青山学院大の吉田祐也が、初マラソンで日本学生歴代2位を記録した。同じ日に青学大卒業生の小椋裕介(ヤクルト)が丸亀ハーフマラソンで1時間0分0秒と日本記録を更新。2人の共通点は共に「マジメの人」だということだ。
別大マラソンで3位に入った吉田祐也(左)と丸亀ハーフで日本記録を更新した小椋裕介(右) 撮影/JMPA、山田次郎
2月2日は、「青学デー」だった。
青山学院大の学生、そして卒業生が大きな活躍を見せた日となった。
別府大分毎日マラソンでは、ひと月前に箱根駅伝の4区を走って区間新記録をマークした吉田祐也が初マラソンに挑み、2時間08分30秒で3位に入った。
一般企業に就職が決まっている吉田だが、日本人トップ、日本学生歴代2位、初マラソン日本人歴代2位、青学記録などなど、さまざまな勲章がついた。
実は1月24日、『大学駅伝シーズン決算号』の企画で、青学大の新旧主将対談の司会で町田寮を訪ねたが、そのときに風呂上がり吉田祐也と挨拶をした。
箱根の後ということもあり、どこかのんびりムードが漂っていた寮内にあって、吉田祐也だけはピリッとした表情をしていた。
「別大頑張りますので」。律儀に挨拶してくれたのが、いかにも吉田祐也らしかった。
マジメの人がスポットライトを浴びた。
このまま、陸上競技の第一線から身を退いてしまうのだろうか?
マジメの人、といえば2015年度の卒業生、小椋裕介(ヤクルト)も学生時代から真面目だった。小椋は2月2日、丸亀国際ハーフマラソンで1時間00分00秒という切りのいい数字で、ハーフマラソンの日本新記録をマークした。
小椋の取材では思い出がある。
2015年、韓国・光州で行われたユニバーシアードではハーフマラソンで優勝。帰国後、町田寮で話を聞いたとき、小椋が開口一番、こう話したことを覚えている。
「どうしたら、取り上げていただけるのかと感じていました」
箱根駅伝では復路の7区を4年連続で担当したこともあり、神野大地(セルソース)、久保田和真(九電工)といった同級生のスターに比べると、駅伝でのインパクトに欠けたが、青学大の卒業生では初めての日本記録保持者となった。
堂々と、ニュースのヘッドラインを飾ったのだ。
これまで青学は、2015年の箱根駅伝の初優勝以来、「駅伝の強豪校」という位置づけだった。
昨年の9月15日に行われたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で、卒業生で出場したのは橋本峻(GMOインターネットグループ)、神野大地、藤川拓也(中国電力)の3人だったが、インパクトを与えるまでには至らなかった。
しかし、2月2日を境に、青学勢がいよいよマラソンの世界で存在感を発揮しそうな気配が漂ってきた。
フレッシュグリーンのユニフォームから、それぞれの色をまとって卒業生が飛躍し始めた。
文/生島 淳
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