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2021-02-14

【プロレス】森嶋猛がスクランブル復帰!  秒殺劇の裏に隠された真実 2010年12月5日、NOAH武道館

スクランブル復帰して杉浦貴を攻め込む森嶋猛

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9・26武道館での不入りに危機感を募らせた森嶋猛が、満身創痍の状態でリングに上がり、ケガの影響を感じさせない激闘を見せた。

 2010年12月5日、NOAHが日本武道館大会を開催した。メインでは杉浦貴が森嶋猛の挑戦を退け、三沢光晴さん& 小橋建太さんと並ぶGHCヘビー級王座年間7度の防衛に成功。NOAH旗揚げ10周年記念イヤーを最初から最後までけん引した。

 その裏で挑戦者の森嶋にもこんなドラマがあった。王者の杉浦は試合後にマイクで「絶対に体調は良くないはず」と語っていたが、森嶋は2カ月前に「左足関節外側側副ジン帯損傷」で欠場に入っていた。しかし、同年9・26武道館は不入りがクローズアップされ、12月の武道館大会でGHCヘビー級王座の挑戦者候補がいなかったのである。

 本来は年明けの復帰を目指した森嶋だが、団体の窮地に居ても立ってもいられなくなり、万全には戻らないことを承知でスクランブル発進。決戦12日前の11月23日の復帰戦で王者の杉浦をなんと99秒殺。GHCヘビー級王座挑戦権を手に入れた。


 実はこの秒殺劇も負傷が完治していないことを隠すために選んだ苦肉の策。長時間の試合になれば、万全でないことが自然と露呈してしまうからだ。現実と虚勢の間でもがき苦しみながら森嶋は決戦を迎え、最強の挑戦者として杉浦を追い込む。

 必殺のバックドロップでも3カウントを奪えない。ならばと130kgの巨体でムーンサルト・プレスを敢行するもよけられた。最後はオリンピック予選スラムで沈んだ。

 試合後に杉浦が明かさなければ、誰も森嶋が万全の状態でなかったことなど気づかれない激闘だった。この大会を最後にNOAHは武道館から撤退。2・12武道館で10年2カ月ぶりの“聖地凱旋”を果たした。

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