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2020-12-17

【箱根駅伝の一番星】「どの区間でも大丈夫」でも、創価大・石津佳晃が密かに抱く往路への思い

最後の箱根で前回以上の走りを誓う石津 写真/松田杏子

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陸マガの箱根駅伝カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。前回9区区間6位の走りで創価大史上初のシード権獲得に貢献した石津佳晃(4年)。今季はさらに上を目指すべく、チームの柱となる同級生たちと共に切磋琢磨していく。

自身を駆り立てた前回の悔しさと同級生のライバル

 創価大学が総合9位でチーム史上初のシード権獲得を果たした前回大会。最後の決め手となったのは、10区・嶋津雄大(3年)の区間新&区間賞だったが、そのおぜん立てをしたのが9区区間6位の走りを見せた石津佳晃(4年)だった。だが、決して納得のいく内容ではなかった。10位・中央学大に7秒差の11番手でタスキを受けた石津だが、嶋津にタスクをつなぐときには中央学大との差が55秒まで開がってしまったからだ。

「区間10位以内という個人の目標は達成しましたけど、中央学大の有馬圭哉さん(現・マツダ)に大きく離されてしまったので。そこでついていけば個人もチームも、もうちょっといい順位になったと思うので、悔しさの方が残るレースでした」

 前回の走りで石津が課題として見出したのは、ハーフマラソンは1km3分を切るペース、トラックでは1000m2分50秒のペースで押していける走力を付けること。その課題をクリアする意味で5000m 14分21秒00、10000m29分36秒90だった自己記録を13分台と28分台に乗せる目標を立てた。

「入学したときからライバルと意識している同学年の原富慶季と右田綺羅は、すでに28分台を出していたのでそれが悔しかった。自粛期間は実家に帰ってひとりで練習をしていましたけど、そのときに支えになったのは、箱根の悔しさとふたりには負けたくないということを思い出せたからです」

 10月の多摩川5大学対抗では10000m、トラックゲームズ in TOKOROZAWAでは5000mで自己新は出したが、その更新幅はわずか。「記録を出さなくてはいけないという焦りがあった」と言う。だが、その後、実業団チームのタイムトライアル10000mに参加して非公認ながら28分39秒で走った。

「やっと本領を発揮できたというか、リラックスして自分のやりたい動きもできたので、記録もついてきたと思います。原富や綺羅より良いタイムが出せたので、とりあえずは良かったのですが、ハーフで走れないと意味がないので負けてられないという気持ちで練習できています。タイムトライアルでは苦しいときに練習を思い出して動きを良くするイメージを実践できたので、ハーフにつながる走りはできたと思います。自己記録は1時間04分46秒ですけど、1時間2分台は余裕で出していかなければいけないなと思っています」

 そんな石津が来るべき箱根に向け、秘かに目標としているのは往路でチームの柱になること。上りには少し苦手意識もあり、狙うは前回、原富が走った3区だ。

「正直、どこで起用されるかは分かりませんが、榎木(和貴)監督とよくすり合わせをして決めれば、どこを任されても大丈夫かなと思っています。今の4年生5人が前回経験者で、今年もチームを引っ張る力になっているので、みんなができるだけ勝負区間を走って良い結果を出してほしいですし、自分も出さなきゃいけないと思っています」

 復路なら7区か、前回と同じ9区か。

 とはいえ、今の創価大学は「昨年度に実績を残した選手が今回も走れる保証がないほど、チーム力がアップしている」(榎木監督)。最後の箱根では、勝負のキーとなる主要区間を走って納得できる結果を出したいという石津。その第一条件は、チーム内での激しい競り合いで勝ち切ること。箱根駅伝当日まで、石津の戦いは続いていく。


石津は同級生のライバルを意識して、この1年ステップアップしてきた 写真/矢野寿明

いしづ・よしあき◎1998年11月13日、静岡県生まれ。165cm・51㎏、O型。三方原中→浜松日体高(以上、静岡)。自己ベストは5000m14分18秒16、10000m29分34秒46(以上、2020年)、ハーフ1時間04分46秒(2019年)。高校時代は、3000mSCと5000mを専門種目としていたが、主な全国大会出場歴はなし。大学3年時の昨季は箱根予選会でチーム2番手の全体43位、箱根本戦では9区区間6位でチームのシード権獲得に貢献した。石津にとっての箱根駅伝とは「誇り」(箱根駅伝2021完全ガイドアンケートより)。

陸上競技マガジン 1月号

箱根駅伝2021完全ガイド(陸上競技マガジン1月号増刊)

文/折山淑美

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