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2020-12-21

【箱根駅伝の一番星】「真のエースの走りを」シード権獲得に燃える山梨学院大学・森山真伍主将の決意

全日本は8区区間8位で順位を3つ上げた。往路主要区間が予想される箱根でそれ以上の快走を誓う(写真/JMPA)

陸マガの箱根駅伝カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。2年ぶりの箱根路を決めた山梨学大だが、主将でエースの森山真伍(4年)に懸かる期待は大きい。2度目の箱根路ではチームを勢いづける走りを――。それこそが自身の役割と心得ている。

是が非でもシード権を手にする

今季、山梨学大に誕生した待望の日本人エースだ。

「練習態度もほかの選手の模範で、黙々と粘り強く走り込むタイプ。前回の箱根予選会後に10000mで28分台を出し、夏に28分28秒30まで記録を伸ばしました。彼の走りや取り組みを多くの選手が見習っていますし、主将としてこれ以上の存在はいません」

 飯島理彰監督も絶大の信頼を置く。2年ぶりの箱根路を手にした今年の山梨学大は明るさと前向きな雰囲気が特徴だが、中心にいるのがこの森山である。

 だが、7月に故障し、夏合宿は思うように走れなかった。9月から個人的に合宿を張るなど、急ピッチで仕上げて挑んだ予選会はチーム4番目の74位と、エースとしては不本意な結果に終わっている。続く全日本は8区区間8位で3つ順位を上げるも、まだ本領発揮ではない。

「予選会は前半に突っ込んで失速したので、全日本は序盤に抑えて、後半に確実に上げていく走りをしました。走るたびに状態は上がっていますし、自信も出てきましたが、箱根では序盤からハイペースで入って、後半に粘り切る走りを目指します」


箱根予選会では7位通過で2年ぶり34回目の出場を決め、チームは歓喜に沸いた(写真/井出秀人)

 11月からは夏合宿の遅れを取り戻すため、記録会の出場も見送ってひたすら距離を踏んできた。スピードの戻りは早いだけに心配はない。持ち味は積極性。10000mの自己ベストを出した7月のトラックレースでは序盤から実業団勢に食らい付いたが、そのスタイルを20km超の箱根で実現しようともくろんでいる。

 今回、山梨学大でエントリーされた留学生はポール・オニエゴ(3年)。ハーフの距離を安定して走れる選手だが、爆発力のあるタイプではない。エースとしてチームを支えるのは間違いなく森山だ。

「おそらく前半区間を走ると思います。どんな位置でタスキをもらっても上位でつなぐだけです。起伏のある区間でも自信があります」

 その言葉からは1区や3区といった高速区間だけでなく、2区への準備も進んでいることが分かる。果たしてどの区間を担うか。

 ただ、どこを走っても今大会の山梨学大の浮沈のカギを握る存在だ。7月に森山が好記録を出した際、チームは大いに沸き立った。箱根でも森山が快走を見せれば、後を走る選手も流れに乗れるだろう。そんな走りをしてこそ本当のエースだとほかならぬ森山自身が一番理解している。

チームを再度、箱根の常連とするために。「足掛かりとして今回は是が非でもシード権を手にしたい」と意気込みを語る。主将として強い決意で最後の箱根に挑む。

陸上競技マガジン 1月号

箱根駅伝2021完全ガイド(陸上競技マガジン1月号増刊)

文/加藤康博

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