幕内の優勝争いは1敗の明生、隠岐の海が相次いで敗れ、2敗の朝乃山、御嶽海、貴景勝が勝ち、2敗で5人が並ぶ大混戦となった。

※写真上=祖父の横綱琴櫻を彷彿させる馬力相撲で、十両優勝争いのトップに並ぶ琴ノ若
写真:月刊相撲

 十両は左足の蜂窩織炎が原因で低迷していた元関脇の勢が復調して2敗でトップ。これにピッタリとくっついているのが、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)の長男・琴ノ若だ。

 先場所、新十両の琴ノ若は、黒星先行の苦しい展開から、最後に3連勝して勝ち越し。夏巡業では初日から白鵬に胸を出してもらうなど、幕内上位力士に稽古をつけてもらい、毎日砂まみれになっていた。

 稽古の成果がすぐに結果に出るわけではないが、今場所の琴ノ若は胸板がひと回り大きくなった印象。前に出る力もついてきた。

 この日は埼玉栄高の先輩である翔猿と対戦すると、立ち合いから突き押しで圧倒し、最後は豪快に押し倒した。

「15日間の中の一番だと思って、内容を意識せず、楽に取っています」と語る琴ノ若。今日の相撲は四つ相撲だった父ではなく、猛牛と呼ばれた祖父・元横綱の琴櫻のような馬力相撲だった。琴櫻の血のほうが強いのかもしれない。

 10日目で勝ち越しを決め、十両優勝も狙えるが、「これで安心せず、でも欲を出すとダメなので、千秋楽までいい相撲を取ることを心掛けていきます」と気を引き締めていた。

 幕下時代は伸び悩んでいたが、新十両で勝ち越してからひと皮むけたようだ。まだ21歳と若く、将来が楽しみな存在になってきた。

文=山口亜土

おすすめ記事

相撲 2019年9月号

This article is a sponsored article by
''.