close

2021-02-13

【プロレス】杉浦貴が不入りをマイクで言及「三沢光晴さん、小橋建太さん、秋山準さんのいない武道館は物足りないですか?」  2010年9月26日、NOAH武道館

危機感を感じ、観客にマイクで問いかけた杉浦貴

全ての画像を見る

GHCヘビー級王者としてのプライドと責任感からか、勝利後マイクを持って空席の目立つスタンドに語り掛けた杉浦貴。そこにはどんな思いが込められていたのか。

「三沢さんのいない武道館は物足りないですか? 小橋さん、秋山さん、欠場でいない武道館は物足りないですか?」

 試合後、リング上の勝利者インタビューで杉浦貴はこんなことをファンに聞いた。観衆は7200人。1年前は1万7000人(超満員)。スタンド席は大幅に潰され、数字以上に空席が目立っていた。

 本来であれば、わざわざマイナス面に触れなくていい。しかし、杉浦は自分自身への悔しさと責任感の強さからあえて不入りを言及したのである。


 前年12月に潮崎豪を破ってGHCヘビー級王座初戴冠を果たしてから、新日本・後藤洋央紀、真壁刀義、高山善廣、秋山準と団体内外の強豪を挑戦者に迎えて防衛ロードをばく進。この日は潮崎とNOAHデビュー同士でメインイベントを務めた。

 試合は過去のGHCヘビー級選手権と比べても決して引けを取っていない。現在のNOAHの最高峰と胸を張れるだけの激しさだった。しかし…。

 NOAHは2009年3月に地上波放送が終了。6月に三沢光晴さんが亡くなり、小橋建太、秋山準という大黒柱はともに欠場中。杉浦一人の問題ではない。だが、団体の顔であるGHCヘビー級王者としての悔しさは、勝利者インタビューで言葉という形になって表れた。

「上の世代の時はお客さんがいっぱい来てた。そういう面では四天王時代の世代と闘ってるのかもしれない。使命感でも何でもいい。この状況を見たら、尻に火がつかないヤツはおかしいでしょ」

 GHCヘビー級王者として杉浦が闘っていたのは、目の前の挑戦者だけではなかった。

タグ:

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事