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2019-02-08

[野球食]リコピンは生よりジュースが多い!ホットトマトジュース

海老久美子(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

※写真上=ホットトマトジュース
写真◎ベースボール・クリニック

◎ドリンク

<材 料>(球児1人前)
・トマトジュース……200cc
・おろししょうが……小さじ1
・ゆず果汁……大さじ1
・ゆずの皮……適量
・ハチミツ……小さじ1

<作り方> 約5分
1)カップにおろししょうが、ゆず果汁、ハチミツを入れ、トマトジュースを注いで混ぜる。
2)電子レンジで温める。
3)ゆずの皮を添える。

<Point!>
! 葛や片栗粉でとろみをつけて温かさをアップしてもOK。
! ハチミツの甘味は、好みで加減。
! 鍋でも作れる。

<栄養量>(球児1人分)
エネルギー 62kcal
タンパク質 1.6g
脂質    0.3g
糖質    15.6g
カルシウム 17mg
鉄     0.7mg
ビタミンA 53μg
ビタミンE 1.5mg
ビタミンB1 0.09mg
ビタミンB2 0.09mg
ビタミンC 21mg
食物繊維  2g

<Pickup栄養素>
リコペン
ベータカロテンと同じ、カロテノイドの一種。球児の体のサビ付きを防ぐための抗酸化作用が強く、その力はベータカロテンの2倍以上と言われる。

冬の水分補給は
体が温まるドリンクを

 冬でも水分補給は大切だ。練習をすれば汗をかくし、空気が乾燥しているため目、鼻、ノドなどの粘膜も乾燥しやすい。粘膜の乾燥は、風邪などのウィルスの侵入を許してしまう。

 かと言って、夏と同じく冷たい飲み物ばかり飲んでいると体は冷えてしまう。冬場は状況に応じて温かい飲み物を活用していきたい。そこで、温かいだけでなく、プラスアルファがあるホットトマトジュースをご紹介。

 トマトは夏の野菜だが、ジュースには一般的に多く収穫のある旬の時期、つまり一番おいしい時期の真っ赤なジュース用のトマトを使っている。

 ビタミンCなどは加工すると壊れたり減ったりしやすいが、トマトに含まれるリコペンは生のトマトよりも専用のトマトを使う100%ジュースのほうが多いくらいだ。

 このリコペンは、β-カロテン以上の抗酸化作用を持っている。風邪を引きやすい冬場には欠かせない栄養素だ。

 今回は、ビタミンCを補うためにゆずの力を借りる。粘膜を潤す湯気とともに立ち上る、トッピングした皮の香りで、身も心もホッとしながら水分補給ができるだろう。

 トマトとゆずで酸味が強過ぎると感じた場合は、ハチミツで調整してほしい。

《PROFILE》
海老久美子(えび・くみこ)
立命館大スポーツ健康科学部副学部長。管理栄養士、公認スポーツ栄養士、博士(栄養学)。全日本野球協会医科学部会委員。JOC強化スタッフ。ジュニアからトップまで、各種目のアスリートへの実践的な栄養教育・サポートを実施。著書に『野球食』『野球食Jr.』『野球食のレシピ 』『女子部活食』(小社刊)などがある。

文責◎ベースボール・クリニック

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