズンWeek5のゲームでは、延長オーバータイムにもつれ込んだのが3試合もあった。最高峰リーグとは思えないようなボーンヘッドで、ドローになってしまったワシントン・コマンダース対ニューヨーク・ジャイアンツを中心に、3試合を振り返ってみた。

コマンダース、痛恨のクロックマネジメントミスで勝利消える

Week5サンデーゲーム
ワシントン・コマンダース 27<OT>27 ニューヨーク・ジャイアンツ
2026年10月12日@ノースウェストスタジアム(メリーランド州)
【コマンダースvsジャイアンツ】コマンダースがゲーム最終盤のあり得ないミスで勝利を逃したコマンダースと、歓喜するジャイアンツの選手たち=Getty Images


コマンダースとジャイアンツの一戦は、オーバータイムの末に引き分けに終わった。ただのドローではなかった。痛恨のクロックマネジメントミスでコマンダーズは勝利をフイにした。

第1Qに先制TDを奪って以降、常に主導権を握り続けたコマンダースに対し、ジャイアンツは第4Qに、QBジェイミース・ウィンストンの2TDパスで同点としてOTへ突入した。両チームが共にOT1回目のオフェンスが無得点に終わり、得点した方が勝つサドンデスのドライブに入る。ジャイアンツは、FGレンジまで攻め込みながら、RBキャム・スカテブーがファンブルロスト。

勝利を掴めるチャンスに、この試合から復帰したコマンダースQBジェイデン・ダニエルズが、自らのランも含めて冷静にドライブを重ねた。少なくとも「冷静に」見えた。順調に着々とボールを進めていたが、両チームともにタイムアウトは使い切っていた。
【コマンダースvsジャイアンツ】左ひじ脱臼からの復帰戦となったコマンダースQBダニエルズは、ゲーム最終盤のあり得ないミスで勝利を逃した=Getty Images

そしてゴールまで26ヤード、十分にFG圏内だった。残り55秒からのオフェンスで普通にランプレーをコールした。2ヤードのゲイン。ボールデッドは50秒だが、時計はどんどん進んでいた。そして、コマンダースはこの後、普通にハドルを組んだ。このハドルで約10秒使った。そして、普通にプレーを続けた。ボールがスナップされた瞬間の計時は残り12秒。

次のプレーはスパイクでなければならなかった。信じられないことに、ダニエルズはQBキープに出て、タックルされた。ボールデッドは残り8秒だが、インバウンズなので時計は進む。慌ててボールをセットしてスパイクしようとしたが、もう間に合わなかった。試合はそのまま終わった。

最終的な責任はHCのダン・クインにある。しかし、直前にハドルまでして、そこで、もうタイムアウトは残っておらず、次のプレーではパス失敗にして時計を止めないといけないということを、QBダニエルズを含めたフィールド上の11人が誰も気づかなかったのだろうか。
【コマンダースvsジャイアンツ】コマンダースがゲーム最終盤のあり得ないミスで勝利を逃したコマンダースのダン・クインHC=Getty Images

NFLで、このような初歩的なマネジメントミスで勝利が消滅するのは極めて珍しい。米のメディアは辛辣で、クインHCの解任があり得るとまで報じている。

このコマンダースの失態で、救われた人間がいたとしたら、直前のファンブルロストでチームを敗戦の瀬戸際に立たせたジャイアンツRBスカテブーだったかもしれない。

スーパーボウルの前哨戦?今季屈指の名勝負

Week5マンデーナイトゲーム
バッファロー・ビルズ○37<OT>34●ロサンゼルス・ラムズ
2026年10月13日@Sofiスタジアム(カリフォルニア州)
【ビルズ vs ラムズ】ラムズとの熱戦を制し、ファンの声援にこたえるビルズQBアレン=Getty Images


「第61回スーパーボウルの対戦カード」となってもおかしくない、Week5屈指の好カードは、オーバータイムまでもつれ込んだ壮絶なシュートアウトとなった。両軍合計890ヤード、リードしているチームが6回入れ替わったは、アレン率いるビルズに軍配が上がった。

前半は両チーム合わせて20得点、反則も多く、重苦しい展開だった。しかし後半に入ると様相は一変した。特に第4Qでは両軍が5度連続でタッチダウンドライブを遂行するシーソーゲームとなった。

試合は34-34でOTへ。ラムズはビルズ30ヤード地点まで攻め込み勝利目前だったが、Kハリソン・メイビスの48ヤード決勝FGを長身OLBのグレゴリー・ルソーが値千金のブロック。命拾いしたビルズはその後、WRカリル・シャキールの57ヤードキャッチを足掛かりに前進し、最後はアレンのランでFG圏内へ到達。Kタイラー・バスが45ヤードFGを成功させ、劇的なサヨナラ勝利を収めた。

ビルズのジョシュ・アレンとラムズのマシュー・スタッフォード、2人の直近MVPによるQB対決も期待通りの熱戦となった。スタッフォードは40/54、383ヤード、3TDの圧巻のパフォーマンス。プカ・ナクアは24回ターゲットで17キャッチ138ヤード1TDの活躍を見せ、デバンテ・アダムスも2TDを記録した。
【ビルズ vs ラムズ】ラムズWRナクアは17キャッチ138ヤード1TDの活躍=Getty Images

一方のアレンはパスこそ12/19、210ヤード、1TD・1INTと控えめだったが、ランでは10キャリーで121ヤードと、自身4度目の100ヤードラッシングゲームを達成した。ジェームズ・クックも111ヤード、2TDを挙げ、ビルズは強力な地上戦でラムズ守備陣を押し込んだ。
【ビルズ vs ラムズ】ラムズQBスタフォードと抱き合うビルズQBアレン=Getty Images

ただ、勝敗を分けたのはスペシャルチームだった。ラムズはメイビスがこの日2本のFGを失敗し、決勝機も逃した。一方でビルズはキックリターンでも好位置を確保し、延長戦ではルソーのブロックが決定的な一撃となった。
       ◇
ラムズは、試合翌日の13日、Kメイビスをカットした。
【ビルズ vs ラムズ】オーバータイムで、FGを外したラムズKメイビス=Getty Images


代役QBハントリーが活躍、32歳RBヘンリーも衰え見せず


Week5サンデーナイトゲーム

ボルティモア・レイブンズ ○30<OT>23● アトランタ・ファルコンズ
2026年10月12日@メルセデス・ベンツ スタジアム(ジョージア州)
【レイブンズ vs ファルコンズ】パス201ヤード、2TD。OTでは決勝のランTDも奪ったレイブンズQBハントリー=Getty Images


レイブンズがオーバータイムの末にファルコンズを破った。エースQBラマー・ジャクソン不在の中、働くべき選手が働いて、接戦をものにした。殊勲の筆頭は、代役QBタイラー・ハントリー。パス24/32で201ヤード、2TD、INTなしを記録した。終盤の2ミニッツドリルで71ヤードをわずか1分51秒で前進し、残り40秒でデボンテズ・ウォーカーへ7ヤードの同点TDパスを成功。さらにRBデリック・ヘンリーが2ポイントコンバージョンを決め、土壇場で23-23の同点に追いついた。

OTでは、14プレー、68ヤードのロングドライブを展開し、最後はハントリー自ら1ヤードのQBスニークで決勝TDを奪った。

シーズン終了時には33歳を迎えるRBヘンリーも衰えを感じさせず、24回のキャリーで102ヤードを獲得。さらに18ヤードのTDレシーブも決めた。レイブンズはチーム合計208ランヤードを積み上げ、伝統のパワーランが逆転勝利を支えた。

守備陣も勝利を呼び込んだ。試合終盤、OLBタビアス・ロビンソンがファルコンズQBマイケル・ペニックスJr.に激しいプレッシャーをかけ、負傷退場に追い込んだ。そして、ハントリーのTDで30-23となった直後、ペニックスに代わって登場したトゥア・タゴヴァイロアがWRドレーク・ロンドンへ投じたパスを、地元アトランタ出身のSカイル・ハミルトンが見事にインターセプト。ハミルトンの今季初INTで、勝利が決まった。
【レイブンズ vs ファルコンズ】タックルされて、ろっ骨を傷めた、ファルコンズQBペニックス=Getty Images

TEマーク・アンドリュースのファンブルがファルコンズのTDにつながり、3Qには同点の2ポイントコンバージョン失敗もあった。ディフェンスも序盤はファルコンズにサードダウン成功率60%を許すなど苦戦した。試合残り40秒では、15-23と8点のビハインド。そこから劇的な同点、そしてオーバータイムでの勝利。

2023~2025年のレイブンズは7点差以内の試合で9勝15敗。しかし今季はすでに3試合連続でワンポゼッションゲームに勝利。近年の「接戦に弱い」イメージを払拭した、単なる1勝以上の意味を持つ勝利だった。
【レイブンズ vs ファルコンズ】32歳のRBヘンリーはラン24回102ヤード。18ヤードのTDレシーブに加え、2ポイントコンバージョンも決めた=Getty Images

【小座野容斉】

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