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2021-01-18

【NFL】「1分」で変わった勝負の流れ ジャクソン3度目のプレーオフも苦い記憶に ビルズvsレイブンズ

【ビルズ vs レイブンズ】ビルズDBジョンソンが101ヤードのインターセプトリターンTD。試合の流れを大きく変えた=photo by Getty Images

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AFCディビジョナルプレーオフ(1月16日、ビルズスタジアム)
バッファロー・ビルズ○17-3●ボルティモア・レイブンズ

強く吹き続けた風の中で、最小限のミスで、粘り強く戦ったビルズに対し、勝負所で詰めを誤ったレイブンズが、TDを奪えないまま敗退した。

レイブンズオフェンスは、第1クオーターと第2クオーターに3度にわたって敵陣に侵入。しかしこのチャンスでTDを奪えなかっただけでなく、NFL屈指の名キッカー、ジャスティン・タッカーが41ヤードと46ヤードのFGを失敗した。タッカーは、前半の最後に34ヤードのFGを決めたが、この失敗が、オフェンスに影を落とすことになった。

前週のワイルドカード、コルツ戦でRBザック・モスが負傷し、出場できなくなったビルズも、前半のオフェンスはレイブンズ以上に苦戦した。QBジョシュ・アレンのパスに偏ったオフェンスがなかなか機能せず、こちらも風の影響でFGを外すなど、前半は3-3で折り返した。

後半開始のドライブ、ビルズはQBアレンのパスでこの試合2度目のレッドゾーンへ。
残り3ヤードの地点から、バンチ隊形で、左のアウトサイドが人数で上回っているのを見たアレンが、WRステフォン・ディグスにスクリーンパスを決めて、TDを奪った。

【ビルズ vs レイブンズ】ミスを最小限に抑え、勝ち切ったビルズQBアレン=photo by Getty Images
【ビルズ vs レイブンズ】ミスを最小限に抑え、勝ち切ったビルズQBアレン=photo by Getty Images

追うレイブンズは、前半180ヤードを記録したオフェンスが引き続き好調だった。
8分14プレーを費やしたロングドライブで、ビルズゴール前9ヤードの地点まで攻めこんだ。

しかしここでQBラマー・ジャクソンが、サードダウンから、痛恨のインターセプトを投じてしまう。

エンドゾーン内でボールを奪ったビルズDBタロン・ジョンソンは、巧みなコース取りで追走をかわすと反対側のエンドゾーンまで走り切るビッグプレー。プレーオフ記録を塗り替える101ヤードの「ピック6」となった。

14点差を追う展開のレイブンズには焦りが出た。直後のオフェンス、セカンドダウンでショットガンのスナップが乱れてしまう。

拾い上げたジャクソンがサイドラインにパスを投げだしたが、ビルズディフェンス陣のタックルに遭って後頭部からグラウンドにたたきつけられた。

ジャクソンは、NFLの規定により脳震とうプロトコールに入ったため、この試合には出場できなくなってしまった。

【ビルズ vs レイブンズ】3度目のプレーオフも苦い記憶で終わったレイブンズQBジャクソン=photo by Getty Images
【ビルズ vs レイブンズ】3度目のプレーオフも苦い記憶で終わったレイブンズQBジャクソン=photo by Getty Images

交代で入ったQBタイラー・ハントリーは、ドラフト外入団のルーキー。14点のビハインドは、荷が重すぎた。

インターセプトリターンTDから、ジャクソンの負傷退場まで、プレークロック上は1分足らず。この短い時間で、勝負の流れは大きく変わったのだった。

スポーツ専門局ESPNのアナリスト、セス・ウォルダーによれば、ビルズはジャクソンのパスに対し、前半は9割近くをゾーンカバーで守っていたという。

ゴール前まで進めば、当然守るべきエリアは狭くなり、ディフェンスの密度が上がる。

インターセプトされたプレーでも、ビルズディフェンスはラッシュは4人、7人でエンドゾーンを守っていた。結果論だが、ジャクソンがパスを投げ捨てるべきだった。

レイブンズにとって、どうしてもTDが必要なドライブではなく、FGでもよかった。

勝負にレバタラは禁物だが、前半のタッカーが外したFGが1本でも決まっていれば、オフェンスには余裕が生まれただろう。

あるいは、負けず嫌いのジャクソンは、ドラフト同期のQBアレンがレッドゾーンで決めたTDへの対抗心があったのかもしれない。

結局、アレンがディグスに決めたのが、この試合両チームのオフェンスで唯一のTDとなった。


ルーキーから3年連続プレーオフ出場のジャクソンだが、今季もまた苦い記憶と共にフィールドを去ることになった。

【小座野容斉】

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