陸マガの箱根駅伝カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。青学大の吉田圭太(4年)は全日本大学駅伝ではトップでタスキを受けながら4位に終わり、悔しい思いを味わった。仲間の励ましに支えられ、最後の箱根で結果を残すと誓う。
※吉は「土」に「口」
自信を持って1月2日へ 悔しそうだった。
いや、憔悴していた。
全日本大学駅伝、青山学院大学のエース、吉田圭太はアンカーとして優勝のフィニッシュテープを切るはずだった。
中学時代からお互いを知る同級生の神林勇太から先頭でたすきを受けたが、この時点で2位の東海大とは39秒差、3位の駒澤大とは41秒の差があった。吉田は振り返る。
「僕が普通に入っていれば、優勝できるタイム差でした。ところが、走り出してみると走っているのに、走っていない感じで……。ぜんぜん力感がなかったんです。東海大、駒大に抜かれてからは、『これ、走り切れないかもしれない』と不安になったほどでした。最後は、後輩のためにもシード権だけは取らないといけないと思ったからこそ、走り切れた感じでした」
結果は4位。大学に入学して以来、駅伝では一度も外してこなかっただけに、ショックは大きかったし、責任を感じていた。
「原因はなんとなく分かっています。トラックレースで思った以上に出力してしまって、ちょっとしたケガがあり、練習を抜いてしまった時期があったんです。監督からはそれが影響したんだろう、と。でも、どんな状況でも結果は残さなきゃいけないんで」
幸い、その後の練習は順調に積めている。昨年との比較で言えば、去年は10月の出雲駅伝をピークに調子は下降線をたどった。11月の合宿では練習についていくのがやっと、という状態の日もあった。
「去年は、11月の段階でも結構厳しかったんですけど、そこから箱根駅伝まで、なかなか調子が戻らなかったんですよ。今年は同じメニューでも余裕をもってこなせましたし、12月の最終合宿の調子もいいです。自信を持って1月2日を迎えられそうです」
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