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2018-07-31

平成30年度全国高等学校体育大会・相撲競技展望 団体は埼玉栄、飛龍、金沢学院の争いか

「翔べ誰よりも高く東海の空へ――2018(にー・まる・いち・はち)彩る感動 東海総体」相撲競技が8月3日(金)~5日(日)の3日間、静岡県沼津市のふじのくに千本松フォーラム(プラサヴェルデ)で開催される。今年も5月10日の山梨県を皮切りに、6月24日の東京まで、全国で予選が行われた。昨年に続いて、奈良が部員不足のために団体戦が行われず、滋賀は3校が団体戦に出場し、長浜北星が優勝したが、正式部員が2人しかいないため全国大会は辞退。もし出場していれば、旧長浜商業時代の昭和21年以来72年ぶり2回目の出場になるところだった。昨年同様、開催地の2校を加えた46校で争われる。 

※金沢大会を制した埼玉栄。左から先鋒春山万太郎初段(3年=主将)、二陣齋藤大輔初段(3年)、大将神山龍一初段(3年)、交替選手新井宥里初段(3年)
写真:月刊相撲

団体戦は埼玉栄、飛龍に注目

 昨年準優勝校で、今年も弘前、金沢で優勝、選抜2位(すべて3人制)の埼玉栄(関東大会優勝)が最有力。昨年のメンバーでは齋藤大輔、神山龍一、春山万太郎(以上3年)が残っている。齋藤と神山は元中学日本一。齋藤は今年弘前優勝、神山は選抜3位、春山は金沢2位と活躍。さらに元幕内常の山の長男下村龍太郎や、新井宥里(弘前3位)、二本柳亘(以上3年)と、実力者が揃う。

 今年の選抜の決勝で埼玉栄を倒して初優勝したのが飛龍(東海大会優勝)。選抜2位の鈴木優斗(3年、東海大会優勝)を中心に、中国内モンゴル自治区出身のアスハダ(3年)や、昨年1年生ながら東海大会を制した大桑元揮(2年)、都道府県中学3位、白鵬杯2位の土屋和也(2年)らが中心。沼津市に学校があり、地元中の地元で優勝を狙う。

 昨年、優勝した金沢学院にも注目。去年の優勝メンバーが川渕一誠、前田悠翔(以上3年)、池田俊、川渕一意(以上2年)と4人も残っており、今年も弘前3位、金沢2位と安定した成績を残している。昨年1年生ながら大将として優勝に貢献した川渕一意の成長が著しく、兄・一誠とともに連覇を狙う。

 昨年準優勝の鳥取城北(中国大会優勝)は、昨年のメンバーで残るのは當眞嗣斗(3年)、小関拓道、志戸俊輔(以上2年)の3人。しかし、外国人枠(団体戦には1人のみ)の関係で出場機会がなかったモンゴル出身のダワーニンジ(2年)が中国大会で優勝、また1年生で鳥取県予選を制した向中野真豪(2月の白鵬杯優勝)が加わり、優勝を狙う。予選1回戦で金沢学院、3回戦で飛龍と対戦する。

 弘前2位、選抜3位の明徳義塾は部員5人。モンゴル出身のオドフー、石崎涼馬(以上3年)の2人が中心。5人制だと厳しいかも。

 東北大会を制したのは。平舘。長内龍、松浦和啓(以上3年、いずれも東北大会3位)らが中心。 

 近畿大会優勝は箕島。坂前由基(2年、金沢16強)、五島雅治(1年)の下級生が中心。四国大会優勝は野村。由留部親吾(3年)、久保海心(1年)が中心。学校がある西予市野村町は集中豪雨で大きな被害を受けた。頑張りに期待したい。九州大会優勝は文徳。伊佐穂嵩(3年、選抜8強)、津澤太一(3年、選抜8強)、元中学横綱の草野直哉(2年)、1年生に、白鵬杯3位の花岡真生、都道府県中学2位の山本剛瑠らが加わった。

唐津工が61年ぶりに出場

 各地の話題を追ってみよう。

 山形は加茂水産(出場3人)と、初出場を狙う新庄神室産業(出場4人)の一騎打ちとなったが2-2からの大将戦で加茂水産が勝利。しかし個人戦では加茂水産は1人も入賞できなかった。

 福島は会津農林が学法福島を破り11年ぶり10回目の出場。

 千葉は拓大紅陵が3-2で日体大柏を退けたが、関東大会では日体大柏が3位、拓大紅陵は8強。

 山梨は都留興譲館と、柔道部員の甲府工の一騎打ちで、0-2から3連勝で都留興譲館が勝利。都留興譲館は、3年前は谷村工との合同で、単独では初めてとなる。

 長野は、御嶽海の母校木曽青峰が更級農を降して4年ぶりに出場。

 岐阜は岐阜農林が10連覇していたが、2-2から大垣日大が勝利して11年ぶりの出場。しかし東海大会では岐阜農林が3位。

 滋賀の個人戦2位には八幡工のレスリング部員が入ったが辞退、沖縄県4位の選手が選ばれた。

 山口は1校だけが団体戦に出場。しかし響高と豊北高が統合して下関北高となり校舎は豊北高を使用するため、今年から響高の募集がなくなった。2・3年生は響高だが、1年生は下関北高となり、その合併チームとなった。

 佐賀は唐津工が初優勝。旧唐津商工・唐津実業時代からだと61年ぶり5回目の出場となる。なお唐津実業はその後、唐津農業、唐津工業、唐津商業の3校に分かれ、唐津農業(現唐津南)が2回出場している。唐津工の相撲部自体は平成4年から休部中だが、新居頼二の呼びかけで集まった5人でつかんだ栄冠だった。

相撲8月号掲載

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