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2019-06-24

【水泳食】第2回:冷凍&カット野菜「活用法」

「スイミング・マガジン」本誌で連載中の柴崎真木先生による「食べて速くなる栄養学」。年々反響が大きくなっていることを受け、スイマガWebでも折を見て過去の連載の一部をご紹介していきます。第2回目のテーマは「冷凍&カット野菜“活用法”」です。レシピはもちろん、しっかり栄養に関する知識も身につけていきましょう。
※本記事の内容は、「スイミング・マガジン」2017年6月号の記事に加筆・訂正したものです。

※写真上=冷凍野菜を使ったポトフ。料理初心者でも簡単にできるので、ぜひチャレンジしてください!
写真◎柴崎真木

Let’s Cook!(1)
冷凍野菜で簡単ポトフ

★包丁を使わずに作ることができるので、料理初心者でも簡単です。でき上がってすぐに食べられますが、一度冷ました方が、味がよくしみるので、夜に作って翌日の朝ごはんのおかずにするとさらにおいしさアップです。

【材 料】*2人分
冷凍洋風野菜ミックス(ブロッコリー、カリフラワー、にんじん、ヤングコーン、いんげん)1/2袋、冷凍かぼちゃ1/2袋、ウインナー4本、水600㏄、固形コンソメ2個、塩こしょう
【作り方】
鍋に材料をすべて入れて、かぼちゃが柔らかくなったらでき上がり。

Let’s Cook!(2)
巣ごもり卵

★朝食の定番目玉焼きも冷凍ほうれんそうを使えばさらに栄養価アップ。シュレッドチーズをのせたり、刻んだハムを混ぜてもいいですね。朝食は野菜が摂りにくいので、冷凍野菜が便利です。アルミカップで作ればお弁当のおかずにも。

【材 料】*1人分
冷凍ほうれんそう50g、卵1個、バター3g、塩こしょう少々
【作り方】
(1)フライパンを熱してバター、冷凍ほうれんそうを入れて炒めながら解凍する。
(2)ほうれんそうをドーナッツ状に広げ、真ん中のくぼみに卵を割り落とす。
(3)水を大さじ1杯程度(分量外)入れ、ふたをして蒸し焼きにする。
(4)塩こしょうで味をととのえる。

Let’s Cook!(3)
簡単コールスローサラダ

★定番のコールスローもカット野菜を使えば包丁いらずです。ほうれんそうをプラスしてビタミンCや鉄、βカロテンも補いましょう。

【材 料】*作りやすい分量(3~4人分)
千切りキャベツ1袋、冷凍ほうれんそう80g、ツナ1缶、塩小さじ1/2、粒マスタード大さじ1(お好みで)、マヨネーズ大さじ1、しょうゆ小さじ1/4、塩こしょう少々
【作り方】
(1)冷凍ほうれんそうは表示通り解凍し水気を絞っておく
(2)千切りキャベツは塩をふって軽くもみ、しんなりしたら一度洗う。
(3)水気を絞った(2)のキャベツと(1)のほうれんそう、缶汁を切ったツナ缶と一緒に入れ、マヨネーズ、しょうゆ、粒マスタードを加え、こしょうで味をととのえる。

★Lecture★
冷凍&カット野菜「活用法」

 今回は、初心者でも簡単にできる、冷凍野菜やカット野菜を使った料理を紹介いたしました。購入や使用に際しての注意点をしっかり学び、料理にも挑戦してみてください。

忙しいときに便利!

 冷凍野菜やカット野菜は、すでに下処理してあるので、使いたいときにさっと使えるところがいいですね。冷凍野菜は使いたい分だけ少し使えるところも便利です。最近では、スーパーだけでなくコンビニでも販売しているので、買い物に行きそびれたり、買い忘れがあったりしたときにも手に入りやすいです。最近の冷凍野菜はきんぴらごぼう用にカットしてあるもの、揚げなす、洋風・和風野菜ミックス、カットおくらなど、いろいろな種類があるので、いくつか常備しておくと野菜が摂りにくい朝食やお弁当のおかずなどにも活用できて便利です。

気になる安全性や栄養価は?

 冷凍野菜やカット野菜の安全性や栄養価が気になるという声も聞かれます。最近は食の安全性が問われることも多く、各社ホームページなどで商品の安全性について記載しているところが多く見られます。よく購入する商品やメーカーの情報を確認し、生産から加工まできちんと日本の基準で管理されているメーカーを選ぶようにするとより安全でしょう。また、国産野菜やオーガニック製品もありますので、少し割高ですが気になる方はそういった商品を選ぶのも良いと思います。

 冷凍食品は基本的に安く入手できる旬にまとめて収穫して作るため、安い価格で安定的に供給できるようになっています。旬に収穫したものをすぐに冷凍加工しているため、収穫されてから市場を経てスーパーに並ぶ野菜よりも栄養価が高いこともあります。また、家庭用冷凍庫と異なり、業務用の冷凍庫で急速冷凍しているため、細胞も壊れにくく、衛生面でも安全だと言えます。

 カット野菜は、切り口から水溶性ビタミンはどうしても失われやすくなります。しかし、ビタミンAやビタミンKなどの水に溶けにくいビタミンやミネラルなどはなくなるわけではありませんし、食物繊維も摂ることができます。もちろん、新鮮な野菜を丸ごと食べた方が良いのですが、一人暮らしで一度にたくさん買えない場合や野菜が高騰したとき、忙しくて食事の支度にゆっくり時間を使えないというときに利用するなど、状況に応じて利用すれば良いでしょう。

 カット野菜は、自宅でカットした野菜より傷みにくいので、添加物がたくさん使われているのでは? と心配される方もいますが、業務用のよく切れるカッターを使っていることも傷みにくさのひとつです。野菜は断面積が大きくなると傷みやすくなります。殺菌も電解水など安全性の高いものを使用したりしていることが多いので、それほど心配することはないでしょう。使用するときは、包装に洗浄が必要かどうかも記載されていますので、必ず確認してから使いましょう。

買い物する際の注意点

 冷凍食品やカット野菜は、出荷されてから店頭での保管状況が良くなかったり、家庭での保存状態が良くないと雑菌が繁殖することがあります。購入するお店は清潔で商品回転が速く、冷凍食品は冷凍庫や商品のパッケージに霜がついていないことを確認しましょう。カット野菜もできるだけ加工日が新しく、よく冷えたものを選ぶようにしましょう。

 冷凍食品は一度解凍したものを再冷凍すると雑菌が繁殖しやすくなります。買い物をして自宅に帰ったらすぐに冷凍庫に入れましょう。カット野菜もすぐに冷蔵庫へ。買い物の際は、保冷剤や保冷バッグを利用すると安心です。

 解凍はパッケージに書かれた解凍方法で行なうことが安全においしく食べられるポイントです。少しずつ使う場合には、素手でとり出さず、清潔な箸やトングを使いましょう。カット野菜は開封後に雑菌が繁殖しやすいので一度で使いきるようにし、心配な人は洗浄不要なものも一度洗ってから使うようにしましょう。

おすすめ冷凍野菜は?

 野菜は食べた方がいいなと思いつつも、切ったり、加熱したりと面倒なことが多いのも事実です。特に栄養価の高い緑黄色野菜は生で食べられないものも多く、レタスやキャベツなどのサラダに比べて摂りにくいのではないかと思います。そのため、ほうれんそうや小松菜、ブロッコリーなど加熱調理が必要な緑黄色野菜を冷凍野菜で利用するのがおすすめです。生に比べると味や食感が落ちたりするのは仕方がありませんが、肉やツナ、チーズなどのたんぱく質食品と組み合わせたり、マヨネーズや粒マスタードなどで和えるとおいしく食べられます。スープや味噌汁の具にするのも良いでしょう。

 包丁いらずの簡単レシピは、最初にご紹介していますので、ぜひ作ってみてくださいね!

文◎柴崎真木

著者PROFILE
[しばさき・まき]愛知県生まれ。中京女子大大学院健康科学研究科修了。管理栄養士、健康運動指導士。愛知県内のスイミングスクールや国体に向けた合宿での栄養サポートを経て、2008年より文部科学省委託事業チーム『「ニッポン」マルチサポート事業のスタッフ』として競泳日本代表のサポートに従事しロンドン五輪にも帯同。現在はフリーで活動中。中学までは水泳部に所属し、水泳指導の経験もある。愛知水泳連盟医科学委員

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