相撲生活で学んだことを教育へ活かそうと、奮闘している人物がいる。元横綱日馬富士だ。日本の伝統・文化に感銘を受け、教育・育成の分野を通して祖国と日本に恩返しをしたいと2018年9月にようやく『新モンゴル日馬富士学園』(小中高一貫校)を開校した。(現役時代の2016年10月に創立者らが合意、2017年5月に校舎着工)2019-2020は学校全体で38クラス、生徒1160人、教職員100人以上となっている。
学園の理念は
『その心は思いやりに溢れ、
その体は健康快活で、
その技は知識や能力を基礎にし、
その精神は平和思想と愛国思想を重んじ、
その未来は夢や希望にみちあふれるような
「モンゴル国民の育成」』と書かれている。
初土俵から18年。その土俵人生で、三賞では殊勲賞4回、敢闘賞1回、技能賞5回を獲得し、幕内最高優勝9回。2017年11月場所後に引退。現在、新モンゴル日馬富士学園理事長として教育に全身全霊で取り組む元・第70代横綱日馬富士公平の横綱時代を写真で振りかえってみようと思う。
元横綱日馬富士公平・本名 ダワーニャム・ビャンバドルジ。この春、城西国際大学の大学院を卒業予定。卒業論文は大学院では本年度卒業者優秀論文にノミネートされているそうだ。(文・写真◎橋田ダワー)
大気のエネルギーを感じる
2012年8月27日=東京都江東区毛利 伊勢ケ濱部屋 屋上 NikonD3 70-200mm f7.1/125秒 ISO200
2012年7月場所で全勝優勝を果たした日馬富士。モンゴル特有の、大気のエネルギーを感じるポーズで9月場所の綱取りに挑む。
優勝から一夜明けて

2012年9月24日=東京都江東区毛利 伊勢ケ濱部屋 CanonEOS 7D 19mmf6.3/250秒ISO 400 撮影・小塩裕
2012年9月場所千秋楽から一夜明け、大関で2場所連続全勝優勝、横綱昇進へと報じるスポーツ新聞各紙を眺めて感慨を新たにする。
横綱昇進伝達式

2012年9月26日=東京都江東区毛利 伊勢ケ濱部屋 NikonD4 24-70mmf6.3/320秒ISO500
第70代横綱となった日馬富士。横綱昇進伝達式では「謹んでお受けいたします。横綱を自覚して、全身全霊で相撲道に精進します」と口上を述べた。
祝福の挨拶

2012年9月26日=東京都江東区毛利 伊勢ケ濱部屋 NikonD4 24-70mmf6.3/250秒ISO 500
伝達式後、母ミャグマルスレンさんからモンゴルのハタグ(神聖な青い絹)とともに、牛乳が注がれた銀杯を受けとり祝福の挨拶を受ける。
「綱」の授与

2012年9月28日=明治神宮 NikonD3 24-70㎜ f5.6/400秒ISO800
故・北の湖理事長(元横綱北の湖)から真新しい綱を授与される新横綱日馬富士。
次ページ >
全身全霊 第70代横綱、18年間のけじめ 日馬富士公平/著