ドーハ世界選手権大会3日目の9月29日、女子20㎞競歩に岡田久美子(ビックカメラ)と藤井菜々子(エディオン)が出場。
岡田が1時間34分36秒で6位、藤井が1時間34分50秒で7位に入った。2009年ベルリン大会の渕瀬真寿美(6位)以来、10年ぶりの入賞で、日本女子競歩勢のW入賞は史上初となる。
写真上=女子20㎞競歩で6位入賞の岡田久美子(左)、7位入賞の藤井菜々子(撮影/中野英聡・陸上競技マガジン)
前を追う岡田久美子(ビックカメラ)、藤井菜々子(エディオン)に焦りはなかった。10
㎞通過時点のラップは、14位の岡田が48分5秒、1秒差で藤井が続く。トップの劉虹(中国)ら9
人の先頭集団とは15秒ほどの差がつけられていた。
「まだ先頭集団に付いていける力がないと分かっていたので無理をせずに」と岡田が振り返れば、藤井は「(鈴木)雄介さんからもアドバイスいただいたのですが、前半は抑えて体力を温存し、徐々に上げていくレースプランでした」と想定どおりの展開。
そして「13㎞くらいで仕掛けたいと思っていた」という岡田がギアを入れる。1㎞4分40
~35秒ペースとこれまでから10~15秒ほど上げると、「岡田さんについても速すぎないペースだと分かっていた。15~16㎞までは余裕をもっていけました」という藤井も呼応し、順位を一気に入賞ラインへと上げていった。
前々回は25位、前回は18位と悔しい経験をバネに岡田がついに6位入賞を果たした(写真/中野英聡・陸上競技マガジン)
シニアで初の世界大会出場となった藤井は堂々の7位入賞を飾った(写真/中野英聡・陸上競技マガジン)
15㎞通過時点では、先頭集団から約20秒、後続とは30秒以上の差があるなか、岡田と藤井は一つでも前をと、互いに引っ張り、競り合いながら6位の選手を追う。3大会連続3回目の出場となる岡田、初出場の藤井。入賞濃厚の状況ながら、日本人最高位を懸けた白熱した展開となった。藤井が先行する形となったが、岡田がラスト1㎞でかわし、7位、8位でフィニッシュ。中国人選手の失格により順位が繰り上がり、岡田が2009年ベルリン大会の渕瀬真寿美(当時・大塚製薬)の6位に並ぶ、日本人最高位タイ。藤井が7位と日本女子競歩史上初のW入賞を果たした。
3度目の挑戦で念願の入賞を果たした岡田は、先輩への感謝を口にした。
「渕瀬さんはずっと追いかけてきた存在。昨日も50㎞で粘りの歩きをされていました。本当に心強くて、今日の出発までもアドバイスをいただいたんです。今日も帰国便の時間まで沿道で応援してくださって。渕瀬さんに並べたかどうかは分かりませんが、10年ぶりの入賞はうれしいです」
そして、フィニッシュ後、抱き合って入賞を喜んだ年下のライバルにも。
「本当に急成長してきたので、そのおかげで自分も毎日成長できていると思うので、感謝の気持ちでいっぱいです」
その藤井は「後ろにつかれたときに、最後に行かれるのは分かっていました。それは自分の今の力ですし、岡田さんに方が一枚も二枚も上なので。ただ、この悔しさをバネに、東京五輪、その先に向けて成長していきたいです」と伸び盛りの20歳は前を向く。
1999年セビリア大会の三森由佳(綜合警備保障)以来、世界選手権の大きな壁に跳ね返されてきた日本女子競歩陣。初入賞を果たした渕瀬に続いた岡田、その岡田を追って藤井が台頭し、W
入賞という快挙を成し遂げた。2人の力はもちろん、「男女問わず、先輩方からいろいろなアドバイスをいただく」と藤井が語るように、選手、スタッフを含めた、これまでの英知を共有してきた日本競歩界全体でつかみとった快挙に思えてならない。
日本人初の女子競歩W入賞を果たした岡田(手前)と藤井。互いを高めあいつつ快挙につなげた(写真/中野英聡・陸上競技マガジン)
文/石井 亮(陸上競技マガジン)
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