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2021-01-30

【アメフト】ライスボウル見直し決定、学生代表は出場せず、社会人による日本選手権として存続

ライスボウル【オービック vs 関学大】関学大RB三宅を追うオービックDL佐藤=2021年1月3日、撮影 小座野容斉

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アメリカンフットボールの日本選手権・ライスボウルが見直され、今後は学生代表チームが出場しないことになった。日本アメリカンフットボール協会(国吉誠会長)が、1月30日に臨時理事会を開いて決定し、発表した。

ライスボウルは、1月上旬に先行した一部報道にあったような消滅ではなく、日本選手権として存続する。今後は社会人チームによる優勝決定戦となる。2021年シーズン(2022年1月3日開催予定)の大会から適用される。

運営などの詳細については、3月14日の日本協会定例理事会で決定する。

ライスボウルは、学生王者と社会人王者が対戦する現行の日本選手権としては、1984年以来、38回開催されてきた。通算成績は社会人の26勝12敗だが、当初の10年間は学生の7勝3敗で、現在は社会人の12連勝中。近年は、社会人のXリーグで、米国のカレッジフットボールで実績を残した米国人選手を起用するのが普通となり、体力的にも技術的にもプレー水準に差ができて、学生チームが対抗するのは困難となっていた。


日本協会は、昨年夏に、前日本代表ヘッドコーチ(HC)で、東京大学ウォリアーズHCの森清之氏ら8人によるワーキンググループを立ち上げ、開催方式の変更や、ライスボウル開催の意義も含め、6回の会合を開き、議論を重ねてきた。今回の臨時理事会の決定は、ワーキンググループの結論がベースとなった。

日本協会は「今後も、日本のアメリカンフットボール全体の価値をさらに高めていくべく、さらに努力してまいります。今回の決定にご理解くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします」としている。

日本選手権となって以降のライスボウル対戦成績
日本選手権となって以降のライスボウル対戦成績



ライスボウル【オービック vs 関学大】パスプロテクションするオービックOLの坂口(77)は190センチ、庄島(58)は188センチだ=2021年1月3日、撮影 小座野容斉ライスボウル【オービック vs 関学大】パスプロテクションするオービックOLの坂口(77)は190センチ、庄島(58)は188センチだ=2021年1月3日、撮影 小座野容斉

日本協会が発表した、ライスボウル見直しの経緯


1.検討経緯
(1)2020年8月2日に開催された日本協会理事会において「ライスボウル検討ワーキンググループ(WG)」を立ち上げる事が提案され、8名のメンバーと共に承認を受けました。
本WGが発足した背景には、近年、学生と社会人との実力差が大きくなってきており、双方の優勝チーム同士が対戦することに、興味を持ちづらくなってきていることがあります。また、この実力差に起因して、安全面での懸念も生じ始めています。これらのことから、日本選手権として現行の対戦カードを続けることの是非等を含め、総合的に検討することを目的としました。

(2)ワーキンググループは8月から11月にかけ、6回の会合が行われ、現状の問題点、日本選手権のあるべき姿が議論されました。

議論においては、現在は社会人の強化及び進化が著しく学生が対等に勝負できる環境にないこと、ならびに、体力的な差も大きく、現場・指導者の感覚では対戦自体が危険を伴うレベルまで来ていることなどが確認されました。

一方、アメリカンフットボール全体の価値を高め、ライスボウルをさらに注目されるイベントにしていくためには、日本で最高レベルのゲームを行うことが最適と結論付けられ、社会人の優勝決定戦とするべき、との意見に至りました。

さらには、各学生連盟、及び、社会人協会においては、選手にとって励みとなる魅力あるポストシーズンゲームを、質量共にさらに充実させていくべきとの意見も、併せてまとめられました。

(3)11月15日に開催された日本協会理事会において上記の意見が報告され、その後、本日までに各加盟団体内にて意見集約が行われ、本日の臨時理事会の決議に至りました。

2.今後の予定

(1)今回のライスボウル対戦見直しにいたるWGの機動的な活動の有用性を日本協会として、あらためて認識し、今後、同様の枠組みでアメリカンフットボール界全体の価値向上に向け、活動を進めてまいります。

(2)本日のライスボウル対戦見直し決定を受け、2021年度日本選手権の運営等の詳細について関係各所とも協議検討し、3月14日開催の日本協会定例理事会で決定いたします。

ライスボウル【オービック vs 関学大】オービックDL平澤のプレッシャーを受けながらパスを投げる関学大QB奥野=2021年1月3日、撮影 小座野容斉オービックDL平澤のプレッシャーを受けながらパスを投げる関学大QB奥野=2021年1月3日、撮影 小座野容斉

ライスボウル【オービック vs 関学大】関学大OL陣のブロックを割って、RB三宅のランを食い止めるオービックDL仲里=2021年1月3日、撮影 小座野容斉ライスボウル【オービック vs 関学大】関学大OL陣のブロックを割って、RB三宅のランを食い止めるオービックDL仲里=2021年1月3日、撮影 小座野容斉

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