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2021-02-01

【2020スポーツカード大賞】#01 ベストアイテム部門<ベースボールカード>

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毎年恒例のスポーツカード大賞! ディーラーズ座談会で決定します。連載第1回は、ベストアイテム部門から<ベースボールカード>編をお届けします。

参加ディーラー
佐伯 篤SAトレーディング)写真・右
酒井裕之ミント池袋店)写真・左
藤池雄一郎ミント千葉店)写真・中


 カードファンの皆様、お変わりありませんか? 新型コロナの第3波による緊急事態宣言が大都市圏を中心に再発出され、世の中の先行きはまだまだ不透明ですが、2021年もよろしくお願いいたします。

 昨年末にBBM本社会議室にて行われたスポーツカード大賞の座談会も、とうとう13回目。座長役の佐伯篤氏は13年連続出場となりました。ミント店長軍団は今回、池袋店の酒井裕之店長と千葉店の藤池雄一郎店長が参戦。初参加の2人は序盤こそ少し緊張気味でしたが、中盤から終盤にかけては、例年と変わらぬ熱いトークが繰り広げられました。

 2020年を代表したのは、果たしてどのカードなのか? コロナ禍にもかかわらず、大いに盛り上がったスポーツカードシーンを総括します!

ベストアイテム部門<ベースボールカード>
佐伯 本日はよろしくお願いします。ミントの2人は初参加の新メンバーですね。

酒井 池袋店の酒井です。参加させていただくのを楽しみにしていました。本日はよろしくお願いいたします。

藤池 高橋店長の代理で参加させていただきます。千葉店の藤池です。ちょっと緊張気味ですが、よろしくお願いいたします。

佐伯 それでは早速始めましょうか。2020年は日本中が新型コロナの影響で苦しんだ1年だったのですが、スポーツカード業界に限って言えば、緊急事態宣言の自粛期間中はもちろん、それ以降も、意外にカードは売れたんじゃないかと思うんです。むしろ、“例年以上”どころか、“かなり”と言っていいくらいではなかったでしょうか。皆さんの印象は、いかがでしたか。

藤池 それは私も感じました。

酒井 最初に緊急事態宣言が出た当初はお店も開店できないような状況でした。ものすごく不安だったのですが、実際には特に通販が好調で、杞憂に終わりましたよね。

佐伯 “通販バブル”と私の仲間内では呼んでいたんですけど、やっぱり、みんなステイホームの期間中は暇だったんでしょう。家にいてもすることがないから、カードでも開封しようと(笑)。

藤池 SNSを見る機会が増えたことも大きいと思いますね。実際にカードを開封している人がその映像をアップして、それを見た人が自分も開封したくなったり、貴重なカードを持っている人がコレクションを紹介することで、古いカードも見直される動きが出てきたり、カードに関してはコロナ禍の中でも勢いがあったと感じます。

佐伯 インドアでも楽しめるホビーとして、カードならではの強みが出ましたよね。前置きが少し長くなりましたが、2020年のスポーツカード界を振り返っていきましょう。まずは、【ベストアイテム部門・ベースボールカード】からです。それでは、藤池店長からお願いします。

藤池 発売順で紹介していくと、最初に挙げたいのは「ルーキーエディション」です。佐々木朗希、奥川恭伸、石川昂弥、森下暢仁といったルーキーが人気で、特に箔サインカードでこれまでと比べても格段に高い値段がついたんですよね。この商品が出た2月中旬はまだコロナが感染拡大する前でしたけど、その時点でちょっと今年は雰囲気が違うぞ、という印象がありました。そして、店頭に立っていて一番強く感じたのはロッテの勢いですね。私が千葉店ということもありますが、特にBBMの「ロッテチームパック」は店頭に並ぶことなく予約完売してしまって、本当にすごい人気でした。これもベストアイテムの候補に挙げさせていただきたいです。

佐伯 ロッテはうちの店でもあっという間になくなりましたよ。

藤池 私は他にも候補があって、次は9月に発売された「ジャイアンツヒストリー」。カードデザインが抜群でしたし、長嶋茂雄さん、王貞治さん、高橋由伸さんといった、それぞれの世代があこがれていたスターたちの直筆サインカードが入って、すごくいいシリーズだったと思います。

酒井 デザインがとにかく素晴らしかったですよね。懐かしいだけでなく、見たこともないような写真もあって、さすがBBMという感じでした。

佐伯 あんないい写真がよく残っていたものだと感心しますよ。

藤池 そして、11月末にエポック社から発売された「イチロー・スーパーラグジュアリー・ベースボールカードコレクション」ですね。

佐伯 来ましたねぇ。どこかで名前が出てくると思いました。

藤池 オリックス時代のイチローのカードで、しかも直書きサインというインパクトはすごかったです。

佐伯 この商品はオープンプライスでしたけど、ちなみにいくらで売りました?

藤池 ミントでは19万8000円でした。このように2020年は話題になったアイテムがたくさんあって、候補をいろいろと挙げてきましたけど、そんな中でも1位に推したいのはBBMの「30周年カード」なんです。

酒井「30周年カード」は2020年ならではのアイテムですからね。うちのお店でもとてもよく売れて、即完売になりました。

佐伯 そんな酒井店長の1位は何でしょう?

酒井 私は、実は「1stバージョン」なんじゃないかと思っているんです。

佐伯 確かに、「1stバージョン」も内容、売れ行きともによかったですよね。

酒井 4月10日の発売でしたが、その2日前、8日に緊急事態宣言が出たんですよね。我々も本当なら発売してから休みにしたかったんですけど、その前に店を閉めようという方針が出て、「今年の1stはまったく売れないんじゃないか」という不安いっぱいのなか、休業に入りました。それがふたを開けてみたら、想像以上の売れ行きで、「1stバージョン」があんなに早くなくなったのはちょっと記憶にないくらいでした。

佐伯 去年もよく売れたんですけど、それを上回るペースでしたよね。

酒井 カード内容についても、企画が盛りだくさんでしたし、開封した客さんも何より楽しそうでした。感想を聞くと、「何ボックス開けても飽きない」と。本当に素晴らしいと思いましたね。写真ひとつをとっても、普通に打った、投げただけじゃない写真がいっぱいあったので、私もカードを見ていて面白かったです。

佐伯 なるほど。他には?

酒井 どうしても藤池店長とダブってしまいますが、先ほど名前を出していただいたもの以外では、BBMの「阪神チームパック」はとにかくデザインがよかったと思います。

佐伯 サインカードの黄色のバックが特徴的でしたよね。

酒井 カクテル光線をイメージさせるような背景で、エモーショナルな感じがとてもよかったです。すごくインパクトがありました。

藤池 私も阪神はレギュラーの写真使いもすごかったイメージがありますね。

酒井 福留孝介のレギュラーは顔アップの写真がよかったですよね。他にも、インサートの「TIGER CLAW」は4本線だけで虎のイメージが伝わってくる素晴らしいデザインだったと思います。

佐伯 そんなに目立っていました? あんまり印象にないなあ(笑)。

酒井 あとは、「中日チームパック」もお客さんからの評判が抜群によかったです。

佐伯 中日のデザインはここ数年評価が高くて、この対談でも話題になることが多かったんですよね。何年か前に、ベストデザイン部門で1位になったこともありました。

酒井 佐伯さんの1位は何ですか?

佐伯 私はイチローの「スーパーラグジュアリー・コレクション」が1位なんです。

酒井 なるほど。私もイチローは、どの部門で1位にするかで悩みました。

佐伯 イチローのサインをオリックス時代の写真でカード化できたというのは画期的なことで、サイン部門の1位にしようかとも思ったのですが、一つのアイテムとしてあの形で出せたという意義は、とても大きいと思うんです。コロナの影響を受けて発売がさんざん延期される中で、何とか実現できて、これまで日本では前例のない20万円近くする商品が完売したということで、スポーツカードの新たな可能性を示すことができたと思います。

酒井 商品案内を見たときは、すごく驚きましたよね。

佐伯 第一印象では失敗するかもしれないと思ったんです。大谷翔平の「One & Only」は売れたけど、さらに高額になって、イチローとはいえ現役引退していることを考えると、不安がありました。約20万円でサイン1枚とレギュラー3枚。15万円なら絶対に売れるだろうし、10万円ならバカ売れなんでしょうけど、メモラビリアカードもなく、果たして20万円の価値があるのかと。でも最終的には、オークションなどで未開封ボックスに22~23万円くらいの値段がついて、メーカーの値付けがそう間違っていなかったということが証明されましたよね。

酒井 確かに、パッチとかのジャージーカードがないのは不安要素でしたよね。

佐伯 このイチローが私の1位で、次点が「30周年カード」と「ジャイアンツヒストリー」です。

酒井 私も「30周年カード」と「ジャイアンツヒストリー」はもちろん候補に挙げていて、イチローはどちらかというと企画部門で推したいんですよね。

佐伯 なるほど。では、ベストアイテムは「30周年カード」にしますか? 確かにいいシリーズでしたし、「ジャイアンツヒストリー」も他の部門で名前が上がってくるでしょうから。ただ、いきなりBBMに媚びていいのかというね(笑)。

酒井 30年も歴史があるんだということを再確認させてもらいましたよね。このアイテムには懐かしい復刻インサートも入りましたし、他のアイテムでも貴重なバイバックサインや復刻スーパーパッチなどの30周年企画がいろいろな形で実現されました。それらを代表して、この「30周年カード」がこの部門のNo.1ということでいいのではないでしょうか。

藤池 私ももちろん異議なしです!

BBMベースボールカード 30th Anniversary


「貴重なバイバックサインあり、懐かしい復刻インサートあり。30年の歴史を再認識させてもらった」(酒井)

▶︎▶︎▶︎次回は、ベストアイテム部門<その他カード>編です!

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