終盤戦に入り、優勝争いも白熱してきた。照ノ富士、朝乃山は1敗を守ったが、2敗の正代、御嶽海の両関脇は敗れて大きく後退。そして、結びの一番に波乱が待っていた。

※写真上=全勝の白鵬を押し出しで破り、殊勲の星を挙げた大栄翔
写真:月刊相撲

 全勝の白鵬は小結の大栄翔と対戦。互角の立ち合いから大栄翔が突き放して出るが足が滑り、後退した白鵬も滑ってバランスを崩す。白鵬はすぐに立て直し、はさみつけて前に出るが、やや焦ったか。大栄翔のイナシに大きく泳ぎ一回転。振り返るスピードは速かったが、大栄翔は落ち着いて間合いを詰めて押し出した。

 殊勲の星を挙げた大栄翔は、「廻しを取られたら何もできないので、しっかり当たることだけを考えていました。自分の相撲を取り切れたので、すごくよかった。横綱戦は毎回緊張するけど、自分の力を出し切れた。勝ちは自信につながるし、うれしいです」と興奮気味にまくしたてた。

 場所前は出稽古が禁止されたが、大栄翔の追手風部屋は関取が全部で7人。「関取が多いので、いつもと同じように稽古ができて恵まれています」と語る。

 これで大栄翔は7勝4敗。勝ち越せば殊勲賞は堅いだろう。この1年、上位総当たりの位置で7勝、8勝を続けて地力もついてきた。「自分でも手応えがあるので、集中を切らさずいきます」と意気込む。

 2敗力士が消滅し、1敗の3人がトップグループを形成。12日目、白鵬は関脇御嶽海、朝乃山は西前頭5枚目の北勝富士と対戦が組まれた。なぜ、朝乃山と照ノ富士を当てないのか。上位同士の割を崩さず、照ノ富士を上位と当てるのは12日目がラストチャンスだった。

文=山口亜土

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