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2020-10-28

【全日本大学駅伝展望】青学大、駒大に勢いあり。シード争いもし烈を極める

異例のシーズンのなか、競技会で好調をアピールする青学大と駒大(写真左は吉田、右は田澤) 写真/田中慎一郎(陸上競技マガジン)

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上位争いは東海大が軸
シード争いは混沌

 関東地区は6月20日に予定されていた選考会が中止になったため、8人の10000mの合計タイムによる書類選考で、7校の本戦行きが決定。シード校と合わせ、計15校が出場する。青山学院大と駒澤大に続く上位争い、さらには8位までに与えられるシード権争いは激戦必至だ。

 上位争いは前回、16年ぶり2回目の頂点に立った東海大が中心になりそう。そこに、前回4~8位でシードを持つ東京国際大、東洋大、早稲田大、国学院大、帝京大、そして書類選考で出場を決めた明治大、順天堂大が絡む展開か。

 東海大は塩澤稀夕、名取燎太、西田壮志の4年生トリオが軸。塩澤は日本インカレの5000m、10000mで共に7位入賞。また、9月27日の東海大記録会10000mでは、名取が28分10秒51、西田が28分37秒37と、そろって自己新をマークした。

 同記録会の5000mでは、前回の優勝メンバーの市村朋樹(3年)が13分48秒35と自己記録を更新。ルーキーの石原翔太郎、喜早駿介、佐伯陽生も9月に13分台を記録した。 経験者が少なく、未知数だが、6区までの展開次第で優勝戦線浮上もあるだろう。

東海大は、塩澤(写真)、名取、西田の4年生を軸に連覇を狙う
東海大は、塩澤(写真)、名取、西田の4年生を軸に連覇を狙う 撮影/田中慎一郎

 早稲田大と明治大は勢いがある。早稲田大は中谷雄飛、千明龍之佑、太田直希の3年生トリオが引っ張る。10月11日のトラックゲームズin所沢の10000mでは、中谷が28分19秒27、太田が28分19秒76の自己新。課題だった選手層も、下級生の台頭で克服できている。スピードランナーや経験豊富な実力者たちで、6区まで確実に上位につけたい。

 前回15位と苦戦した明治大は、5年ぶりのシード権を狙う。10月のレースでは全体的に好調ぶりをアピール。小袖英人、前田舜平(共に4年)、鈴木聖人、手嶋杏丞(共に3年)、加藤大誠、櫛田佳希(共に2年)を中心に層は厚い。序盤から大きなミスなくつないでいけば、上位返り咲きは難しいことではない。

 東洋大、国学院大、帝京大も有力だ。13年連続のシード権が懸かる東洋大は、前回3区で驚異的な区間新をマークした相澤晃(現・旭化成)が卒業した穴を、総合力で埋める。昨年度は故障で本来の力を発揮できなかったエースの西山和弥(4年)が、10月17日の宮崎県長距離記録会10000mで今季日本人学生最高の28分03秒94と完全復活。箱根駅伝5区で区間記録を樹立した宮下隼人(3年)も健在だ。また、1年生の松山和希が10月に5000mで13分48秒80と自己記録を伸ばすなど、下級生も力をつけている。

今季復活を果たした東洋大・西山は、駅伝でのチーム浮沈のカギを握る
今季復活を果たした東洋大・西山は、駅伝でのチーム浮沈のカギを握る 撮影/田中慎一郎

 国学院大は今春に主力が卒業したとはいえ、藤木宏太(3年)、中西大翔(2年)のダブルエースは強力。藤木は10000mで28分24秒79、中西は5000mで13分42秒24と、それぞれ国学院大記録を樹立。臼井健太(3年)も、今季は13分台が2回と好調だ。中間層も堅実に走れる選手が並ぶ。3年連続のシード権なるか。

 同じく3年連続シード権に挑む帝京大は、夏まであまりレースに出ず、着々と牙を研いできた。10月に5000mで自己新の小野寺悠をはじめ、星岳(共に4年)、遠藤大地(3年)ら主軸も力があるが、とにかく中間層が厚い。

 前回、初出場でシード権内の4位に入った東京国際大は、2区の区間記録を持つ伊藤達彦(現・Honda)らが卒業したが、8区で区間賞を獲得したルカ・ムセンビがいる。10月18日の東海大記録会10000mで28分台の山谷昌也、丹所健(以上2年)も好調だ。

 14年ぶりのシード返り咲きを狙う順天堂大は、10月17日の箱根駅伝予選会を圧巻のトップ通過。3000m障害の学生記録保持者・三浦龍司(1年)、清水颯大、野口雄大(共に4年)、伊豫田達弥(2年)らスピードランナーを擁し、台風の目となるか。

※本原稿は陸上競技マガジン11月号に掲載された内容に加筆・訂正を加えたものです。

文/石井安里


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