close

2020-10-29

松井大輔に聞く正しい「ファーストタッチ」の身につけ方[前編]

2018シーズンから横浜FCでプレーしている松井大輔



 

――パスの場面では、どのようなファーストタッチを心がけていますか?

松井 僕は右利きなので、自分にとって蹴りやすい右斜め45度あたりのところに、ボールを置くようにしています。ファーストタッチは自分が置きたいところに置くことが大事ですが、練習を繰り返すと、自然と良い位置にボールを置けるようになっていきます。試合中は考えている時間はなく、条件反射で動くしかありません。ボールを置いたところに相手が来ると奪われてしまうので、体の動きでフェイントをかけたり、手や体を使ってボールを守ったりもします。

――フリーの状況ではファーストタッチでピタッと止められるのに、プレッシャーを受けると、体に力が入ってコントロールがずれてしまうことがあります。うまくできるコツはありますか?

松井 それは練習しかないですね。僕が子供の頃は、ファーストタッチの練習として「壁当て」をよくやっていました。壁に向かってボールを当てて、跳ね返ってきたボールをトラップする練習です。

――跳ね返ってきたボールを自分のイメージした部位に当ててコントロールするのですね。

松井 最初にリフティングを何回かやったあとに、浮いたボールを壁に向かって蹴ります。跳ね返ってきたボールを足のインサイドで止めて、リフティングをまた何回かやって蹴る、その繰り返しです。インステップでボールを止めるのは難しいので、インサイドで止めることを意識していました。(後編に続く)

プロフィール
松井大輔(まつい・だいすけ)
1981年5月11日生まれ、京都府出身。2000年に鹿児島実業高校から京都サンガFCに加入。1年目から主力となり、02年度には天皇杯で優勝。04年にフランスのル・マンに移籍し、持ち味の創造性あふれるプレーで称賛された。その後、サンテチエンヌやグルノーブルなどでプレー。日本では14年から17年途中までジュビロ磐田で、18年から横浜FCでプレーしている。日本代表としては03年に国際Aマッチデビューを果たし、04年にはU-23日本代表としてアテネ・オリンピックに出場。10年の南アフリカ・ワールドカップでは全4試合に先発出場し、日本のベスト16進出に貢献した。175cm、66kg

サッカークリニック 11月号 | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社

別冊付録]ゲーム分析ノートブック 2020 FALL PART1:ワールドカップを経験した現役Jリーガーのファーストタッチ論 PART2:強豪高校の指導者が世界基準の視点で語るファーストタッチ PART3:実戦的な技術を身につける上で静岡学園中学校が大切にするもの PART4:将来の活躍を目指して小中学生を育成する指導者2人の技術向上策 谷元希(西宮タイガース代表) ×大路照彦(市立西宮高校監督兼西宮タイガースCOD) PART5:Jリーグで活躍したブラジル人アタッカーのファーストタッチ PART6:日本屈指の理論派指導者・風間八宏に聞く「止める」と「運ぶ」 特別インタビュー [SPECIAL INTERVIEW] 女子中学生年代をサポートする「HER TEAM」プロジェクト 「高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2020」開幕リポート 「高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2020」試合日程2020.10.10~2020.12.13 バルサアカデミーキャンプの誌上再現リポート Vol.4(最終回) ジュニアからジュニアユースへ「3人のジュニア指導者と考える『ジュニアユース年代へのうまい移行』」 ジュニア年代クラブ訪問(第94回)Grant FC(東京都) タウンクラブの指導者が実践する「メンタル」アプローチVOL.1「小学生」前編 スペインで活躍する日本人指導者が聞く「ランデルコーチとの一問一答で考えるスペイン流サッカー講座」VOL.1 今月のテーマ:ファーストタッチ バックナンバー&次号予告&編集後記 出し手と受け手のほかに3人目の選手がボールに関わることを指す攻撃戦術。 うまく決まれば、相手の守備を崩すのに大きな力を発揮する。 Jクラブの監督に「3人目の動き」をより良くする方法を聞くほか、 小学生、中学生、高校生、それぞれに対して求めることのできる 「3人目の動き」やその指導方法の違いなどを各カテゴリーの指導者に聞いていく。 下平隆宏(横浜FC監督)& 風間八宏(前名古屋グランパス監督) ◎ 小林伸二(ギラヴァンツ北九州) による「選手の才能の伸ばし方」 ◎ 「プレーコンサルティング型キャンプ」の誌上再現リポート

取材・構成/鈴木智之

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事